- 特集 コミュニケーション能力を高める支援のポイント
- 特集について
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- 提言・コミュニケーション能力を高める支援とは
- 実践力を高めるためのポイント
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- コミュニケーション能力を高める支援の実際
- 重度知的障害を伴う自閉症の子どもへの支援
- 孤立傾向にあるAくんの改善事例
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- ことばがなく,自分の意思を伝えることが苦手なA男のコミュニケーションへの支援方法
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- 有意味な音声言語をもたないK君へのコミュニケーション能力を高める取り組み
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- 行動上の問題があるA君にコミュニケーション支援を提供した事例
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- 中度知的障害を伴う自閉症の子どもへの支援
- コミュニケーションの指導は,すべての指導の基本!
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- D君が支援者と一緒に集中できる活動
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- コミュニケーション能力の向上を目指した自立活動指導の実践
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- 言葉を文字化することで表現力を高める取り組み
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- 軽度知的障害を伴う自閉症の子どもへの支援
- 言葉への関心を高める指導について
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- 場にそぐわない言動の多いA君の改善事例
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- 現場実習事前学習を通じて,社会とのかかわりを学ぶ
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- 高機能自閉症・アスペルガー症候群の子どもへの支援
- ことばの多様な意味に気づかせることから
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- こんなとき何ていう?
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- イラストストーリーのプリント教材を利用した事例
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- 子どもの作品
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- 構造化のアイデア (第5回)
- 安心して歯の治療を受けるために
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- 自閉症の子どもに効果的な教材・教具
- 個に合わせて変えられる教材の紹介
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- 自閉症の子どもに効果的な授業の工夫
- 持久走,一人で走れたよ
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- 学校と家庭の効果的な連携の実際
- 保護者との連携を図る上での3つのポイント
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- こんな余暇の利用の仕方がある
- ドラゴンズ命!
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- こんなパソコンの利用の仕方がある
- 個別の教育支援計画から展開・発展する「おつかい学習」の授業実践
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- こうすれば不適切行動は改善できる
- 「触る」こだわりの強い自閉症児への支援
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- 実践研究
- 家庭で起こすパニックの改善
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- 何でも教育相談室
- 向き合うことから
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- わが校の自閉症教育
- やってみよう! 自閉症教育
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- 本の紹介
- 『自閉症教育新時代 実践の手引』
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- 自閉症の基本障害を理解した支援・対応 (第2回)
- 自閉症の特性について(2)
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- 高機能自閉症・アスペルガーの子どもへの支援・対応法 (第6回)
- 距離をはかる
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- 自立を実現する支援を考える (第2回)
- わかるように伝えていますか
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- 企業で働く人たち (第6回)
- 目指せ!企業就労
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- 〜高等部最終年次の挑戦〜
- 自閉症の子どもを育てて (第6回)
- みなさんの愛に支えられて
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- 就労を実現する自閉症教育 (第6回)
- 可能性を見出す
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- 編集後記
特集について
就学相談を生かした個別の教育支援計画
個別の教育支援計画は,一人一人の子どもの教育的なニーズを把握して自立や社会参加を支援するという特別支援教育を進めるための支援ツールであると位置づけられています。
障害のある人は,乳幼児期から学齢期,そして社会参加期に向け,変化する多様な教育的ニーズをもっています。それぞれの時期の子どもの生活を充実するためには,個別の教育支援計画を活用し,支援者の役割分担を明確にし,支援の継続を図ることが重要です。
「就学相談を生かした個別の教育支援計画」という特集テーマからわかるように,本号では,乳幼児期から学齢期への移行を踏まえた支援の内容や方法を具体的に示すこととしました。また,小学校(部)から中学校(部)への移行に際しての,支援の継続についても示しました。
これまで,障害のある乳幼児への支援は,療育機関や保健所,病院などの医療機関,そして保育所や幼稚園で行われており,そのこととは別の流れで,教育委員会などが就学相談に当たり,改めて保護者の考え等も聴き取りながら就学先を決めてきました。しかし,特別支援教育を進めるためには,就学前の関係機関で行われてきた相談や支援内容を就学相談に活用できるようにすることが必要です。保育所や療育施設での支援の内容や保護者の要望が記された就学支援シートを就学先の学校で個別の指導計画や教育支援計画の作成に生かすようにすることは,支援の継続を図る上で重要なことです。
学校では,これまで,保護者から子どもの生育暦や学校生活で配慮してほしいことを入学相談日に聴き取っていました。しかし,就学支援シートなどの就学相談の情報を活用すれば,入学前に個別の指導計画を作ることも可能になってきます。このことは,入学時点からの子どもの支援の充実につながります。
小学校(部)から中学校(部)へ支援の継続を図ることも,保護者にとっても子どもにとっても大切なことです。小学校と中学校で教育内容が異なっていても,学習する子どもへの配慮が継続されれば,子どもは落ち着いてスムーズな学校生活への移行ができます。
本号は,子どものライフステージに応じた支援の第一歩として,支援の継続を視点にした支援計画の策定について考えてみました。支援の継続のために,日常的な支援者の連携も心がけたいと思います。
「特別支援教育の実践情報」編集代表/東洋大学教授 宮ア 英憲
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