向山型算数教え方教室 2010年9月号
算数の成績がグーンと伸びる学習習慣30

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向山型算数教え方教室 2010年9月号算数の成績がグーンと伸びる学習習慣30

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ジャンル:
算数・数学
刊行:
2010年8月4日
対象:
小学校
仕様:
B5判 94頁
状態:
絶版
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目次

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特集 算数の成績がグーンと伸びる学習習慣30
〈巻頭特集論文〉何度も何度も繰り返して学習のクセをつける。つけなくちゃダメだ
木村 重夫
小学1年/1年生で,学習習慣の基礎を身につけさせる
中島 詳子
小学2年/手作りうつしまるくんでうっとりノート作り
岡 惠子
小学3年/大切な原理を決め,その大切さを繰り返し言って聞かせる
大関 貴之
小学4年/ノートをきちんと書く習慣を育てる
梅沢 貴史
小学5年/ゆったりノートを使い,補助計算を書くことで確実に力がつく!
間宮 多恵
小学6年/BEST1は,ノートに丁寧に写すこと!
阿部 梢
中学校/教えてほめることで定着させる
西脇 亮
ミニ特集 私の算数授業をガラリと変えた向山洋一“名言集”
向山洋一氏が繰り返し主張する「言葉を削る」は,発達障害をもつ子どもにも対応した方法だった
井戸 砂織
赤鉛筆の「うすい字」をなぞる
剣 太郎
平均点90点は自立と大きく関わっている
中川 貴如
「5点」で目が覚めた―逐一指導を駆逐する
山田 恵子
発問と指示をセットにする
鈴木 正和
「かけっこだって水泳だって速い子もいればゆっくりな子もいる。勉強だって同じことです」
小峯 学
グラビア
授業の原則を具体的な場面で示す
若葉印教師のための向山型算数基礎基本イラスト事典
指2本分の間
大貝 優希
新卒フレッシュ先生のための向山型算数キーワード
一番いけないことは
木村 重夫
巻頭論文 算数授業へのこだわり
小学生のときの体験 東工大プログレス講習会のお兄ちゃん
向山 洋一
学年別9月教材こう授業する
1年・10より大きい数
「習得型」の授業
柏木 麻理子
「活用型」「探究型」教材と授業
塩沢 博之
2年・たし算とひき算の筆算
「習得型」の授業
田口 忠博
「活用型」「探究型」教材と授業
岩田 貴典
3年・あまりのあるわり算
「習得型」の授業
白井 朱美
「活用型」「探究型」教材と授業
鈴木 信也
4年・角の大きさ
「習得型」の授業
兼田 麻子
「活用型」「探究型」教材と授業
三浦 一心
5年・合同な図形
「習得型」の授業
建尾 邦子
「活用型」「探究型」教材と授業
青木 英明
6年・分数のかけ算とわり算
「習得型」の授業
山下 理恵
「活用型」「探究型」教材と授業
小林 仁
中学生を熱中させた「向山型数学」知的な実践&ドラマ (第6回)
2年/三角形と四角形 中学生でもここまで動くんだ
月安 裕美
中学校からの発信!「向山型数学」実践講座 (第126回)
シンプルに,授業を組み立てよ
井上 好文
向山型算数に挑戦/論文審査 (第130回)
学期に一度くらいは切り口を変えて
向山 洋一
向山型算数実力急増講座 (第132回)
問題づくりで常識を越えさせ,やんちゃ君の上をいく
木村 重夫
向山型算数WEBサロン (第126回)
時速・分速・秒速の変換は「単位をそろえる」活動を徹底することで実力が伸びる
赤石 賢司
甲本・河田発 やんちゃ君も巻き込み,知的に燃える算数教室 (第18回)
原理にそった表で,単位の換算を簡単にクリアーする方法
甲本 卓司
算数授業は「できる」を最優先させる―既習に未習を積み重ねる組み立てで―
河田 孝文
“問題解決学習”隣の教室の実態ルポ
この目で見た問題解決学習の悪循環
平山 勇輔
問題解決学習という名のエラーラーニング
島村 雄次郎
発達障害への林ドクター教育コーチ!気になる「あの子」への対応Q&A (第18回)
自閉症の世界を理解し,合理的に対応する
平中 健也林 隆
<子どもを巻き込む算数の福袋>算数ペーパーチャレラン (第6回)
低学年/きょうりゅう対決チャレラン
富永 美智子
中学年/10倍,100倍チャレラン
前田 道子
高学年/数字変身チャレラン
福澤 真太郎
あなたもプロ先生になれる!教師渡世・サバイバルの知恵 (第6回)
<今月のテーマ> 授業の腕をあげる「模擬授業」に挑戦
1年/自信をもって子どもの前に立てる授業のパーツをもつことで,授業を安定させる
前田 道子
2年/安易に指示を出していないか!?
高橋 久樹
3年/逃げずに続ける!場数を踏む!
北島 瑠衣
4年/模擬授業をして見える世界を変える
平山 靖
5年/模擬授業への挑戦が子どもを救う
阿妻 洋二郎
6年/追試 ノートづくり 検定を意識して
清水 彰彦
「語り」で描写!あの子ができたドラマ100人物語 (第18回)
説明しない授業で,Aちゃんがわかるようになった
岩本 友子
向山型算数への苦言・提言・辛口応援歌
リズムとテンポは慌てて進むことではない
舘野 健三
向山型算数セミナー
算数の成績と学習習慣
板倉 弘幸
腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
百玉そろばんが生んだドラマ
中野 幸恵
本物の教師修業の始まり
本田 修
教師が変われば子どもも変わる
佐藤 泰之
論文ランキング
6月号
木村 重夫
板書とノートでわかる!私の授業“ピーク・エンドの法則” (第6回)
1問をじっくりでなく,5問をテンポよくやって「面積図」のわかりやすさに気づく
吉川 誠仁
〜6年/平均〜
読者のページ
反響大きな「図の研究会」
編集後記
木村 重夫赤石 賢司
TOSS最新情報
赤石 賢司
向山型算数に挑戦/指定教材 (第132回)
向山 洋一

<巻頭論文>算数授業へのこだわり 小学生のときの体験 東工大プログレス講習会のお兄ちゃん

向山 洋一


 今月の挑戦問題には,私,個人の強烈な体験がある。

 私の家は旗の台にある。東工大のある大岡山まで,電車で5分だ。

 私の家は印刷屋だった。東工大のプログレス講習会の模擬試験を,我が家で印刷していた。東工大にトップクラスで入学した学生が10人ほど,我が家に出入りしていた。

 模試の問題は,我が家のこたつで作られた。どの人も優秀だ。勉強のやり方も,1人1人個性的だ。高1で英語だけ,高2で国語だけ,高3で理科だけを勉強してトップで入った人もいる。「私は,国語のほうが好きだ」という人もいる。

 私は,小学校中学年,お兄ちゃんたちのそばにいた。お兄ちゃんが,問題を出してくれた。「父,母,自分,弟の4人家族で食事をする。テーブルのすわり方は,何通りあるか」という問題だ。

 もちろん,わからない。しかし,考えるのが楽しい。毎日,考えていた。印刷屋だから,紙は山ほどある。

 1週間で解いた。お兄ちゃんに言うと,ほめることもせず,次の問題を出した。「1,2,3,4,5」の数字でつくれる5桁の数は何通りあるか?だ。

 3日考えて,テーブルの問題と同じだと思った。「ルール」を発見した。それはそれはうれしく,感動的だった。

 勢い込んで説明する私に,お兄ちゃんは次の問題を出した。「1,2,3,4,5,0,0」で,何通りの数がつくれるか。

 ゼロをトップには置けない。しかし「ルール」があることは予感できた。3日で解いた。

 そして,私は,岩切晴二の初等代数学や初等幾何学の本を購入して,自分で読み始めた。

 幾何はわかった。小学校6年生のときには,中学3年までの問題は解けたと思う。

 ちなみに私は,中学校のときの定期試験,模擬試験の「数学」は,すべて100点である。

 授業中,教科書も開いていなかった(なまいきな中学生だった)。

 代数は,手がつけられなかった。

 苦しみぬいた末に,「基本」にもどった。

(a+b)(a−b)=a2−b2


 この問題を,普通の「かけ算」として,次のように立式した。


 a+b

×a−b


 a+b

×a+b



 この計算を自分で考えやってみて,初めて,因数分解がわかった。

 これがわかれば,次は簡単だった。

 数学には,このような面白さがある。1年に一度は,体験させたいものだと思う。

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