向山型算数教え方教室 2008年12月号
「発達障害の子」も巻き込む教師の授業力

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向山型算数教え方教室 2008年12月号「発達障害の子」も巻き込む教師の授業力

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ジャンル:
算数・数学
刊行:
2008年11月10日
対象:
小学校
仕様:
B5判 92頁
状態:
絶版
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目次

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特集 「発達障害の子」も巻き込む教師の授業力
〈巻頭特集論文〉自然なゆとり感,自然なほめ方,そして自然な巻き込み
谷 和樹
境界知能を巡って
杉山 登志郎
手本がいっぱい,いつでもサポートしてもらえる授業
大場 寿子
問題量を考えろ!やる気を引き出せ!
甲本 卓司
教師は「発達の差を補う」という意識をもつ
小野 隆行
毎年全職員が模擬授業に挑む校内研修
長谷川 博之
向山型算数のえりすぐりのパーツを1つ1つ提案する
吉田 高志
ミニ特集 「移行措置」教材開発=私の提案
低学年/TOSSかけ算九九計算尺で2位数×1位数に対応する
川原 奈津子
低学年/TOSSランドに移行措置サイトをつくる
細羽 朋恵
中学年/TOSSランドに移行措置対応指導案集を立ち上げよう
戸村 隆之
中学年/これ1冊で「大きな数」を網羅する
福澤 真太郎
高学年/「1.8を説明しなさい」
馬場 慶典
高学年/移行措置教材をTOSSランドに登録しよう
大関 貴之
グラビア
向山氏のコメントから向山型算数の真の姿を学ぶ
村田 斎
若葉印教師のための向山型算数基礎基本イラスト事典
型の徹底
小倉 郁美
向山型算数キーワード
伝統的教具・百玉そろばん
木村 重夫
巻頭論文 算数授業へのこだわり
優秀な能力は,「ノートの書き方」に表れる
向山 洋一
学年別12月教材こう授業する
1年・ひきざん
例題の「基本型」
佐藤 貴子
「練習問題・スキル」と教材教具
塩苅 有紀
2年・かけ算(2)
例題の「基本型」
三浦 容子
「練習問題・スキル」と教材教具
岩本 友子
3年・ぼうグラフと表
例題の「基本型」
中山 崇
「練習問題・スキル」と教材教具
土橋 繁雄
4年・角の大きさ
例題の「基本型」
鈴木 昭彦
「練習問題・スキル」と教材教具
木村 正章
5年・平行四辺形と三角形の面積
例題の「基本型」
小野 一豊
「練習問題・スキル」と教材教具
鶴田 恵市
6年・体積
例題の「基本型」
間嶋 祐樹
「練習問題・スキル」と教材教具
山下 理恵
中学難教材こう授業する
1年/移項して方程式を解く
一戸 佐登史
中学校からの発信!「向山型数学」実践講座 (第105回)
向山型は「数学的活動」の連続で授業を組み立てる
井上 好文
向山型算数に挑戦/論文審査 (第109回)
子どもに多くのことを考えさせよ
向山 洋一
向山型算数実力急増講座 (第111回)
23−1.8をどう指導するか
木村 重夫
〜向山型で量感を育てる〜
向山型算数WEBサロン (第105回)
骨太な原理「変化のある繰り返し」で小数のわり算の活用問題を解く力を伸ばす(1)
赤石 賢司
向山型算数をDEEPに学ぶ女教師たち
練習―サークル―セミナー―教室でフラッシュカードの技術を磨く
末廣 真弓
“問題解決学習”隣の教室の実態ルポ
学習の足跡が残らないノート指導
桑原 和彦
問題解決学習にノート指導の思想はない!
山西 浩文
〈教室の障害児と向山型算数〉特に気になる『あの子』への向山型アプローチ
「どこの部分でつまずいているか」が分かれば向山型算数指導法で解決できる
中村 朋彦
もう一つの向山型算数 難問良問1問選択システム (第111回)
低学年
山本 学
中学年
松本 一樹
高学年
渡邉 酷
ビギナー専科=向山型算数ココが授業の勘所
1年/行列をつくらない
上西 恵美
2年/型通りに解かせることで平均97点突破!
佐藤 克士
3年/3年「かけ算の筆算」の3つのポイント
小路 健太郎
4年/わり算の筆算 問いと答えを限定すれば授業にリズムが生まれアルゴリズムが定着する
浅尾 真治
5年/割合を解く「基本型」を見抜く!
木村 理子
6年/システム構築し,安定させ,持続させる
中野 慎也
“若葉印”教師が向山型算数でダッシュするとき (第45回)
サークルに入り,教師人生ががらっと変わった!
岩井 俊樹
向山型算数への苦言・提言・辛口応援歌
日本一勉強し続けるTOSSの先生たちへ
岡本 耕太郎
向山型算数セミナー
B問題を向山型文章題指導で
板倉 弘幸
腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
向山型数学も説明しない
西脇 亮
算数の授業が待ち遠しくなる!
岩井 友紀
多くの先生に!学んでほしい!
春山 和順
論文ランキング
9月号
木村 重夫
実物ノートと指導のポイント
さらなる進化を目指して……
梅沢 貴史
読者のページ
勇気と知恵をもらった算数セミナー
編集後記
木村 重夫赤石 賢司
TOSS最新情報
赤石 賢司
向山型算数に挑戦/指定教材 (第111回)
向山 洋一

<巻頭論文>算数授業へのこだわり 優秀な能力は,「ノートの書き方」に表れる

向山 洋一


 東大生100名のノートの分析が,大きな話題となった。日本経済新聞,文芸春秋などでも,報じられた。

 東大に入る学生のノートは,どれも美しい,ていねいであるということだ。

 ノートの書き方の基準は,小学校で学ぶ。

 小学校の先生は,ノート指導ができなくてはならない。

 目標は,一人残らず全員のノートが「うっとりするほどきれい」であることだ。

 理解でも社会科でも,「うっとりするほどきれいで,ていねい」であるということだ。

 算数のノートも,もちろんそうである。教科書のすべての問題を,ノートに「うっとりする」きれいさで書くと,1年間で7,8冊のノートを使うことになる。

 私は4年間,算数TTとして毎年4学級を教えた。児童の数にしておよそ560名。そのすべての子が,1年間で7冊ぐらいのノートを書いた。全部で3920冊ぐらい。そのうち,99%のノートは「うっとりするほどきれいだった」と断言できる。実物もとってある。障害のある勉強嫌いの子も含めてだ。

 小学校の算数のノート指導は,教師の重要な仕事だ。教師の子どもへの誠実さ,技量がノートに表れる。事実が物語る。

 東大生ノートの分析・研究は,ノート指導の大切さを有弁に物語る。

 中央事務局の村田先生が,次の実践をした。

◇子どもが変化するノート指導

 美しいノートへの変化,これはすぐに変化するものの代表である。今,私のクラスの子どもたちは,全員素晴らしいノートを書いている。分数のかけ算の計算をしているが,どの子からも先生に評価される最高のノートを書こうとする気合いが伝わってくる。もちろん,持ってくるノートはその気合いがダイレクトに表れた美しいノートが続く。

 算数指導に入っている各クラスでこの4時間でやったこと。

@ 最近の情報で,東大に入学した人の多くに共通していたこととして,ノートがとてもきれいという共通点があったことを語る。

A 毎時間ノートチェック,評価をしている。合格はB,素晴らしいはA,そして,Cは残念ながら書き直しです,と伝える。

  今まで,Cはまだいない。ミニじょうぎを使っていないと,いくらきれいでもBかB×しか出ない。

B 基本的にどの子も回数を重ねるごとに評価がアップしている。

  涙が出るほどきれいAA(ダブルA),おー,幻のAAA(トリプルA)などと,最高の言葉でほめた子のノートは全員に紹介。

C 体育で腕を怪我した男の子が左手でみみずのはうような字でノートを書いてきたときは,すごい芸術的,そして最後まで書き上げた努力にもちろんその日の最高点を与える。

 どの子も,自分の頑張りを正しく評価されれば動き出す。ノートの素晴らしい変化を各担任の先生にも知らせておいた。ぜひほめてほしい。

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