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- 今月のメッセージ
- 『全国大会紀要』に、そして「分科会基調」に学ぼう!
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今月のメッセージ
『全国大会紀要』に、そして「分科会基調」に学ぼう!
指名全国委員 住野 好久
私にとって、今夏の全生研大分大会は例年以上に学ぶことのできた大会となった。
第一に、担当した一般分科会「子ども集団づくり 小学校低学年A」では、低学年における子ども集団づくりのイメージを豊かにすることができた。これまで低学年の子ども集団づくりというと、特別な発達課題を抱えた子とまわりの子どもたちとの関係を築き、その子の居場所をつくる実践が中心であった。それは、子どもの発達課題への着目と、そこでの「ケア」の必要性を提起するものであった。しかし、低学年の子ども集団づくりにおいて「公的」に組織された小集団(班)や学級全体での討議(総会)、リーダーの位置づけや役割については鮮明になってこなかった。そこに取り組み、「自治」と「学び」で子どもたちをつないでいったのがアイリエ実践であった。また、低学年ならではの実践課題として、自分の子どもに対する不安を強く持っていたり、自分の子どもを守ることに過剰であったりする保護者に対して、保護者同士の関係の歪みが子ども同士の関係を歪ませていることに気づかせ、親同士の関係づくりを進めた高野実践からも多くを学ぶことができた。湯布院ならではの教室半分程度の分科会会場に三十人が膝を交えて実践分析・討論を行なったが、その狭さが学びあう関係を深め、学びの質を高めることにつながったような気がする。
第二に、問題別分科会「子どもの『非行』問題を親とともに考える」では、仲間と出会い、語り合うことを通して苦しみから恢復し、子どもや夫と出会い直していく母親たちの話に、そしてその親たちの学校・教員への熱い思いに感動の涙を流した。学校と保護者、そして諸専門機関だけではなく、こうした親たちの組織と連携することの必要性を実感できた。全生研としてどう「『非行』と向き合う親たちの会」と連携できるのかを考えていくことの必要性も感じた。
全生研大会参加者一人ひとりに豊かで個性的な学びがあったと思う。大会に参加されてない人、参加したくてもできなかった人は、本誌にまとめられた全生研の最先端の実践・研究の成果をしっかり学んでほしい。
さて、本誌には掲載されないが、全生研大会の重要な成果に一般・問題別の「分科会基調」がある。私はこれを読むのが密かな楽しみである。たくさんの常任委員や指名全国委員が、自分の学級の様子や実践、これまでに蓄積してきた知見を披露している。各執筆者の個性的な問題意識や理論的な研究成果を垣間見ることができて楽しい。
「子ども集団づくり」の小学校低学年から中学校三年生までの分科会基調は、子どもの発達の筋道にそった子ども集団づくりの実践課題や実践指針がコンパクトにまとめられている。『子ども集団づくり入門』や大会基調提案には、発達・学年段階の固有性をふまえた提起が十分記されていないので、この分科会基調はとても重宝する。また、「特別なニーズを持つ子どもと集団づくり」分科会基調は、「子どもとの共同」の観点から書かれた湯浅氏によるものと、高機能自閉症の子ども理解に重点を置いた楠氏によるものとをあわせて読むと、この課題に迫る実践の見通しが立ってくる。
さらに、問題別分科会基調は、まるで子ども集団づくりをめぐるQ&A集である。多様な理論的・実践的問題に対する常任委員の提起や実践の方向性を得ることができる。
『大会紀要』は宝の山なのである。お手元にある方は、是非じっくりと目を通してほしい。お手元にない方は、是非来年全国大会に参加して下さい!
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