- 特集 スイミング教室のスキルを入れた水泳指導
- 特集の解説
- スイミング教室のスキルを入れた水泳指導
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- 1 水泳指導の常識・非常識
- (1) 最適な水温と気温
- 水泳指導で最も適したプール水は、25度以上。20度以下は入水させるべきではない
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- (2) 準備運動の量と内容
- 笛の合図でリズムよく 陸上と水中で準備運動を行う
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- (3) 流れるプール・波のプール
- 「流れるプール」は危険、「波のプール」はほどほどの楽しみ方で
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- (4) 見学者の指導
- 見学も水泳学習時間である
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- (5) 水泳をさせてはいけない子ども
- 水泳の可否を子どもに趣意説明する
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- (6) けがの対応・事故の処理
- 常識から非常識へ―三つの事例から
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- 2 「またやってね!」と言われる水泳指導
- (1) ビート板・ヘルパーの使い方
- 補助具を用いて正しいフォームを!
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- (2) 楽しくできるコース別指導
- 運動量を確保するシステムを作る
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- (3) プールでできるゲーム
- いつの間にか水に慣れる・浮く・もぐる水遊びゲーム
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- (4) ボールを使った運動
- 泳げても、泳げなくても盛り上がるボールゲーム!
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- (5) シンクロナイズ
- 簡単な動作で型を教え、部分的に子どもに考えさせる
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- 3 泳げない子どもを泳がせる指導法
- (1) 水をこわがる子どもへの指導
- 伏し浮きをマスターさせる指導
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- (2) ちょうちょう背泳ぎ・簡単に泳げる泳ぎ
- ちょうちょう背泳ぎで、水に顔をつけるのが苦手なAさんは25メートル泳いだ
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- (3) クロール・正しいバタ足と手のかき
- 指導の細分化とタイプの見極めが重要
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- (4) 平泳ぎ・かえる足のスモールステップ
- 自分の目で確認、友達の声で確認
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- (5) 背泳ぎ・長く泳ぐコツ
- 背泳ぎからバランスのよいフォームで長く泳ぐ
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- ミニ特集 6月・すぐに授業ができる!今月の単元計画
- <低学年・水遊び>入水のさせ方で指示を徹底させ、浮くことを徐々に体感させる
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- <中学年・水泳>泳ぐことができるシステムをつくる
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- <高学年・水泳>10メートルも泳げなかった子が次々と25メートル泳げるようになる向山型水泳指導法の威力!
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- ライブで体感!TOSS体育講座
- 教師の指導技量が明確に表れる表現運動の指導
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- 〜運動会表現&よさこいソーラン検定セミナー2012より〜
- レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
- 「からだの動かしかた」や「からだを動かす感じ」が分かる教材づくりを
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- マンガで見る楽しい体育指導 (第147回)
- TOSS体育直伝マンガ(驚きのダブルボールサッカー)
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- スポーツ選手にインタビュー/子どもたちへのメッセージ (第1回)
- 体操で大切なのは、あきらめない心、前向きで捉える姿勢
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- 〜田中 光氏:アトランタオリンピックに出場 世界体操選手権(1995年)銀・銅メダリスト 流通経済大学・社会学部教授〜
- いくつ知っていますか?遊具を使った運動遊び (第3回)
- 回す、転がすだけがフラフープじゃない!
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- 10分で分かる体育指導のコツ (第3回)
- 合い言葉をたくさんもとう
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- すぐ役立つ体育授業のマネージメント (第3回)
- 準備運動は子ども任せにしない!教師が主体的に進める
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- 若手教員必見!教材・教具のユースウェア (第3回)
- くるりんベルトと足運びの指導で簡単に回れる
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- このルールで全員が得点! ボールゲーム (第3回)
- ラリーを続けて勝利へつなげる、点数減算バレーボール
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- 組体操 成功への道のり (第3回)
- 趣意説明・賞賛・「組立通信」で子どもの意欲を持続させる!
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- 参観日オススメ授業アラカルト (第3回)
- 風船を使ってどの子も楽しく活動(体つくり運動)
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- 子どもが運動好きになるニュースポーツ (第3回)
- 運動能力に関係なく、どの子にも成功体験があるタグラグビー
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- 最新情報を取り入れた保健の授業 (第3回)
- ファイトケミカルを摂って健康な生活を送ろう(2)
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- 〜最新の研究で、果物や野菜の成分による効果が注目されていることを知り、病気の予防の仕方について考える(2)〜
- ライフスキルと健康教育 (第123回)
- イギリスの躾スキル
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- 特別支援の体育指導、この手立てでできた! (第3回)
- 基礎感覚を大事にし、日常生活につながっていくことを意識する
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- 体育的行事の運営計画はこうやる (第3回)
- 体育主任は「4月から」動く。組織は「3か月前」から動かす
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- 実録「根本ワクワク体操教室」 (第3回)
- 開脚跳び全員達成!ポイントは基礎感覚づくり
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- TOSS体育ときめき情報 (第15回)
- 「着衣泳」をやっていますか?
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- 〜日本の児童・生徒の水死者を減らそう!〜
- 効果抜群!ファックスできる体育学習カード
- 低学年/水遊び
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- 〜水が苦手な子も得意な子も満足する水遊びカード〜
- 中学年/水泳
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- 〜3泳法の上達のステップが分かり、見通しが持てるチャレンジカード〜
- 高学年/水泳
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- 〜チャレンジ! クロール25メートルへの道〜
- 授業の腕を高める論文審査 (第242回)
- 「修正追試」の論述をきちんと示すこと
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- 体育科における学力保障 (第111回)
- 島田猛氏の「根本正雄 側方倒立回転の指導分析」@
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- 読者のページ My Opinion
- 編集後記
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- TOSS体育ニュース (第125回)
- 6月号
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- 授業の腕を上げる体育クリニック (第15回)
- 体育授業シーンで考える「授業の原則十カ条」・その1
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特集の解説 スイミング教室のスキルを入れた水泳指導
TOSS体育授業研究会代表/根本 正雄
水泳指導が始まる。プールの季節が来ると、スイミングスクールの短期募集がある。親の勧めもあって通う子どももいる。
「スイミングスクールは楽しいですか?」と聞くと、「楽しいです」と答えが返ってくる。
なぜ楽しいかを知るために、スイミングスクールを見学した。そこでは、学校とは違った環境があり、違った指導が行われていて、勉強になった。
学校では常識と思われていることが非常識だったり、非常識と思われていることが常識だったりする指導が多く見られた。
また、学校では使われていない器具・用具が多様に使用されていた。しかもカラフルである。
学校のプールでは全部そろえることはできないが、工夫次第では取り入れることも可能な器具・用具もあった。
泳法の指導も細かいステップで、個別指導が多く取り入れられていた。
教師と子どもとのふれ合いも多く、楽しいコミュニケーションが見られ、子どもは楽しそうであった。
少人数の子どもに、徹底した個別指導がなされていた。子どもは安心して泳げる環境の中で、思い切り練習することができる。
教師も一人一人に声をかけ、認め、励ましていた。学校のプールでは、一人一人に声をかけることは難しい。子どもとのコミュニケーションづくりが随所に見られた。
本特集では、学校のプールでもスイミングスクールのように、子どもが楽しく学習できる、水泳指導の方法が紹介されている。
「水泳指導の常識・非常識」では、普段学校で行われている中での「常識」と「非常識」が紹介されている。
例えば波のプールがある。大きな波を作って遊ぶ指導であるが、大変危険な遊びである。死亡事故もみられる。
なぜ常識なのか、なぜ非常識なのか、その根拠が示してあるので参考にしてほしい。
今までは当たり前と思われていた指導の中で、「これはおかしい」という点を指摘し、よりよい指導法が示されている。
「『またやってね!』と言われる水泳指導」では、個別になりがちな水泳学習を集団で行う内容が示されている。
子どもから「またやってね!」と要望の出る事例が、多く示されている。
例えば楽しくできるコース別指導、プールでできるゲームなどである。水泳は個人の練習が多い。そういう中に集団でできる運動を取り入れていくと、子どもは楽しくプールに入ることができる。
楽しく学習できる場の工夫、コミュニケーションの図れる教材の活用例なども紹介してある。
シンクロスイミングは、2人、3人、4人で同じ泳法で泳ぐ。集団で同じ泳ぎをするのである。横に並んで泳いだり、泳ぐスピード、フォームを揃えて泳ぐのである。そのためには、呼吸をあわせ、リズムを合わせる必要がある。
今までは一方的に子どもを指導していたが、子ども同士のふれ合いやコミュニケーションづくりに配慮しながら、指導していくようにする。
みんなと泳ぐと楽しい、という体験ができる指導を取り入れていくのである。
「泳げない子どもを泳がせる指導法」では、泳げるようになった子どもの指導事例が紹介されている。
子どもが一番望んでいるのは、泳げるようになることである。どんな練習でもいいから、とにかく25メートルを泳ぎたいと願っている。そういう子どもたちの願いをかなえてあげる指導法が紹介されている。
ステップを踏んでいけば、誰でもできるようになる。そういう方法があれは、教師も子どもも助かる。
本特集を読めば、水泳指導の基本がマスターできる。本特集を活用して、水泳が好きな子どもを育ててほしい。
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- 明治図書