楽しい体育の授業 2008年6月号
初任者も安心―プール指導の基礎・基本

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楽しい体育の授業 2008年6月号初任者も安心―プール指導の基礎・基本

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2008年5月8日
対象:
小学校
仕様:
B5判 80頁
状態:
絶版
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目次

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特集 初心者も安心―プール指導の基礎・基本
特集の解説
根本 正雄
実践事例
水に慣れる指導
〈シャワー遊び〉水中忍者への五つのステップ
黒瀧 耕治
〈水中鬼ごっこ〉水が好きになる鬼ごっこ
齋藤 貴裕
〈トンネルくぐり〉スモールステップで、くぐってみよう
近藤 由佳
〈水中ジャンケン〉様々な変化をつけて誰でもできる、水中ジャンケンの指導
池町 徹也
〈水中石拾い〉石拾いの前に十分な水慣れ
小平 和代
浮く指導
〈だるま浮き〉陸上で姿勢を教えてから、水中で指導する
上木 信弘
〈大の字浮き〉ラッコさんになって水遊び大の字浮きの指導
池田 純一
〈連続輪くぐり〉輪くぐりで楽しく水に慣れさせる!
中宿 清美
〈イルカとび〉入水と浮上を楽しく覚えるイルカとびの指導
折本 ちはる
〈伏し浮き〉10秒息を止めて伏し浮きをしよう
尾上 知生
泳ぐ指導
〈ちょうちょう背泳ぎ〉キックをせずに、ゆったりと呼吸し、息を止める
鈴木 智光
〈背泳ぎ〉背泳ぎをマスターする6ステップ
山本 新一
〈面かぶりクロール〉小さなステップを何度も越えさせる
迫田 一弘
〈クロール〉クロールの要点をふまえ簡潔で効果的な指示を出そう
原田 誉一
〈ドル平泳ぎ〉初心者に優しい(易しい)ドル平泳法
佐藤 真健
〈平泳ぎ〉変化のある繰り返しで平泳ぎをマスター
浦岸 徹
〈バタフライ〉まずはエレメンタリーバタフライから
山下 敏彦
着衣泳
〈着衣泳〉体験の段階からサバイバル・テクニック習得へ
村田 斎
ミニ特集 6月の体育はこう指導する(水遊び・水泳)
低学年
1年生にはその気にさせる言葉かけをしよう
岡 惠子
中学年
「全児童が25メートル完泳」をめざす学校
大田 公蔵
入水の仕方と呼吸の練習法
佐々木 伸也
高学年
水中での活動時間を増やす
松垣 和年
学習の目標をしっかりともつ検定を行い、子どもたちの泳力に応じた指導を
高井 基行
ライブで体感!TOSS体育講座
体育指導における「教師力」を体感する
村田 斎
〜第16回日本体育教育技術学会 IN 山口〜
レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
体育が子どもを育て、学級を変える
岩井 邦夫
マンガで見る楽しい体育指導 (第99回)
根本体育直伝マンガ(息つぎと伏し浮きのコツの巻)
岩野 節男岩野 紀子
子どもが熱中!低学年体育の指導
泳げない子をどうするか…?低学年水泳指導
TOSS体育中央事務局
体育科の系統的指導
マット運動3「後転」
浜井 俊洋
拍手喝采これでYOSAKOIソーランが成功
コマとパーツの指導で少しずつ完成させていく
三輪 仁志
新卒教師必見!体育授業を面白くするコツ
統率力の発揮で充実した指導ができる
木村 孝康
テクニカルポイントを踏まえた授業づくり
向山式跳び箱指導法で開脚跳びの授業をする
村田 淳
最新情報を盛り込んだ食の授業 (第12回)
唾液のネバネバ・パワー
齋藤 滋
苦手な子どもも満足する鉄棒指導
動きを切り取って指導する
篠崎 弘敬
成功体験を保証するなわ跳び指導
長なわ跳び1分間100回のポイント5
藤澤 芳昭
体育指導でドラマをつくる
Aさんを変えた成功体験
持木 信治
TOSS体育最前線
山本悟氏の授業による問題提起
TOSS体育中央事務局
〜日本体育教育技術学会報告A〜
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
水遊び(低学年)
石本 康一郎
〜やってみたい!と思わせる学習カード〜
水泳(高学年)
藤井 幹裕
〜スモールステップ 水泳カード〜
水泳指導の秘密兵器
ばた足はゆったりとリラックスして!
下永田 修二
ライフスキルと健康教育 (第75回)
ソシアル スキル教育(1)
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第194回)
仮説と実践との密度を濃く
向山 洋一
体育科における学力保障 (第63回)
基本の運動 佐藤貴子氏の指導A
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第78回)
持木 信治
1/30秒単位で見せる子どものよい動きはこれだ! (第15回)
バスケットボール@
竹森 正人
〜ボールの扱いに慣れる〜

特集の解説

TOSS体育授業研究会代表 根本正雄

初心者も安心―プール指導の基礎・基本


 面かぶりクロールの水泳指導を参観したことがある。若い教師であったが、指導のポイントが明確でとても分かりやすい指導で、指導のポイントが示されていた。


@ 右手の親指を左手で持ち、両腕を伸ばして耳の後に付け、顔を水につけたら「おへそを見なさい」と指示して、伏し浮きをさせる。

A ばた足のできない子どもは膝の上に子どもの体をのせて、直接両足を持ってばた足をさせる。

B 徹底した個別指導で、よい動きを体で覚えさせる。

C 子どもに伝わるイメージ言葉で指導している。

D 認める、ほめる、肯定する言葉で励まし指導する。

E 変化のある繰り返しの指導をしている。

F スキンシップを多くし、子どもの水に対する恐怖心を取り除いている。

G よい動きを他の子どもに見せながら指導している。

H 短い距離を繰り返し練習させ、正しい動きを身に付けさせている。


 右手の親指を左手で持つ指導は理にかなっている。普通見られるのは、「右手で左手首を持ちなさい」という指導である。

 これだと「伸ばしなさい」と言っても肘が曲がるので、推進力がつかない。ところが「右手の親指を左手で持つ」と肘が伸び、両手が耳の後に付くのである。

 伏し浮きで「顔を水につけたらおへそを見なさい」という指示は効果的であった。

 伏し浮きをさせると早く顔を上げようとして頭を上げてしまう。そこで「おへそを見なさい」というとあごが締まり、体が伸びて推進力が付いて遠くまで伏し浮きができる。

 一番素晴らしいのは、手の伸びていない子ども、ばた足のできていない子どもへの指導である。片膝をあげて、その膝の上に子どもを腹ばいにのせて直接、手足を持って指導していた。

 手足をうまく動かせない子どもは、水慣れができていなく恐怖心がある。そういう子どもにはスキンシップをして、水に対する恐怖心を取り除く。

 普通は足だけを持つ。手だけを持つ。腰を支える。体の一部分なのである。

 ところが千葉先生は片膝をあげて、手、膝、足の3点を子どもとスキンシップをして指導していたのである。

 3点で支えられているので、子どもは安心して教師の指導を受けることができる。リラックスできるので、ばた足も集中して正しい動きができる。両手もリラックスして伸ばせる。

 徹底した個別指導である。マンツーマンの指導である。一斉に泳がせたりしない。どの子どもも抱きかかえ、膝を持って正しいばた足を補助してあげている。よい動きを体で覚えさせている。

 子どもと一体になっての指導である。肌のふれ合いが多く、スキンシップをしながら、子どもの水に対する恐怖心を取り除いている。

 子どもは教師の体の一部のように一体化している。子どもと教師と教師との間に隙間がない。子どもの全てを受け入れている。

 それは体だけでなく、言葉でも同じである。教師の指導中の言葉は、認める、ほめる、肯定する言葉で、励ましながら指導している。


 そうそう、そのまま、そのまま。いいねー、いいねー。もっとできるよ。足、伸びている。


 短い言葉の繰り返しである。全ての行為を受け入れ、認め、ほめ、肯定している指導であった。

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