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特集の解説
できない子も巻き込む授業のゲーム化
TOSS体育授業研究会代表
根本正雄
器械運動は個人で行う種目が多い。個人種目はできる子供は楽しくできるが、できない子供にとっては苦痛な時間である。器械運動はすぐにはできるようにならないからである。
そのような器械運動の授業を楽しく行うことはできないかと考えた。できない子供も仲間と一緒に運動し、その中で技が上達し仲間とのふれあいもできれば最高である。
村田正樹氏は後方支持回転の授業で、逆上がりの指導をゲーム化して行った。とても楽しく、技も上達していった。
村田氏は逆上がりの指導で、最初に「いち、にー、カチッのリズムに乗って回りましょう」と指示して、逆上がりの練習を行った。
踏み切り足を図で、次の3つを示した。
@ 鉄棒の真下
A 1足長後ろ
B 2足長後ろと
踏み切り足を鉄棒の真下より下げることによって、後方支持回転の動きに近づけていったのである。
参加者は踏み切り足が後方になるに従い、逆上がりがやりにくいと話していた。そこで村田氏は個人学習をゲーム化した。
@の位置1点、Aの位置3点、Bの位置5点と得点化して、グループでの合計点で勝敗を決めるようにしたのである。さらに「できたら万歳と全員で言います」という指示をした。
ゲーム化することによって、自分だけが頑張ればよいのではない、グループの勝利のために、できるだけ高い得点を取りたいという意欲が起きる。
つまり、1番遠いBの位置から挑戦するようになったのである。後方支持回転への動き作りにするには、できるだけ遠い位置から踏み切ることが大切である。ゲーム化することによって、見事に教師のねらいが達成されたのである。
逆上がりができたら、全員が「万歳」といって祝福してくれる。しかも拍手もしてくれる。演技者はこの上ない達成感を感じることができ、グループのために貢献したという成就感を味わうことができる。
観ている学習者はできた喜びを共有できる。「万歳」「拍手」という声と音を出すことによって、演技者とグループの全員とが一体感、連帯感を味わうことができたのである。
このようなゲームをすることによって、大きな歓声が上がり、授業は盛り上がった。
逆上がりの技も高まり、後方支持回転への動き作りもなされていった。個人種目をゲーム化することによって、技の上達と仲間作りができたのである。
本特集では、村田氏のようなゲーム化の実践が紹介されている。子供の目が輝き、楽しくできたという実践例がたくさん紹介されている。本特集のいくつかの実践については、次の項目で分かりやすく紹介されている。
@ゲームのあらまし
Aゲームの効果
B準備する物
C実践
Dゲームを盛り上げるコツ
E発展
最初にゲームのあらましが紹介されているので、学習との関連が分かる。個人技をどのようにゲーム化したらよいのかのねらいを把握することができる。
次にゲームの効果が述べられている。ゲームによって、どんな力が身に付くのかがまとめてある。
効果が具体的に示してあれば、すぐに取り組むことができる。追試がしやすいのである。
その後、準備物、実践が述べてあり、そのまま授業ができるようになっている。本特集の目玉である。
さらにゲームを盛り上げるコツが述べられている。方法が分かっても楽しくできなければ価値がない。全員が盛り上がり、楽しくできるようにまとめられている。
最後に発展が紹介されている。できたグループに対してどのようにしたらよいのかが示されている。
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- 明治図書