楽しい体育の授業 2005年10月号
できない子も巻き込む授業のゲーム化

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楽しい体育の授業 2005年10月号できない子も巻き込む授業のゲーム化

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2005年9月7日
対象:
小学校
仕様:
B5判 80頁
状態:
絶版
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目次

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特集 できない子も巻き込む授業のゲーム化
特集の解説
根本 正雄
実践事例
マット運動
〈前転・後転〉前転の基礎技能を養う
小林 能和
〈開脚前転〉開脚前転の回転力を遊びながらつける「開脚前転帽子投げ」
酒庭 和夫
〈開脚後転〉点数をつけて目標をクリアさせる
上木 朋子
〈側方倒立回転〉壁倒立から側方倒立回転へステップ学習
関家 千恵
〈伸膝前転〉伸膝前転のスモールステップをゲーム化する
コ永 智久
〈前方倒立回転〉できたら「万歳」システムと個別評定で、やる気をもたせる
吉武 徹也
跳び箱運動
〈跳び上がり下り〉踏み切りと着地を意識させる
河村 大輔
〈開脚跳び〉グループ対抗「板目馬跳びゲーム」で開脚跳びの基礎技能を養う
橋 真
〈抱え込み跳び〉楽しく基礎感覚・基礎技能を鍛える
木村 正章
〈台上前転〉いつの間にか台上前転ができるゲーム
渡邉 良平
〈頭はね跳び〉忍者修業でスモールステップ 頭はね跳びへの基礎練習
糸井 利則
〈仰向け跳び〉難教材はスモールステップで楽しく!
古賀 健一郎
鉄棒運動
〈足抜き回り〉ジャンケンで鉄棒を楽しくする
小倉 秀志
〈逆上がり〉鉄棒団体で最高点をめざせ!毎週金曜日は、鉄棒金メダル!
石橋 健一郎
〈後方膝支持回転〉基礎感覚・テクニカルポイントを楽しく身に付ける
三浦 宏和
〈前方膝支持回転〉リレー式で鍛える膝支持回転の基礎技能
松田 信吾
〈後方支持回転〉足の位置を点数化して、逆上がりをさせる
村田 正樹
〈前方支持回転〉前方支持回転につなげる帽子飛ばし競争
前川 善治
ミニ特集 体育授業のマニフェスト「走り幅跳び」
踏み切り板と個別評定で、「ばっちり」と型を身に付けさせる
畑屋 好之
全国平均、楽々クリアー!簡単「立ち幅跳び」のコツ指導!
両部 桂一
リズムよく踏み切る体験が鍵となる
平中 健也
向山式個別評定
芹沢 晴信
ポイントを絞るならこの3点で
伊藤 新吾
ライブで体感!TOSS体育講座
第1回TOSS体育縄跳び&鉄棒セミナーIN神奈川
並木 孝樹
レベルアップ こうすれば体育授業が楽しくなる
「ハードル」を使って、楽しくサッカーリードアップゲーム
石黒 修
マンガで見る楽しい体育指導 (第67回)
根本体育直伝マンガ(鉄棒の上で、はいポーズの巻)
岩野 節男
授業のつかみは最初の1分で決まる (第7回)
とにかくはじめて、全体を巻き込む活動を行う
笠原 三義
体を意識させる器械運動の指導 (第7回)
開脚跳びAステップ2
中村 賢
〜手・背中・足を意識させる〜
保護者も感動!よさこいソーラン (第7回)
保護者を組織する
宮野 正樹
常識を疑え!この動き (第7回)
右手・右足前の投の指導
阪下 誠
微細技術で子供が燃える (第7回)
1回でよいから、教師がビシッと踊ってみせる
渡辺 喜男
全校動かす体育主任の仕事術 (第7回)
全学年の体育を常に意識する
並木 孝樹
インターネットの活用で授業が3倍上手になる! (第7回)
準備運動のレパートリーを増やす
永山 祐
ビジュアルに学べる保健の学習 (第7回)
日本人は糖尿病になりやすい
戸井 和彦
TOSS体育授業研究会報告
進化する連合縄跳び研究会
表 克昌
TOSS体育最前線
TOSS体育全国セミナーの優れた実践と新企画
TOSS体育中央事務局
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
川跳び
小峯 学
〜基礎感覚作りを目指した学習カード〜
走り幅跳び
細川 晃
〜自分にあった助走距離を見つけよう〜
子供が楽しみにするライフスキルの実践
リフレーミングで、もっと自分が好きになる
岩野 節男
ライフスキルと健康教育 (第43回)
「つながり」から発展し、間を考える
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第162回)
もっと深く「笑い」を勉強せよ!
向山 洋一
体育科における学力保障 (第31回)
運動量たっぷり!ボール運動の基本的な動きを学ぶアルティメットの授業A
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第46回)
テクニカルポイントはここだ! (第7回)
水泳
横浜北YMCA
〜クロールの息継ぎ〜

特集の解説

できない子も巻き込む授業のゲーム化

TOSS体育授業研究会代表

根本正雄


 器械運動は個人で行う種目が多い。個人種目はできる子供は楽しくできるが、できない子供にとっては苦痛な時間である。器械運動はすぐにはできるようにならないからである。

 そのような器械運動の授業を楽しく行うことはできないかと考えた。できない子供も仲間と一緒に運動し、その中で技が上達し仲間とのふれあいもできれば最高である。

 村田正樹氏は後方支持回転の授業で、逆上がりの指導をゲーム化して行った。とても楽しく、技も上達していった。

 村田氏は逆上がりの指導で、最初に「いち、にー、カチッのリズムに乗って回りましょう」と指示して、逆上がりの練習を行った。

 踏み切り足を図で、次の3つを示した。

 @ 鉄棒の真下

 A 1足長後ろ

 B 2足長後ろと

 踏み切り足を鉄棒の真下より下げることによって、後方支持回転の動きに近づけていったのである。

 参加者は踏み切り足が後方になるに従い、逆上がりがやりにくいと話していた。そこで村田氏は個人学習をゲーム化した。

 @の位置1点、Aの位置3点、Bの位置5点と得点化して、グループでの合計点で勝敗を決めるようにしたのである。さらに「できたら万歳と全員で言います」という指示をした。

 ゲーム化することによって、自分だけが頑張ればよいのではない、グループの勝利のために、できるだけ高い得点を取りたいという意欲が起きる。

 つまり、1番遠いBの位置から挑戦するようになったのである。後方支持回転への動き作りにするには、できるだけ遠い位置から踏み切ることが大切である。ゲーム化することによって、見事に教師のねらいが達成されたのである。

 逆上がりができたら、全員が「万歳」といって祝福してくれる。しかも拍手もしてくれる。演技者はこの上ない達成感を感じることができ、グループのために貢献したという成就感を味わうことができる。

 観ている学習者はできた喜びを共有できる。「万歳」「拍手」という声と音を出すことによって、演技者とグループの全員とが一体感、連帯感を味わうことができたのである。

 このようなゲームをすることによって、大きな歓声が上がり、授業は盛り上がった。

 逆上がりの技も高まり、後方支持回転への動き作りもなされていった。個人種目をゲーム化することによって、技の上達と仲間作りができたのである。

 本特集では、村田氏のようなゲーム化の実践が紹介されている。子供の目が輝き、楽しくできたという実践例がたくさん紹介されている。本特集のいくつかの実践については、次の項目で分かりやすく紹介されている。

 @ゲームのあらまし

 Aゲームの効果

 B準備する物

 C実践

 Dゲームを盛り上げるコツ

 E発展

 最初にゲームのあらましが紹介されているので、学習との関連が分かる。個人技をどのようにゲーム化したらよいのかのねらいを把握することができる。

 次にゲームの効果が述べられている。ゲームによって、どんな力が身に付くのかがまとめてある。

 効果が具体的に示してあれば、すぐに取り組むことができる。追試がしやすいのである。

 その後、準備物、実践が述べてあり、そのまま授業ができるようになっている。本特集の目玉である。

 さらにゲームを盛り上げるコツが述べられている。方法が分かっても楽しくできなければ価値がない。全員が盛り上がり、楽しくできるようにまとめられている。

 最後に発展が紹介されている。できたグループに対してどのようにしたらよいのかが示されている。

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      明治図書

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