社会科教育 2005年9月号
社会科60年―事件簿・ウラ情報50の検証

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社会科教育 2005年9月号社会科60年―事件簿・ウラ情報50の検証

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ジャンル:
社会
刊行:
2005年8月3日
対象:
小・中
仕様:
A5判 138頁
状態:
絶版
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目次

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特集 社会科60年−事件簿・ウラ情報50の検証
新教科“社会科”=今その功罪を問うモノサシとは
大熊信行と無着成恭
小玉 重夫
日本の文化を教えたか?
向山 洋一
ダブルスタンダードを解消できたか?
原田 智仁
単純思考の克服と台頭
永田 忠道
一九八九年―それ以前、それ以降―
谷口 和也
リアルな学びかどうか
安藤 輝次
「知行合一」のモノサシで見る功罪
新見 謙太
本物の「公」意識が育っているか
新保 元康
日本国憲法の理念と社会科
桑原 敏典
社会科60年の歩み:エポックとなった問題とその背景
社会科誕生のドラマとその背景
森田 真樹
昭和20年代
谷本 美彦
昭和30年代
梅津 正美
昭和40年代
佐長 健司
昭和50年代
岩永 健司
昭和60年代
池野 範男
平成年代
児玉 康弘
ダイジェスト版―社会科60年の歩みを総括する ―これからの社会科のゆくえを考えるために―
学習指導要領変遷の60年を総括する
北 俊夫
社会科関係の学会の60年を総括する
戸田 善治
民間教育運動の60年を総括する
中村 哲
教科書問題の60年を総括する
江間 史明
影響力のあった人物の60年を総括する
片上 宗二
“この問題”何でこうなの?=若い教師の疑問探検記
憲法学習―グローバルスタンダードからの追究
齋藤 武夫
ナショナリズムの扱い方―グローバルスタンダードからの追究
佐藤 琢朗
戦争と平和学習―グローバルスタンダードからの追究
伴 一孝
国境の扱い方―グローバルスタンダードからの追究
永井 敬雄
国際理解の扱い方―グローバルスタンダードからの追究
岡崎 均
伝統文化の扱い方―グローバルスタンダードからの追究
佐藤 仁
資源エネルギーの扱い方―グローバルスタンダードからの追究
坂井 満
金融学習―グローバルスタンダードからの追究
峯 明秀
“この方法がよい”とされてきた理由は?=若い教師の実践検証記
問題解決学習について―授業をしながら考える
吉田 高志
同心円拡大法―授業をしながら考える
杉山 裕之
経験尊重主義について―授業をしながら考える
小谷 恵津子
近現代史軽視について―授業をしながら考える
安達 正博
通史オンリー・倒叙無視について―授業をしながら考える
宮崎 正勝
“曲がり角で起こった事件簿”から社会科60年を検証する
墨塗り教科書問題の真相
小原 友行
歴教協・社会科批判の変遷
吉永 潤
学習内容構造化の波
栗原 久
小学校らしい歴史教育へ
中野 重人
ゆれたパイ型学習の決着点
星村 平和
神話調査官といわれて
山口 康助
社会科潰しと生活科の登場
竹下 昌之
誤報教科書問題と近隣条項
菱村 幸彦
有田・向山立会い授業
金子 正雄
社会主義崩壊の重み
藤岡 信勝
IT情報化時代の意味
福田 正弘
大使館発・ご存知?わが国と日本のかかわり (第6回)
ニューヨークは背広、西海岸は短パン―アメリカ合衆国
佐桑 徹
そのままコピー都道府県パズル−すぐ使える実物と使い方のノウハウ (第6回)
正しい位置記憶を高める
沼田 能昌
これは何でしょう?“道の駅”紹介 (第6回)
発見!意外なもののある道の駅C
太田 政男
〜道の駅発祥の地の歴史〜
「よいといわれる授業」を検証する (第6回)
社会の構造を教える社会科授業
棚橋 健治
〜社会的事象の説明枠をとらえさせる授業(一)〜
社会科におけるディアスポラ研究情報 (第6回)
授業をつくりはじめる(3)
谷 和樹
〜「インターネット活用の調べ学習・応用型」〜
激震下の社会科教育―最新情報で語る“どうなる・どうする” (第6回)
学力調査から見えてきた課題は何か
北 俊夫
日本国憲法・エピソードクイズ (第6回)
永久ではないはずの憲法と「永久」と表現されている基本的人権
西尾 一
写真が語る“知られざるお宝資料” (第6回)
「武鑑」で調べる江戸幕府の組織
出原 真哉
社会科教育研究の最前線―全国社会科教育学会会員の研究動向 (第6回)
新しい歴史教育研究
原田 智仁
社会科発展教材の面白教材 (第6回)
日本のもの造り 環境・エネルギー問題を、日本の技術力で解決する!
廣野 毅
社会科で求める学力とは何か―私の現状批判と課題― (第6回)
内容も方法も同時達成できないか?
猪瀬 武則
わが県の情報 ここに「この授業あり」 (第90回)
和歌山県の巻
藤井 英之
編集後記
樋口 雅子
日銀発「子どもに語る“お金”なるほど話」−大事な話&面白ネタ− (第6回)
お札の国産化技術を伝えたお雇い外国人たち
野崎 学


編集後記


◯…今回の企画をたてるにあたって、最近出された理論書を見ていて、「社会科教育の新しい実践課題にどう取り組むべきか」ということで提案された研究者の論文に、

@あらゆる差別や偏見を克服する人権教育

A戦争学習を通じて、反核・軍縮をめざす平和教育

B生きて働く身近な地域の現実と歴史を掘り起こす地域学習

C民衆が社会・歴史の創造主体であることを自覚する民衆史学習

D正しい民族観の育成の課題(民族の共存・連帯の課題)

E国家史偏重の日本史の見直しの課題(たとえば、はじめに「日本」・「日本人」ありきを克服すること)

こんな調子で9箇条?出されているのですが、一体これはなんなんだ!と思わざるをえませんでした。はじめに「日本」・「日本人」ありきなんて―あたり前のことではないかとか、民族と国家はどういう区分で使われているのかとか、国家とは何か、というような概念の指導なくしてなんで、国家史偏重が出てくるのか?とか、疑問が噴出する論文でした。

これが、つい最近まで日本を代表する社会科教育学会会長のご意見ですから、社会科という教科の存在価値を問われても仕方がない―という気さえしてきます。

もちろん、主観的には、反核・軍縮を望まないような生徒を育てていいとは誰も思ってはいないでしょうが、いやしくも教育の場で、願いや希望を教えるというような情緒的な対応でいいはずがないと思います。

もっと裏づけのある、それこそ世界のどこで誰を相手にしてでも論争していけるような武器を持たせる、理論武装をすることが、激しい国際競争化時代を生きていかなければならない子どもには必要ではないか―と思えてなりません。

そういう点からみると、越し方を振り返るには十分すぎるような60年という歳月のなかで起こったさまざまな出来事を検証し、これからの教育を担っていく若い世代の先生に考えていただける素材を提供できればと願いました。

〈樋口雅子〉

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