国語教育 2013年2月号
“うまい作文”続出!書き方指導の新手引き

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国語教育 2013年2月号“うまい作文”続出!書き方指導の新手引き

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ジャンル:
国語
刊行:
2013年1月8日
対象:
小・中
仕様:
A5判 136頁
状態:
絶版
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目次

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特集 “うまい作文”続出!書き方指導の新手引き
“作文嫌い”をつくる落とし穴はどこ?と聞かれたら
何のために書くの?
首藤 久義
意欲をそぐ評価(評語)
中西 一弘
師弟ともに目的が見えているか?
田中 智生
作文の書き方指導をめぐる異論と討論=吟味・点検のポイント
「思ったことを書きなさい」指示の有効性?
教師として“ダメ”、“できる”の指標
小森 茂
「思ったことが書ける」手立てを
日野 朋子
書ける子・書けない子の差が出る原因?
書くことへの抵抗感で差が出る
井原 哲典
差が出る原因は、毎日の積み重ね
石橋 卓
新要領が「想像したことを書く」を明示した意味
想像したことを秩序立てるスキーマ
松川 利広
思い浮かぶことを自由に書くのではない。構成のしかたも教えることが大切である。
谷 和樹
書き方・表現技法を指導するのは邪道?
ハウツーは一人一人に寄り添った手引きで
大谷 一郎
「一時に一事」で教える
服部 賢一
作文に点数付けは邪道?
作文力に生きる評語評価を
吉田 裕久
評価観点を明確にした取り組みを
河野 順子
推敲・見直し強要は作文嫌いをつくる?
「書き言葉」だが「読み言葉」
上谷 順三郎
書く場の条件を基準にした見直し・推敲を―見直し・推敲の習慣化を促進するために―
大西 道雄
クオリティUP!“このテーマ作文”活用のヒント―モデル例と活用のヒント
なりきり作文―モデル例と活用のヒント
山元 悦子
吹き出し作文―モデル例と活用のヒント
松本 佳子
連想作文―モデル例と活用のヒント
菊地 はす江
キーワード作文―モデル例と活用のヒント
東田 昌樹
手紙形式の作文―モデル例と活用のヒント
戸村 隆之
課題作文―モデル例と活用のヒント
池内 清
PR作文―モデル例と活用のヒント
多賀 一郎
小説家になって作文―モデル例と活用のヒント
福山 憲市
行事(運動会)作文―モデル例と活用のヒント
阿南 麻美子
行事(遠足)作文―モデル例と活用のヒント
澤田 好男
ねらいに即した作文の書き方指導のポイント
経験したことを書く指導のポイント
東條 正興
想像したことを書く指導のポイント
前田 聖二朗
順序を考えて書く指導のポイント
半田 啓之
取材して書く指導のポイント
許 鍾萬
調べて書く指導のポイント
滝澤 隆幸
句読点や段落を意識して書く指導のポイント
大澤 明洋
段落相互の関係を注意して書く指導のポイント
山口 浩之
敬体・常体の違いを注意して書く指導のポイント
師尾 喜代子
文章全体の構成を考えて書く指導のポイント
福田 秀貴
事実と感想・意見を区別して書く指導のポイント
堀田 和秀
簡単に書く・詳しく書くを使い分ける指導のポイント
国友 靖夫
次世代の作文教育=新“書き方”の提案
30代教師が実践発表、現場の実態から考えたこと
森川 正樹
誰でも書ける作文法=作文の型:どんなものがあるのか―基本型と指導ポイント
原稿用紙の書き方 基本型と指導ポイント
馬場 慶典
短作文の書き方 基本型と指導ポイント
岩井 俊樹
起承転結の書き方 基本型と指導ポイント
松藤 司
接続詞活用の書き方 基本型と指導ポイント
大石 正廣
書き出しの書き方 基本型と指導ポイント
根本 直樹
文末の書き方 基本型と指導ポイント
吉谷 亮
言葉の面白さを味わう作文のお題
オノマトペ集めと活用のヒント
乙野 倫子
漢字語源ルーツと活用のヒント
神谷 祐子
助詞の使い方と活用のヒント
中谷 康博
形容詞辞典づくりと活用のヒント
三浦 広志
レトリック活用のヒント
小田原 誠一
七五調の習得と活用のヒント
三井 竜彦
五七調の習得と活用のヒント
林 真弓
子どもの意欲を盛り上げる作文イベント・作文交流
辞書引き競争の入れ方・使い方
団野 晶夫
作文の書き方クイズ
森竹 高裕
言葉遊びクイズの入れ方・使い方
家根内 興一
作文コンクール・応募の仕方と応募先紹介
貝沼 浩晃
この“ひと押し”で作文が上手い子に大変身 ●あの子の作文力成長の1年を追って
1・2年=4月新学期と3月学期末作文を対比する
有村 紅穂子
3・4年=4月新学期と3月学期末作文を対比する
野口 澄
5・6年=4月新学期と3月学期末作文を対比する
田代 勝巳
中学=4月新学期と3月学期末作文を対比する
和田 由幸
特別支援の子にも有効=作文に“五感”を!
“聴いて書く”作文レシピと工夫点
間嶋 祐樹
“動作を見て書く”作文レシピと工夫点
小野 隆行
温故知新=ミニ学問?する
生活綴り方の伝統って何だ?
菅原 稔
大村はまの作文指導
浜本 純逸
ヴィゴツキーの『思考と言語』
柴田 義松
小特集 単元を貫く言語活動とは? QAで読み解く
Q:単元を貫くものは何か?
草野 剛
A:目的を明確にした言語活動がポイントです
水戸部 修治
Q:個別のプランが必要か
青木 伸生
A:言語活動で、見えにくかった個人差が浮き彫りになります
水戸部 修治
Q:朗読表現の技能と物語の解釈
木 理恵
A:朗読のもつ特徴を生かした指導を工夫しましょう
水戸部 修治
Q:二領域にまたがる単元を貫く言語活動のあり方とは?
神林 美紀
A:それぞれのねらいがより効果的に実現できるようにしましょう
水戸部 修治
Q:物語文の読み取りで新聞づくりを言語活動として取り上げる際の留意点について
菊池 健一
A:新聞紙面と、付けたい「読み能力」を一致させましょう
水戸部 修治
Q:付けたい力の設定と言語活動・教材文の取り上げ方
竹ア 有紀子
A:言語活動の種類や特徴を吟味しましょう
水戸部 修治
Q:初発の感想〜段落ごとの読解という流れを乗り越えるには…
大場 卓
A:ストーリー展開全体を見渡す手立てを工夫しましょう
水戸部 修治
教室の言語環境づくり (第11回)
根本 直樹
国語教師=プロへのパスポート 学級通信・ノート・日記の実物紹介 (第11回)
渡辺 大祐
“モノ”が刺激する楽しい作文ネタ (第11回)
モノを人格化する
大杉 稔
言葉の深読みドリル (第11回)
ひとりぼっちのごんと兵十
大澤 八千枝
国語授業の情報スクランブル (第4回)
子どもに大人気 マンガ本と国語教材
村野 聡
〜漫画の持つ要素や4コマ漫画を国語教材に取り入れる〜
200字ツイッター
千葉 雄二渋谷 徹藤井 大助福嶋 隆史香月 正登小田原 誠一
論理的に思考する「考える」授業作り (第11回)
【物語文の指導】題名にこだわり、作者の意図を読む
寺田 知巳
〜『世界でいちばんやかましい音』(学校図書4下・東京書籍5上)〜
【説明文の指導】論理を読み、論理をまねて、表現に生かす
江見 みどり
〜『じどう車くらべ』(光村図書1下)〜
エロスと説得―レトリック的思考道場― (第5回)
PISA型読解力といじめの関係
香西 秀信
リズムとテンポのある国語授業をめざして (第11回)
中学年「説明文の要約の授業づくり」
キーワードを決めること・評定基準をもっていること
阿部 梢
説明文の要約でキーワードを確定させる方法
谷 和樹
小学校 国語実践研究の最前線&レア情報 (第11回)
水戸部 修治
中学校 国語実践研究の最前線 (第11回)
冨山 哲也
わが県の国語ソムリエ (第11回)
岩手県
望月 善次
千葉県
寺井 正憲
編集後記
樋口 雅子
爆笑珍答 四字熟語面白クイズ (第11回)
新村 勲

編集後記

○…「書くことがない〜」「面倒くさい〜」「いやいやながら書かされた」「テーマ・お題の品切れ」

 作文というと、こういう声を聞くことが多いようです。

 よくある例ですが、運動会の作文、ほとんどの子が同じような書き出し、

「○○日、運動会がありました。楽しかったです」となるのだとか。

 そういう状況を200字作文とか、400字作文とかいう形の、いわばフォーマット指導から始めて改善に結びつけようという提案がなされています。

 こういう最近の風潮に対して、対極にある?生活文指導が置き去りにされているという批判の声もあります。

 「書くという行為は、自分を見つめることである」という、いわば生活綴り方の伝統が「書き方指導」中心の「子どもが、楽しく書けばいい」という、ハウツーものにすり変わっているのではないか―というご意見です。

 ところで。今回、あれこれ文献を読んでみて、「思ったことを、ありのままに書きなさい」という指示が、作文嫌い症候群を生んでいる―という指摘には、説得力があると思いました。

 心ここにあらずでも、字ズラだけ読むことはできますが、何も考えないでは、書くという作業はできない。だから、考えることも書くことも面倒になり、紋切り型の平凡な文章ですませよう―という反応になるのかも知れません。

 多くの現場で、書くという作業は、自己内対話より、まずは、相手に伝わる書く力をつけたいという流れが生まれているのは、書くという行為そのものが自ずから持つ、〈他者を意識した作業〉という側面からも当然なのかも知れません。また、現場の先生方のレポートを拝見すると、「作文力のある子とない子の両極端に分かれる傾向があったので、同じ学年の面白い書き出しと対比させて読みあげていくだけで、自分たちの描写力・語彙力の足りなさに自然と気づいていった」という指導の工夫もありました。こういう授業なら、楽しく自然に作文力もつくだろうな―と納得できる実践です。

 本号は、こういうさまざまな現場のアイデアをご紹介いただきながら、国語教育の遺産ともいうべき、生活綴り方などの真髄をどう咀嚼して実践に生かしていけば(そういう部分があるとすれば)よいのか、あわせて識者にご意見をいただきたいと願いました。

(樋口 雅子)

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