現代教育科学 2006年10月号
戦後教育との決別‐何が問われるか

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現代教育科学 2006年10月号戦後教育との決別‐何が問われるか

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ジャンル:
教育学一般
刊行:
2006年9月7日
対象:
小・中
仕様:
A5判 116頁
状態:
絶版
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目次

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特集 戦後教育との決別―何が問われるか
提言・戦後教育との決別―何が問題か
歴史ある日本教育を捨てて、知識記憶教育に画一的に変換した戦後教育
西澤 潤一
戦後教育のせいにしていることが問題
岡本 薫
団塊の世代が隠れ蓑とした「自由」「個性」の尊重
勝方 信一
二項対立的な枠組みからの脱却を
貝塚 茂樹
教育基本法改正批判の検討
江間 史明
「教育の民主化」―墨塗り教科書の意味するもの
変化をいかに管理すべきかを学ぶ
齋藤 勉
戦前教育との決別―その光と影
片上 宗二
「墨塗り教科書」の形態変化した「事件」は、今後もありうる
渋谷 孝
墨塗り教科書と精神文化
岩田 一彦
「教育基本法の改正」―愛国心の復活は悪か
いつまで膾(なます)を吹くのか
菱村 幸彦
愛国心の復活・それは国家再興の道
野口 芳宏
求められる新しい愛国心を育てる教育
北 俊夫
素直に「日本が好き」と思える国民に育てよう
安藤 豊
具体的な授業場面を取り上げて論じなければ意味がない
谷 和樹
「日本人の気概」の授業は悪か?
竹田 博之
「日本人」としての「自覚」
長野 藤夫
「少人数学級の推進」―集団で学ぶよさの欠落か
集団で学ぶよさを忘れてはならない
柴田 義松
学習集団で学び合い育ち合う
豊田 ひさき
日本型の集団学習は復活できるか
大谷 和明
「ニート・フリーターの出現」―戦後教育の欠陥か
新しい教育法を考えなくては
有田 和正
戦後教育は、伝えなければならないことを伝え忘れた時代だった
甲本 卓司
仕事としての勉強・学習
神谷 祐子
教師自らの体験を、子どもたちに話すべきである
吉川 廣二
「子ども中心主義の教育」は誤りか
「子ども中心主義教育」の方々への提言
酒井 臣吾
ご都合主義に振り回された“子ども中心主義”
糸井 清
極端な「子ども中心主義」の「総合的な学習」が、学力低下の一要因ではないか
岡田 健治
「子どもを大切にする」ばかりが強調された
田村 治男
戦後の授業研究の歴史 (第7回)
授業や学習の推進力を追究してきた授業研究
山下 政俊
親と教師の信頼関係づくり (第7回)
長期休業を「修養」に使う
大森 修
理科は感動だ! (第7回)
読解力、書く力をつけよう〜指導なしに力はつかない〜
小森 栄治
法人化国立大学の苦悩―学部長奮戦記 (第7回)
学生は教育学部をどう評価しているか
明石 要一
TOSS授業技量検定の成果 (第7回)
一秒でもオーバーすればTOSS技量検定失格
向山 洋一
教育課程の見直しに参加して―中教審委員の一人として (第7回)
教育課程部会の審議の実際―原案づくり―
安彦 忠彦
編集後記
江部 満樋口 雅子

■編集後記

◯…新聞報道によれば、去る四月下旬「教育基本法改正案」が閣議決定され、いよいよ国会審議の場に持ち出されるようです。論議の焦点は「愛国心」問題にしぼられるようです。自民と公明両党が互いの主張をつなぎ合わせた妥協の産物だけに、「我が国と郷土を愛する態度」をめぐる解釈が問題になるでしょう。特に一方で「君が代」をめぐって卒業式での斉唱での起立が問題化しているだけに、その論議は注目を集めることでしょう。

◯…周知のように、戦後日本の義務教育は、一九四六年に公布された日本国憲法の精神に則り、四七年に公布・施行された教育基本法、学校教育法などに基づき、平和と民主主義を社会の基本理念として出発してきました。しかし、戦後改革による新教育も半世紀を経て、教基法の改正などを背景に変化、再編が行われつつあると言えます。まさにこの改正を機に「戦後教育との決別」が始まるとの見解も出ています。

◯…戦後の墨塗り教科書(戦前の全否定)につづく「教育の民主化」策は、教育基本法の制定と教育勅語の廃止にあったわけですから、今回の改正を歓迎する向きがあるのも当然かもしれません。しかし「愛国心」だけを過度に強調された結果を経験してきた戦争体験者、あるいは現在の中国、韓国、北朝鮮を見ていますと、その結果の危険性を心配する向きも無視できません。

◯…「子ども中心主義」の戦後教育は、子どもから「己」を知る謙虚さを奪ってしまった、との批判もあります。自由を著しく制限されていた戦中への反動から、戦後はことあるごとに「自由」が強調されてきました。いま、米軍の占領政策の一環として作られた戦後教育の政策が見直される時がきたと言えるようです。

〈江部 満〉

◯…教育課程改定で国・算・理は増える(どこから捻出?)かも〜だそうですが、社会は主要教科の位置キープも微妙―と聞きました。

ま、それも仕方がないかも―と思えてくるご意見が「社会科教育」誌9月号「憲法学習―何を教え、どう考えさせるか」実践家への研究者のコメントの中にありました…。

・「憲法は自由≠フ保護のためにある。国家の権力が強大となり自分たちの自由を侵すことがあってはならないので、国民は憲法によって国家を縛っているのである。」

(えー、前文の学習ですから当然、「主権が国民にあることを宣言し」を教えるはず…。だったら、それと、国民と国家は対立する構図≠ニをどういう整合性をもてば教えることが出来るのか―その根拠を示すべきでは…。)

・「少なくとも現行憲法を選択したのは、国民であり、その価値を否定することなく議論したい」

(えー、現行憲法を選択したのは国民?その根拠は?出生の秘密は、つとに有名なのに)「社会科教育」誌の企画責任者として、その責任を重く感じた夏休みでした。

〈樋口雅子〉

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