「授業の主役は教師である」これは、野口芳宏先生が講座でよく言われる言葉です。「授業の本質は、学力形成にある。」とする授業観の下、学力形成を個々の児童生徒へ保証するのが教師であることから主張されてきた言葉です。一斉授業はこれからも必要であり、一斉授業を支える様々な力量が教師に求められることに変わりはありません。ところが、現実問題として授業が困難となり、児童生徒の関係性も悪くなってしまうという教師の意に反した現象が起きることがあります。日常の授業を進めるための教材研究や評価物の処理に多忙を極める中、次々と投下されてくる新たな教育課題に追われ、勤務時間が圧迫される状況が教師という職業をブラック視する原因にもなっているところです。若手教師であればあるほど、追い詰められるような状況の悪循環で疲弊し切っているのではないでしょうか。そんな教師人生を少しでも改善し、前向きに取り組む積極性を感じられるような研修の場を提供できればと考えて企画いたしました。
単純に授業力をインストラクションに置き換えたということではなく、授業力とともに授業を支える教材開発や教材研究、深い児童生徒理解に基づく最適な指導対応といった教師にとって欠かすことのできない総合的なパフォーマンスとして「インストラクション」という言葉を使った次第です。