文部科学省が27日に公表した平成20年度「子どもの学習費調査」によると、不況の影響を受けてか、多くのカテゴリーで学習塾や習い事などへの支出である「学校外活動費」が大きく減少していることがわかった。一方で、公立中学生の「学習塾費」は過去最高の年間約18万8千円を記録し、ほとんどの子が受験する中学校では不景気でも塾依存が進んでいるようだ。

　調査は文科省が2年に一度行っているもので、公立、私立の幼稚園から高校が約1,100校とそこに通う子どもの保護者約28,000人を対象に行われた。

　公立での「学習塾費」は中学校が187,691円(6.6％増)と突出して高く、次いで高校が76,278円(3.6％減)、小学校が大きく減らし52,950円(14.1％減)となっている。

　一方で、私立では早期受験化が進んでおり、ピークは小学校の207,177円(5.6％増)、次いで中学校が129,850円(9.6％増)、高校が83,951円(41.9％減)となっている。小中では増えた一方で高校は激減となり、小中から私立に通わせている保護者と高校で私立に通わせている保護者では不景気の影響が異なることがうかがえる結果となっている。

　習い事などへの支出である「その他の学校外活動費」も私立の幼稚園、高校以外は軒並み減少しており、保護者が子どもの教育費を切り詰めている状況がうかがえる。22年度は月額1万3千円の子ども手当が支給される見込みだが、果たして次回調査では学校外活動費は上向くのだろうか。

• 平成20年度子どもの学習費調査結果（文科省）
  http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/01/attach/1289551.htm
• 幼〜高校まで私立の場合の学費は公立の3倍に―文科省調査（2007/12/21）
  http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/news/?id=20070475