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教員の「残業手当」導入に向け具体策検討へ―文科省
kyoikujin
2008/5/30 掲載

 29日の時事通信の記事によると、文部科学省は時間外勤務手当の代りに教員に一律支給されている「教職調整額」を見直す有識者会議を設置したとのこと。教員の「残業手当」導入に向けて具体策の検討に入った。

 「教職調整額」とは校長、教頭を除く教員に対し、時間外勤務手当を支給しない代りに給料月額の4%を本給として支給するもの。これは昭和46年に制定された「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」に基づく制度。教員は修学旅行や遠足といった学校外の教育活動や、家庭訪問や校外研修など個人での活動も多く勤務時間の管理が一般行政職と比較して困難。このため教員特有の勤務形態を踏まえた処遇として導入された。

 しかし、近年教員の多忙化が指摘されており、平成18年度に40年ぶりに実施した教員勤務実態調査では、同法制定当時に比べ平均残業時間が大きく増加している実態が明らかになっている。また、通常期の小学校で平均残業時間が約5時間から0分と教員によって大きく差が開いていることも指摘されており、教員の負担感についても差が広がってきている。これらの実態を踏まえ、一律支給される現行の教職調整額の在り方について見直しを行なう必要があった。

 時間外勤務手当導入に向けては、教職調整額導入の根拠ともなった教員の勤務時間の把握や仕事に対する自発性の担保、教職調整額を上回る支出が必要になる場合の財源確保など課題は多い。文部科学省は2009年度予算の概算要求に向けて結論を出したい意向のようだ。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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