著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
「発問・指示」を磨いて授業を成功に導こう
東京都荒川区立第一日暮里小学校副校長白井 一之
2013/11/20 掲載
今回は白井一之先生に、新刊『スペシャリスト直伝!場面別でよくわかる発問・指示の極意』について伺いました。

白井 一之しらい かずゆき

荒川区立第一日暮里小学校副校長。
日本数学教育学会算数教育編集部常任幹事。
平成11年 日本数学教育学会優秀論文賞、平成19年 文部科学省教員表彰、平成22年 文部科学省評価規準・評価方法ワーキンググループ。
【著書等】
『小学校算数 活用力を育てる授業』(図書文化社)編集・執筆
『観点別学習状況の評価規準と判定基準 小学校算数』(図書文化社)編集・執筆など

―第1章では、「発問・指示」において特に重要な10の極意がまとめられています。その中の極意5「主発問はその時間の目標に直結している」は、本書の中で一貫して述べられていることだと思います。どのようなことなのか、詳しく教えてください。

 授業には目標があります。たとえば、「平行四辺形の面積の公式を理解している」という目標だとします。公式を理解しているということは、単に公式を暗記していることではありません。長方形に等積変形すると底辺×高さという公式が導かれることを理解しているということです。理解するためには、平行四辺形の面積の求め方を工夫する活動が必要です。この活動をうながすのが主発問なのです。主発問で行った活動や考えを目標に結び付くように導くのが教師の役割だと考えています。

―それでは、主発問は、具体的にどのような手順で考えればよいのでしょうか?

 授業を考えるとき、始めにどんな問題にするかを考えることが多いと思います。私は、逆に本時の目標を具体的な子どもの姿で考えるところから始めます。目標を達成した子どもにするには、どんな話し合いが必要か。話し合いをするためにはどんな考えが出るとよいか。その考えを出すにはどんな発問が必要か。ここが主発問になります。最後に、本時で必要な考えを出すための問題を考えるのです。このように、本時の目標を達成した具体的な子どもの姿からさかのぼって考えます。

―本書では、発問の成功事例や失敗事例も紹介されています。先生の成功事例や失敗事例を教えてください。

 指導案を眺めながらよくイメージトレーニングをします。何度も行うと、発問に対してどの子がどのような発言をするかまで見えてくることがあります。そのようなときは、見事なくらいイメージ通りに授業が進んでいきます。逆に、指導案を眺めていて授業のイメージのわいてこない授業は、発問しても子どもは何を発言したらよいか分からずシーンとしており、結局一問一答の授業になってしまいます。

―明日の授業からで実践できそうな工夫も紹介されています。明日の授業で、まず意識したいポイントは何ですか?

 どのような言い方で指示や発問をしているか意識したことはありますか。命令口調だったり、お願い口調だったり…。いつも同じような言い方ではなく、場合によって、場面によって、小さな声で、大きな声で、笑顔で、毅然としてなど、工夫することがもっとも効果があります。自分が子どもにどう映っているのか、鏡を見ながら声を出してみるのもよい方法です。

―なかなか「発問・指示」を極めるのは難しそうだと感じます。上達の秘訣はなんでしょうか?

 発問や指示は毎日行っているものです。教師の言語活動と言ってもよいでしょう。ご自分の学級では、発問や指示が効果的になっているでしょうか。まずは、発問と指示、それぞれの役割を意識することが第一歩です。その極意や上達の秘訣は本書に詳しく書いておきました。是非手に取って見てください。

―最後に、読者の方にメッセージをお願いします。

 授業はよくドラマに例えられます。盛り上がる場面があり、結末へと向かいます。本時の盛り上がる場面を演出するのが発問です。発問でいろいろな考えが出て、話し合いで高められていく。ここが感動のシーンです。授業で子どもに感動を届けましょう!

(構成:茅野)
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