著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
図工授業が苦手から得意に大変身!
愛知教育大学教育学部創造科学系教授竹井 史
2012/4/18 掲載
 今回は竹井史先生に、新刊『学級担任の図工授業完ぺきガイド』について伺いました。

竹井 史たけい ひとし

愛知教育大学教育学部創造科学系 教授。
灰谷健次郎、林竹二に影響を受け大学時代を沖縄にて過ごす。神戸大学大学院教育学研究科終了後、富山大学人間発達科学部等を経て現職。専門は、美術教育学、幼児の造形・遊び。最近は、土や不用材を使った教材研究、教材開発に着目し、研究を進めている。これまでにものづくりを中心としたワークショップなどを継続し、7万人の親子と関わる。

―はじめにズバリ質問です。不器用でも図工の授業を成功させることはできるのでしょうか。

 もちろんです! 図画工作が不得意と言われる先生は、自らの経験がありますので子どものつまずきやすいポイントもよくわかっておられると思います。本書にはそのような子どもたちがつまずきやすい点をどのように解決していけばいいのか多くのヒントが隠されており、きっと図工の授業成功に向けての参考になると思います。

―他書にないおすすめポイントを教えてください。

 図工の題材集はこれまでに色々なものが出版されていますが、図工の授業をどのように進めていけばいいのか、授業を進める上で生じる造形あそび、絵や立体工作などの領域での疑問、アイデアが浮かばないなど授業を受ける子どもの問題など、題材以外の重要な点についてまとまって書かれた本はあまり見られませんでした。本書はこのような人に聞きたくても聞けなかった、また、聞いてもはっきりした回答が得られなかった質問に焦点を当ててコンパクトにまとめました。

―本書はどんな内容で構成されていますか?

 本書の前半では、図工授業を進める上でのポイントやテクニックについて、教育現場で実践されている人気著者のアドバイスを中心にまとめました。本書の中で最も多くのページを割いた第3章では、絵や工作など図工の様々な領域の中で出てくる問題や、授業を進める上でのポイントについて詳細に述べました。そして、後半では、図工の授業の最大の難関である評価の考え方や、子どもの成果が効果的になる展示のノウハウについても、できるだけ具体的にわかりやすい説明を加えました。本文中には、きっと役に立てて頂ける図工の授業チェックリストも載せました。

―例えば、アイデアが浮かばない子どもに対して、どのようにアドバイスすればいいのですか。具体的に教えてください。

 本書では、次のような順を追った指導を提案しています。

  1. 友達の作品をたくさん見る。
  2. 作品全体ではなく、部分に分けて一つずつ考える。
  3. 自分の好き!を取り入れる。
  4. 例示作品や友達の作品をアレンジする。
  5. それでもだめなら、ほとんどは基本通り、その中にどこか一部だけでも自分のアイデアを加える。

 このように考えてみることの大切さを取り上げ、子どもの様子に則したきめ細やかな授業の進め方について述べています。
 

―最後に、4月から図工授業の担当になった先生方へ向け、メッセージをお願いします。

 図工は、色や形を通じて自らの思いや願い、考えを表現する教科です。しかし、色を使い形を作れさえすればOKというわけでは決してありません。そこにはそれを表現するその子なりのこだわりが現れなくてはなりません。そのためには、教師は子どものメッセージに細心の注意を払い、そのこだわりが表現されるための環境づくりや受け止める土壌が準備されなければなりません。本書を参考に、図工の授業をぜひ、得意教科にして頂きたいと思います。

(構成:木村)
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