研究会情報
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発達障害支援の初心に立ち返る −支援の目標・保護者への支援・お薬での支援−
開催地域
神奈川県
日程
2020/8/16(※要申込:8/15まで)
主催
神奈川LD協会(公益社団法人神奈川学習障害教育研究協会)
講師
広瀬宏之先生(横須賀市療育相談センター 所長 ・ 小児精神神経科医)
参加対象
幼児・保育/小学校/中学校
ジャンル
その他
8月16日(日) セミナーコード401 / 研修室121−123(12階) アドバンス講座


発達障害支援の初心に立ち返る −支援の目標・保護者への支援・お薬での支援−

10:00-11:15 講義1 発達障害支援の目標について
11:30-12:45 講義2 保護者支援の基本について
13:45-15:15 講義3 発達障害の薬物療法について
15:30-16:30 講義4 日常の支援につなげる −質問に答える時間−


Invited Speaker 広瀬宏之先生(横須賀市療育相談センター 所長 ・ 小児精神神経科医)


広瀬先生からのメッセージ

 発達障害の支援にまつわる大切な事柄から、いくつかピックアップしてお話します。

 1コマ目では支援の目標についてお話します。発達障害支援の最終的な目標は、発達の遅れや凸凹をもつ当事者が適切な自己理解に到達し、それに見合った対処行動が自らでできるようになることです。

 発達の遅れや凸凹は、現在の医学では根治不可能ですから、支援の目標は、まず遅れや凸凹を保護者や関係する大人たちに理解してもらい、それに見合った育て方や環境調整を行なっていくことから始まります。適切な環境の中に置かれると、発達障害があっても自分のペースで発達が進んでいきます。

 こういった成功体験を繰り返していく中で、自らが自らの遅れや凸凹をネガティブなものとしてではなく理解して、それに見合った、いわば“身の丈に合った”生活設計をしていけるよう、自らで行動できるようになることが支援の目標です。

 2コマ目では保護者支援の基本についてお話します。発達障害の支援は保護者支援でもあります。発達障害の子育てはとてもとても大変で、人一倍以上の苦労が伴います。例えば、泣いている幼児を良かれと思って抱きしめても、感覚過敏の強い子どもでは余計に泣いてしまい、途方に暮れることも少なくなくありません。

 発達障害があっても、保護者や本人はそれなりの対処行動をしてきています。支援者から見ると適切なやり方とは思えなくとも、何とかしたいという気持ちを否定しては共同作業になりません。保護者を責めることは厳に慎む必要があるのです。まず子育ての大変さを傾聴し、保護者なりに工夫してきた対処行動を労って、特性に見合ったより良い対処行動を一緒に考えていくのです。対処行動のバージョンアップが、支援の醍醐味です。

 3コマ目では薬物療法について、特に非医療者の皆さんに知ってもらいたいことをお話します。薬物療法といってもただ処方するだけでは駄目で、心理療法的な要素が不可欠です。また、本人や家族、学校の先生方など、関係するすべての方々の共同作業でもあります。薬物療法を素材として、支援の一つのモデルをお示しします。

 4コマ目ではフロアの皆さんとのやり取りを通じて、理解を深めていきたいと思います。
 なお、今回は、一通り支援の経験をされたきた方を主な対象に考えて、お話をしていく予定です。

【広瀬宏之先生のプロフィール】1995年に東京大学医学部卒業。同小児科・大学院、国立成育医療センターこころの診療部、米国フィラデルフィア小児病院などを経て、2008年より現職。2015年から放送大学客員准教授兼務。医学博士、小児神経専門医、小児精神神経学会認定医、子どものこころの専門医。著書に『発達障害支援のコツ』『発達障害支援の実際』『発達・子育て相談のコツ』『「ウチの子、発達障害かも?」と思ったら最初に読む本』『図解 よくわかるアスペルガー症候群』、『もしかして、アスペルガー?と思ったら読む本』、『自閉症のDIR治療プログラム』(翻訳)、『こころの病への発達論的アプローチ』(監訳)、『発達障害とのかかわり』(神田橋條治氏との共著)など。


※申込方法等の詳細については、当協会HPをご覧下さい。
http://www.246.ne.jp/~kanald/