研究会情報
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親と子の愛着形成の問題と対応 −愛着障害がこころと行動に与える影響−
開催地域
神奈川県
日程
2020/7/19(※要申込:7/19まで)
主催
神奈川LD協会(公益社団法人神奈川学習障害教育研究協会)
講師
宮本信也先生(白百合女子大学発達心理学科 副学長 ・ 教授 ・ 小児科医)
参加対象
幼児・保育/小学校/中学校
ジャンル
特別支援教育/人権教育/その他教育
7月19日(日) ★セミナーコード102★ / 研修室121−123(12階) スキルアップ講座


親と子の愛着形成の問題と対応 −愛着障害がこころと行動に与える影響−


10:00-11:15 講義1 愛着の発達と愛着形成
11:30-12:45 講義2 愛着障害の基本的な理解
13:45-15:00 講義3 愛着障害から生じるこころと行動の問題
15:15-16:30 講義4 親と子どもの関係とこころの問題への対応


Invited Speaker 宮本信也先生(白百合女子大学発達心理学科 副学長 ・ 教授 ・ 小児科医)


宮本先生からのメッセージ

 生まれた子どもに親が食物を与える動物は、一部の例外を除き、鳥類と哺乳類です。自然界においては、どんな動物の赤ちゃんも、外敵に襲われる大きな危険を抱えていますが、鳥類と哺乳類においては、子どもが親から物理的に離れることは、外敵に襲われやすくなるだけでなく、食べ物も得られなくなるという二重の危険性をもっています。

 そのため、鳥類と哺乳類では、生まれて間もない子どもは、自分の親から離れないようにする習性を持って生まれます。鳥の場合、そのような習性は刷り込み(インプリンティング)と呼ばれています。一方、哺乳類では、親から離れないようにするという習性は、身体の安全のために本能的に離れないというだけでなく、親と一緒にいることで子どもが安心感、安全感を得る、という情緒的な関係性にまで発展して考えられるようになってきました。これが、愛着という考え方です。

 愛着とは、子どもが、不安や恐怖など心身の危険を感じたときに、特定の人との結びつきにより安心感・安全感を回復させようとすることと言えます。ある特定の人と一緒にいると安心感・安全感を感じるということは、それまでに、その人と一緒にいて安心だ、安全だ、心地よいなどの体験をしていることが土台になります。多くの子どもにとって、そうした状況は、生まれてしばらくの間は、自分を育ててくれる人(通常は、母親)との間で体験しています。だからこそ、小さな子どもは、親、特に母親から離れたがらないのです。

 このセミナーでは、こうした親と子どもの関係性、その関係性が破綻する状況とその影響などについて考えていきたいと思います。

【宮本信也先生のプロフィール】青森県弘前市出身。金沢大学医学部卒業。医学博士。自治医科大学小児科入局、同助手、講師、筑波大学心身障害学系助教授、教授、附属聴覚特別支援学校校長、附属特別支援教育研究センター長、副学長を経て、2018年4月より現職。専門は、発達行動小児科学。子ども虐待への対応、ASDへの対応、小児心身症への対応を中心とした臨床研究活動を展開。趣味は、山歩きと日本各地の銘酒巡り。『アスペルガー症候群・高機能自閉症の本−じょうずなつきあい方がわかる』(主婦の友社)等著書・論文多数。