【 主 旨 】「自然環境と人間生活」の考察は地理学習・教育の基本的なテーマのひとつである。全国地理教育学会では上野原・沼田地域をフィールドとし、河岸段丘地形と人間生活の関わりをテーマに地理教育基礎巡検を実施してきた。実際に現地を歩き、観察・考察を深めることの重要性を確認し、「自然環境と人間生活」に関する考察・理解を深めてきた。今回の巡検地域として取り上げた埼玉県飯能市は、入間川(荒川水系)が関東山地(秩父山地)から関東平野に流れ出る「谷口」に形成・発展した集落(都市)である。しかし、「谷口」の位置的条件や谷口における多様な地形環境と人間生活(日常生活・農林水産業・商工業等)の関係およびその歴史的経緯については、必ずしも十分理解されているとはいえない。そこで、実際に現地を巡検し、この位置的・地形的条件と人間生活の関わりを多角的に考察し、地理プロパーでない先生方の授業実践にも寄与できることを目途に、地理教育基礎巡検を実施する。なお、観察・考察の重要ポイントとして、「西川林業」を取り上げる。また、本来の地理教育巡検の実践に向けた素材・実践案の提供を考慮していく。
【 主催・案内 】全国地理教育学会 巡検委員会 委員長:横山 満 副委員長:中牧 崇
【 日 程 】2018年9月30日(日) 少雨決行
【 時 程 】西武池袋線9:40東吾野駅集合、10:00〜 東吾野地域巡検(徒歩:約1時間半)⇒ 飯能駅へ池袋線で移動、13:00〜 飯能市街地巡検(徒歩:約3時間)⇒16:30飯能駅解散
【 観察・考察のポイント 】
@谷口の位置的条件と集落(都市)の成立・発展、A谷口を取り巻く地形的条件(山地・丘陵・台地・平地、扇状地・河岸段丘)、B産業・商業都市の成立とその変遷(西川林業・機業・物流拠点・市場町)、C市街地の形成と拡大(中心地域の変動・大都市近郊都市《住宅都市》・中心部の高層化)、D交通の整備と地域の変貌(古街道《秩父往還・大山街道》・水運《入間川・高麗川》・鉄道交通《入間馬車鉄道・武蔵野鉄道・西武鉄道・JR八高線》・道路交通《国道299号(バイパスを含む)・圏央道インターチェンジ》)、E飯能地域の水環境(河川・地下水・湧水・堰・用水・溜池)、Fエコツーリズム・エコツアーの展開と課題、G世界及び日本の森林資源の保護・日本の森林資源の自給率・西川材の活用・木育
【 巡検コース(徒歩−午前:約2.5km・午後:約6km】
東吾野駅 ⇒ 福徳寺・阿弥陀堂(高麗川・山地・林地・山間集落・西川材使用店舗)⇒ 東吾野駅 ⇒ 原木センター ⇒ 東吾野駅 ⇒ ≪西武池袋線≫ ⇒ 飯能駅(昼食)⇒ 仲町(旧材木商集中地域:佐野家・築地家等・材木置場跡地)⇒ 入間川河畔(飯能大橋・矢久橋・矢颪堰・田堀跡・矢颪凝灰岩層)⇒ 入間川渓谷 ⇒ 飯能河原 ⇒ 大河原地区(木材製材・加工会社)⇒ 岩根橋 ⇒ 天覧山下 ⇒ 河原町地区(旧筏宿)⇒ 飯能市立博物館 ⇒ 恵比寿神社 ⇒ 観音寺 ⇒ ≪飯能河原交差点≫ ⇒ 大通り商店街:伝統的建造物【畑屋(旧料亭・鰻屋)・畑屋横丁・八千代(料亭)・江州屋(荒川家店舗兼住宅)・店蔵絹甚(旧小池家・絹買継商)・大野屋(旧反物問屋)・こくや(細川家店舗兼住宅)】 ⇒ ≪広小路交差点≫ ⇒ 旧織物協同組合事務所棟(洋風建造物) ⇒ 銀座通り商店街(和洋建造物・看板建築・小売商店舗街・入間馬車鉄道駅跡地)⇒ 飯能駅
【 参加費 】1人500円(資料代) ※学生無料
【 参加申し込み 】
地理教育基礎巡検終了後、反省会を兼ねた懇親会を予定しています。参加を申し込まれる方は、2018年9月21日(金)までに、巡検委員会のメールアドレス(e-mail:junken@jageoedu.jp)に、(1)巡検のみ参加、(2)巡検・懇親会とも参加、を忘れずにご連絡ください。なお、地理教育基礎巡検に関するお問い合わせは、上記のメールアドレスをご利用ください。
【池袋駅から東吾野駅までの西武池袋線の利用】
・池袋駅8:20発(快速、飯能行き)⇒ 飯能駅9:16 着(飯能駅で乗り換え)
・池袋駅8:30発(特急「ちちぶ」7号、西武秩父行き)⇒ 飯能駅9:12着(飯能駅で乗り換え)
※特急利用の場合、特急券も必要です(乗車前にご購入ください)。
・飯能駅9:19発(各駅停車、西武秩父行き)⇒ 東吾野駅9:34着 ⇒⇒集合9:40
<参考、飯能駅での乗り換えなし>
・池袋駅8:05発(快速急行、三峰口・長瀞行き)⇒ 東吾野駅9:11着
※全国地理教育学会のホームページの「巡検案内」
http://www.jageoedu.jp/library1.htmlもあわせてご参照ください。