著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
高校の学級担任の仕事が全部わかる!
私立高校教諭栗田 正行
2019/3/5 掲載
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今回は栗田 正行先生に、新刊『高校教師の学級経営 最高のクラスをつくる仕事術』について伺いました。

栗田 正行くりた まさゆき

一度は憧れて教員になるも理想と現実とのギャップに耐えられず退職。飲食業を経て、塾講師へ転身。教室責任者として、授業スキルだけでなく、社会人としての考え方、効率的な働き方、子どもから大人まで対応できる幅広いコミュニケーションスキルを徹底的に学ぶ。その経験をもとに、今一度教職を選んで現在に至る。書籍や連載の執筆に加え、講演や校内研修の講師としても活躍中。実務に即し、再現性がある内容で参加者の満足度は高い。

―本書は高校の学級担任が行う様々な仕事の仕事術について、時系列にご紹介をいただいております。はじめに、高校教師にとって学級経営で一番意識すべきことは何か教えてください。

 私が学級経営で一番意識していることは、「生徒の自立」です。生徒たちは当たり前のように高校へ進学してきますが、高校は義務教育ではありません。
 ですから、私が高校1年生の学級担任になった場合、まず、生徒が自ら選んで高校に進学してきたことを認識させることから始め、最終的には卒業時に生徒一人ひとりが自分の進路を選んで巣立っていけるように接していきます。
 加えて、ホームルームや授業、学校行事や日頃の清掃等もすべて「生徒の自立」を意識して、長期的な視点をもち、生徒との時間を過ごすようにしています。

―本書を読むと、新学期、栗田先生がとても細やかに準備をされていると感じます。これから新学期に向けて、まず何から準備をしていけばよいか教えていただけますか。

 まずすべきことは、いきなり仕事に着手するのではなく、どんなことを取り組んでいくべきかを「考える」ことから始めます。もし、自分が初任者であれば、先輩の先生方が取り組んでいることを聞き、最初は模倣から始めると効率的です。
 クラス担任であればどのようなクラスにしていきたいのか。自分が担当する授業クラスをどのように学ばせていきたいのか。そのようなことを考え、それを自分がなすべきことに落とし込んでいくイメージですね。
 また、これは新学期に限らないこともしれませんが、新年度準備のように毎年行うことは、Todoリストをつくります。そうすることで、仕事の再現性を高め、先を見据えた仕事ができるようにしています。

―先生は、本書の中で学級通信についても書かれています。高校で学級通信というのは、とても珍しいと思うのですが、先生が学級通信を出していらっしゃる理由をあらためて教えてください。

 小学校や中学校に比べ、高校にもなると、生徒の学校の様子が保護者に伝わりづらくなります。自分自身のことを思い出してみても、思春期になり、親と話す機会が減ったという印象があります。
 もちろん、個人差はあると思いますが、保護者に対して、お子様の学校の様子や連絡事項、あるいは月間の予定等を定期的に伝えることで、担任と保護者の信頼関係の構築の一助となると私は考えています。
 これは卒業式でのエピソードですが、3年間担任をした生徒の保護者が挨拶に来た際、「先生、3年分の学級通信をコンプリートしました」と言われたときには正直心が震えました。月に1〜2回程度、A4裏表1枚で発行しているので、小中学校の先生方に比べたら頻度は少ないですが、濃い内容を届けられるように心がけています。

―高校の教員が、小中学校の教員と大きく異なる点に、進路指導(就職・専門学校・大学)があると思います。先生が進路指導で大切にされていることを教えてください。

 高校3年間で生徒は大きく変わります。入学時には初々しかった彼らが卒業するときの様子をみればすぐにわかります。
 進路指導方針は各学校でそれぞれだと思いますが、私が大切にしていることは「生徒自身が自ら決めた希望進路の実現に向けて全力でバックアップすること」です。
 大学進学を目標にしている生徒もいれば、専門学校ですぐに専門的な知識を身につけたい生徒もいるでしょう。生徒一人ひとりの夢や希望、あるいは目標に寄り添い、その実現のために何ができるのかをいっしょに考えます。
 大学選び一つとっても、偏差値の高い・低いや模試の合否判定結果だけで選ぶのではなく、本当にその生徒にとって充実した学生生活を送れる大学なのかを考えることは重要なことだと考えています。
 受験は、全員が第1志望に合格できるほど甘くはありません。失敗や挫折もあります。それらを共に乗り越え、笑って卒業してもらうことが私の進路指導のゴールです。

―最後に、高校教師として、学級経営の仕事術を身につけ、よりよいクラスづくりをしていこう!という読者の方にメッセージをお願いします。

 私自身、専任教諭になってからたった1年で教職を辞するという経験をしています。今、これを読んでいるあなたに比べたら、根性なしとも言えるでしょう。
 そんな私が他業種を経て、継続的に学びを深め、今一度、教職に就いてから培ってきたすべてをこの1冊に込めました。
 私はどこにでもいる一教師ですが、本書にはそんな私でもできることを載せています。熱心なあなたであれば必ず実践できることばかりです。
 ぜひ、その熱意を学校という現場で具現化するための一助として、拙著『高校教師の学級経営 最高のクラスをつくる仕事術』を役立てていただけると、著者としてこれ以上うれしいことはありません。

(構成:茅野)
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