- はじめに
- T章 指導要録改訂の意義と改訂の趣旨
- §1 指導要録改訂の意義
- §2 指導要録改訂の趣旨
- U章 今次指導要録改訂の特色とコンセプト
- §1 今次指導要録改訂の特色
- 1 今次改訂の経緯
- 2 学習評価の今後の方向性
- 3 学習評価改善の基本的な考え方
- §2 障害のある児童生徒に係る学習評価の在り方
- 1 特別支援教育の体制整備
- 2 新学習指導要領の改訂による主な改善事項
- 3 障害のある児童生徒の学習評価
- 4 特別支援学校に在籍する児童生徒への学習評価の工夫
- §3 指導要録の改訂
- 1 「学籍に関する記録」
- 2 「指導に関する記録」
- V章 新指導要録改訂事項の解説
- §1 学籍の記録(様式1)
- 1 様式の改訂について
- 2 情報通信技術の活用について
- 3 記入について
- §2 指導に関する記録(様式2)
- 1 各教科の学習の記録
- 2 外国語活動の記録
- 3 総合的な学習の時間の記録
- 4 特別活動の記録
- 5 行動の記録
- 6 自立活動の記録
- 7 総合所見及び指導上参考となる諸事項
- W章 指導要録記入のポイントと留意事項・配慮点
- §1 視覚障害特別支援学校(盲学校)
- 1 各教科の学習の記録
- 2 外国語活動の記録
- 3 総合的な学習の時間の記録
- 4 特別活動の記録
- 5 自立活動の記録
- 6 行動の記録
- 7 総合所見及び指導上参考となる諸事項
- §2 聴覚障害特別支援学校(聾学校)
- 1 各教科の学習の記録
- 2 外国語活動の記録
- 3 総合的な学習の時間の記録
- 4 特別活動の記録
- 5 行動の記録
- 6 自立活動の記録
- 7 総合所見及び指導上参考となる諸事項
- §3 知的障害特別支援学校
- 1 指導要録の適切な記入を行うための基礎・基本(全学部共通)
- 2 「指導に関する記録」の具体的記入の実際
- §4 肢体不自由特別支援学校
- 1 多様な児童生徒の実態に即した指導に関する記録の様式の工夫
- 2 各教科の学習の記録
- 3 外国語活動の記録
- 4 総合的な学習の時間の記録
- 5 特別活動の記録
- 6 行動の記録
- 7 自立活動の記録
- 8 総合所見及び指導上参考となる諸事項
- §5 病弱特別支援学校
- 1 各教科の学習の記録
- 2 外国語活動の記録
- 3 総合的な学習の時間の記録
- 4 特別活動の記録
- 5 行動の記録
- 6 自立活動の記録
- 7 総合所見及び指導上参考となる諸事項
- X章 指導要録取り扱い上の留意点
- §1 指導要録の作成等について
- 1 作成の時期
- 2 指導要録記入上の全般的な注意事項
- §2 指導要録の保存等について
- 1 指導要録の保存
- 2 抄本又は写しの保存
- 3 指導要録の保管
- §3 就職や資格取得などの際の証明
- §4 学籍に関する照会等
- §5 情報の開示
- §6 幼稚部幼児指導要録の取り扱いについて
- Y章 キーワード解説
- 1 学習評価
- 2 指導要録
- 3 学習評価の今後の方向性
- 4 学習評価における観点
- 5 観点別学習状況の評価
- 6 障害のある児童生徒に係る学習評価
- 7 個別の指導計画と評価
- 8 個人内評価
- 9 学習評価に係る学校における組織的な取組
- 10 保護者の理解
- 付 録
- 文部科学省「通知」全文
- 小学校及び特別支援学校小学部の指導要録に記載する事項等(別紙1)
- 中学校及び特別支援学校中学部の指導要録に記載する事項等(別紙2)
- 高等学校及び特別支援学校高等部の指導要録に記載する事項等(別紙3)
- 各学校における指導要録の保存,送付等に当たっての配慮事項(別紙4)
- 小学校児童指導要録(参考様式)
- 中学校生徒指導要録(参考様式)
- 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である児童・生徒に対する教育を行う特別支援学校指導要録 小学部・中学部・高等部(参考様式)
- 知的障害者である児童・生徒に対する教育を行う特別支援学校指導要録 小学部・中学部・高等部(参考様式)
はじめに
特別支援学校の初めての学習指導要領が,改訂・告示され,新しい教育課程に基づいた教育が展開されている。この中で,課題の一つに学習指導と学習評価とのより一層の一体化が求められている。
中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会は,平成22年3月,「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」を公表した。
この報告では,「学習指導要領において示された基礎的・基本的な知識・技能,それらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等及び主体的に学習に取り組む態度の育成が確実に図られるよう,学習評価を通して,学習指導の在り方を見直すことや個に応じた指導の充実を図ること,学校における教育活動を組織として改善すること等が重要」と提言している。また,「保護者や児童生徒に対して,学習評価に関する仕組み等について事前に説明したり,評価結果の説明を充実したりするなどして学習評価に関する情報をより積極的に提供することも重要」と提言している。
上記の報告を受けて,文部科学省は,平成22年5月,「小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」を都道府県教育委員会等宛に出した。
この通知の中で,「指導要録は,児童生徒の学籍並びに指導の過程及び結果の要約を記録し,その後の指導及び外部に対する証明等に役立たせるための原簿となるものであり,各学校で学習評価を計画的に進めていく上で重要な表簿です。」と指導要録の公簿としての位置づけを明確に示している。
そして,特別支援学校における学習評価の基本的な考え方を次のように示している。
「障害のある児童生徒に係る学習評価の考え方は,障害のない児童生徒に対する学習評価の考え方と基本的に変わるものではないが,児童生徒の障害の状態等を十分理解しつつ,様々な方法を用いて,一人一人の学習状況を一層丁寧に把握することが必要であること。
また,特別支援学校については,新しい学習指導要領により個別の指導計画の作成が義務付けられたことを踏まえ,当該計画に基づいて行われた学習の状況や学習の結果の評価を行うことが必要であること。」
本書は,上記の報告,通知の内容を十分に研究,検討し,特別支援学校小学部,中学部,高等部において指導要録を適正に記入し,法令に基づいて取り扱うことに役立つように,次のような構成とした。
T章 指導要録改訂の意義と改訂の趣旨
U章 今次指導要録改訂の特色とコンセプト
V章 新指導要録改訂事項の解説
W章 指導要録記入のポイントと留意事項・配慮点
X章 指導要録取り扱い上の留意点
Y章 キーワード解説
本書が,特別支援学校において,教科等の評価,指導要録の記入,取扱い等の参考になることを願っている。
ご多用の中,ご執筆を快諾してくださった方々に心から感謝申し上げるとともに,企画,編集等でたいへんお世話になった明治図書出版教育書編集部安藤征宏氏,飯島トミ氏に謝意を表する次第である。
平成22年12月 編者 /大南 英明
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- 明治図書