メタボ肥満をつくらない “日本の伝統食”を授業する

メタボ肥満をつくらない “日本の伝統食”を授業する

現在の食が抱える問題を、伝統食=和食を取り戻すことで解決!

食の授業の目標を「日本型食生活の復活」とし、和食のすばらしさ、日本の食生活のよさを子どもたちに授業を通して実感してほしい。食生活の変遷を知ることにより、食の欧米化・食料自給率の低下・孤食の増加等々現在の食生活の問題点を解明し、それを改善する力を養う。


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ISBN:
978-4-18-925117-0
ジャンル:
総合的な学習
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 164頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2019年9月20日
新学習指導要領解説書籍
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目次

もくじの詳細表示

まえがき
第1章 「和食」に関する子どもたちの意識
[1] 子どもたちがもっている「和食」のイメージ
[2] 子どもたちは「和食」を広い視点からとらえている
[3] 子どもたちが調べてみたいと思ったテーマ
第2章 郷土料理(すし)作りで和食のよさを実感
[1] 「調理する」という活動を入れることで成果が格段に上がる
(1) 地域の人の力を借りる
(2) 家庭科の授業にプラスして
[2] 日本の食文化は米を中心に展開されてきたのだが
(1) 郷土料理を分類する
(2) 郷土料理の代表として「おしずし」を作る
[3] 6年家庭科の授業にプラスして取り組む
(1) 指導計画
(2) 地域の産物と郷土料理を調べる
(3) すしの作り方について授業する
[4] 郷土料理(おしずし)作り
(1) 外部の方に協力していただくとき、事前の打ち合わせで必要なこと
(2) まず、手本を見せてもらう
(3) 自分たちで調理してみる
(4) 一緒に食べ、片付けも一緒にする
[5] 米のよさを子どもたちに伝えていくために
第3章 日本の「だしの文化」を伝える
[1] 子どもたちの味覚は変わってきている
(1) どの「だし」がおいしいか試飲させてみた
(2) 予想されていたことだけど
(3) 基本味を教える
[2] 「うま味」を子どもたちに絶対教えていくべきだ
(1) 例えば、理科の人体の学習を発展させて
(2) 家庭科のみそ汁、ご飯作りのときに
(3) 「おいしさ」とは何か
[3] 5つの基本味とそれを感じる仕組み
(1) 味を感じる仕組みを知る
(2) 5つの基本味
(3) 基本味を感じる仕組み
[4] 味覚には生まれながら身につけているものと獲得していくものがある
(1) 生まれながら好む味と避ける味
(2) 動物の味覚
(3) 食生活の変化
(4) 「だし」の文化が失われる心配がある
[5] だしをとってみる
[6] フランスの味覚教育
第4章 和食に不可欠な調味料
[1] 和食と調味料
(1) 和食を支える5つの調味料
(2) しょう油をもとに、日本の食文化のすばらしさを子どもたちに伝える
[2] 日本人の食生活になくてはならないしょう油
(1) しょう油は何から作られる
(2) 微生物の働きで、しょう油は作られる
(3) こうじカビのはたらき
(4) もろみをしぼりとり、熱を加えて殺菌してできあがり
(5) しょう油の歴史
(6) しょう油のおいしさの秘密
(7) 世界に広がるしょう油
第5章 世界に誇る日本の箸の文化
[1] 「日本人は器用だ」といわれる大きな原因は、箸を使い続けてきたことにある
(1) 箸を正しく使えない子が実に多い
(2) 日本が育ててきた「手の文化」
(3) 日本人と欧米人の食具の違い
(4) 箸を正しく使えない子が増えている危機感
[2] 「箸の文化」をこう授業する
(1) 世界の人は何で食事をしている?
(2) 狩猟・牧畜民族と農耕民族
(3) ナイフ・フォーク・スプーンの機能と箸の機能
(4) 箸で物を「つかむ」ときの指の動き
(5) 日本の箸と中国・韓国の箸
(6) 西洋人は日本人のことをこう思ってきた
(7) 日本人の器用さに驚いた外国人は多い
第6章 「食卓」の変遷と「家族」の関係を考える
[1] 子どもの実態を把握する
(1) アンケートではなく、イラストで食事のときの様子を把握せよ
(2) 「家族」とは何か
[2] 食卓の変遷の授業
(1) 「箱膳」を使って食事をしていたころ
(2) 現在の食卓の様子は
(3) ちゃぶ台
(4) 食事をするときに、心がけたいこと
[3] 給食のときに、こういった体験を
(1) 「箱膳」や「ちゃぶ台」で給食を食べる
(2) 学校給食法の目標に「明るい社交性を養うこと」とある
(3) 給食の時間も貴重な話し合いの場である
(4) 食べながら話し合いをする
[4] 孤食で育った子は成人後、どうなったか
(1) NHKの調査で取り上げられた子は
(2) 家庭の状況に応じた指導を
(3) 孤食をカバーする取り組みを
第7章 和食につきもののマナー
[1] 「マナー」は広いものである
(1) 食事のマナーとは
(2) マナーを教える
(3) マナーは最近、どうなっているか
(4) 日本人として、マナーを引き継いでいく
[2] 授業の前に実態調査を
[3] 授業の流れ
(1) 子どもたちがかいた絵を見せることから授業に入る
(2) 食事のマナーは国や地域によって異なる
(3) マナーのゆくえ
[4] マナーの三層構造
第8章 アメリカの小麦戦略で和食が変わった
[1] 和食離れが進んでいったきっかけは
(1) アメリカの小麦戦略にいまだに縛られている「日本」
(2) 小麦の輸入が、日本の食生活を狂わせた
(3) 日本人の食性に基づき、食生活の改善を考える必要がある
[2] 1次の授業 現在の食の問題を調べる
[3] 2次の授業 戦後のアメリカの小麦戦略と日本人の食生活の変容
(1) 戦前と戦後の給食を比較させる
(2) 戦後間もないころ、日本人がいちばん欲しかったものは
(3) 米離れがどんどん進んでいく
(4) ご飯に合うおかず、パンに合うおかず
[4] 3次の授業 和食のすばらしさを探る
第9章 和食に関係するさまざまな活動や授業
[1] 和食を支える米作りに挑戦
(1) 米作りに挑戦
(2) お米に関して行った活動
[2] 「納豆」で国際交流活動
(1) 「納豆」の秘密を調べる
(2) 「納豆」に関してこういった活動ができる
(3) 子どもたちが「納豆」について調べたもの
[3] お茶をよく飲む子はなぜ、頭がいいのか?
(1) お茶のよさを授業で取り上げる
(2) ずっと飲み続けられてきたお茶
(3) お茶とジュースの成分を比較する
[4] 和食につきものの食塩
(1) 日本人は塩をたくさん摂取してきた
(2) 自然塩から精製塩に、そしてまた自然塩に
(3) 自然塩と精製塩の違いを授業する
(4) 塩の授業をみそ汁作りにつなげる
[5] アレルギーを防ぐために、食生活において留意すべきこと
(1) アレルギー予防の面から植物油の摂り過ぎを考える
(2) 脂肪を考える
(3) 風土にあった和食を
[6] 低学年の子に噛むことのよさを、体験や演示実験を通して気づかせる
(1) まず、簡単な共通体験をさせる
(2) 噛むことの効用に演示実験で気づかせる
[7] 歴史が語る食生活と寿命
(1) 民俗の興亡と食生活
(2) もし、この人物がもう少し長生きしていたら
[8] 食材の安全性に目を向ける
(1) どちらのうなぎを買いますか
(2) 食品表示を見る
(3) 消費者が、適切なものを選択し、購入する「目」をもたないといけない
(4) 身近なクイズで考えさせる
(5) 持ってきた表示を調べてみる
[9] 食と行事は深いつながりがある

まえがき

 食育基本法が出され、食育がかなり注目されるようになってきた。

 そして、現在、多くの子どもたちの食生活が大変な状況にあることも明らかになってきた。少しずつであるが、それを何とかしようとするために、食の授業がよく行われるようになってきた。

 いいことである。

 しかし、その多くは1時間か2時間程度で終わるような単発的な授業である。中には、調理したり、食べたりするだけで終わってしまうような授業もある。

 しないよりはましというくらいで、子どもたちの食生活の現状に対応していない。何か枝葉末節だけをみているような感じで、究極の目的とするところがみえてこない。

 「この授業や活動を通して、子どもたちのどういった実態に目をあて、それをどう改善しようとしているのか。」

 こういったことがはっきりみえてくるような授業を心がけないといけない。


 私は現在の食の授業の大きな目標を、次のことと考えている。


  日本型食生活の復活


 かつて、和食(日本食)は、栄養面だけでなく、成長面からしても理想的な食事であった。

 こういった和食をずっと取り続けてきた人たちが現在の高齢者である。

 ところが、このすばらしい和食は、戦争をきっかけに徐々に変わっていった。

 それは戦後の政治のあり方やアメリカに代表される外国の戦略、食の欧米化、社会の変化などにより崩れていった。

 現在の食が抱える問題の多くの原因は、ほとんどここにある。

・食生活の欧米化と生活習慣病の増加

・食料自給率の低下や食の安全性の問題

・廃れつつある日本の食文化

・孤食の増加

 こういったことを知らずに、あるいは、知っていてもほとんど無視して美食飽食に明け暮れているのが、現在の日本人である。子どもとて例外ではない。

 皮肉にも、和食は外国で大人気である。健康にいいというのが大きな理由である。

 もちろん、個々の食の問題事象を授業することも必要である。

 しかし、まず、こういった大きな食生活の変遷を十分に知り、それをもとに日本の風土にあった食生活、食文化のよさを理解させていくことが大切である。

 崩れつつある日本型食生活。それを取り戻すために、いろいろな視点から子どもたちに働きかけていかねばならない。


 こういった授業をするためには、ある程度の授業時間が必要である。

 各章で取り上げた授業、実践は単独ですることも可能である。

 しかし、カリキュラムや授業時数の関係もあり、なかなか難しい面がある。

 そこで、各教科や学級活動、総合的な学習の時間などの関連単元の学習を少し発展させて行っていけるようにもしている。

 各章で取り上げている授業、実践をぜひ、多くの子どもたちに授業していただきたいと思う。

 その中から、多くの子どもの大切な気づきがあるだろう。それをきっかけに、日本の食のすばらしさを知る子も出てくるに違いない。


 和食のすばらしさ、日本の食文化のすばらしさを多くの子どもに実感してほしい。そして、現在の自分たちの食生活の問題点を見抜き、それを改善しようとしてほしい。


 学習したことの成果はすぐには出てこないと思う。しかし、いつか将来、自炊したり、家庭をもったりしたときなどにひょいと思い出すこともあるだろう。私はそれでいいと思っている。


 本書をまとめるにあたり、TOSS代表の向山洋一氏はじめ、全国のTOSSのメンバー、TOSS食のネットワークの先生方、TOSS愛媛やTOSS新居浜などのサークルの先生方にいろいろとご指導いただいた。

 また、明治図書の樋口雅子編集長には、何度も励ましの言葉をいただいた。

 心からお礼を申し上げたい。


  2008年4月   /戸井 和彦

著者紹介

戸井 和彦(とい かずひこ)著書を検索»

1957年 愛媛県生まれ

愛媛県内公立小学校教諭を経て,現在,愛媛県新居浜市立神郷小学校教諭

TOSS食のネットワーク代表

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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