新訂 教育技術入門

新訂 教育技術入門

ロングセラー

戦後、日本の長い教育の歴史で蓄積されてきた「教育技術・方法」が捨てられた。「戦犯」にされ戦後の教師教育は「一般教養」を軸に作られた。その結果、「教育技術・方法」は敵視され「自分で考えて教育すること」がすすめられ、我流が広がった。本書は再建の書。


紙版価格: 920円+税

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電子書籍版: なし

ISBN:
978-4-18-917319-9
ジャンル:
教師力・仕事術
刊行:
対象:
小・中
仕様:
新書判 216頁
状態:
在庫あり
出荷:
2019年8月20日
新学習指導要領解説書籍
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目次

もくじの詳細表示

まえがき
(文庫版の)まえがき
T 技術は現場の学問
一 教育技術は教育科学より昔から存在した
二 教育技術とは何か
三 「技術」の定義
四 教育方法とは何か
U 教育技術は現場から生み出される
一 技術は現場から生まれる
二 技術は願望の具体的表現
三 教育技術を生み出す方法がある
V 技術を使いこなす力
一 技術を身につけるには訓練が必要である
二 アマはプロにかなわない
三 認識することと体験することはちがう
W 教育技術の特質
一 教育技術はさまざまある
二 教育技術は永久に発展する途上に存在する
三 教育技術は教師の主体性で選択する
四 教育技術は実証できなければならない
X 本当の「教育技術」研究は、法則化運動と共に始まった
一 法則化誕生の時の理論
二 法則化論文の創造
三 「向山式跳び箱指導」がつきつけた問題提起
四 教師の努力が浪費される研究方法を越えて
五 教育技術のデータベースの創造
Y 教師ならまず身につけるべき五つの教育技術
一 跳び箱を全員跳ばせる
二 一時に一事の原則
三 子どもを動かす法則
四 全国の教師を驚かせた酒井式描画法
五 五色百人一首―細分化の原則
Z プロ教師への道
一 アマ教師からプロ教師へ
二 黒帯六条件
(文庫版の)あとがき
なぜか、TOSSだけが残った(新書版のあとがき)

まえがき

 教師人生を通じての、私の信念は次のことだった。


  どんな子どもも 大切にされなければならない。

  どんな子どもも 可能性を持っている。

  一人の例外もなく。


 これを貫くには、教師の信念と教師の技能が良質でなければならない。

 どこのクラスにもいる勉強のできない子。算数を教えても教えても分からない子。

 その子の力を伸ばすには、頑固な教師の信念がなければならない。

 算数テストで、五点、十五点などをとる子でも、可能性があるという信念である。

 しかし、これまでの日本で、このような子が、九十点、満点をとれるようになったという実践報告は一つもなかった。

 そのような子は、五年生、六年生になっても、中学生になっても、算数のテストは同じような状況だった。

 かつて、新卒時代の私の実践でも同じであった。

 しかし、私は、この子たちもできるはずだという固い信念はあった。

 少しずつ工夫と研究を重ねていった。多くの子は、できるようになっていった。

 その指導法の要点は、「ステップを細分化すること」と「細分化したステップをリズムよくテンポよくのぼらせること」であった。「ゆっくりやる」「時間をかける」という誰でも思いつく方法は、実は、ほとんど効果はなかった。

 事実、このような方法で、「算数のできない子をできるようにさせた実践報告」は皆無に近い。

 もう一つ大切なのは「細分化したステップが、脳の思考方法とマッチしている」ことだった。

 五十歳をすぎて、私は算数のTTとして四年生の四学級を教えることになった。教えた子は約五百六十名。一年間教えた後に授業の作文を書かせた。どの子も原稿用紙二枚、三枚と書いていた。その子たちの九十九パーセント以上が、算数が好き(になった)と書いてあった。

 五点、十点をとっていた子の、ほとんどが満点をとるようになっていた。この指導法を公開した。向山型算数指導法という。

 反響は大きく、明治図書から、月刊誌「向山型算数教え方教室」まで発刊された。

 驚くべきことがおこった。

 算数クラス平均九十点以上というクラスが、全国で続出したのだ。

 五点、十点の子が満点をとったというドラマも全国で何十、何百と報告された。しかも、すべて授業時間だけで達成された。のこ勉や、特別勉強や宿題はなしである。授業時間も延長してない。

 これを可能としたのは、次の条件である。

 (1) すぐれた教材と教具(赤ねこ計算スキルの誕生は大きい。)

 (2) きちんとした一時間の授業展開

 (3) 授業展開を可能にする技能

 この中で、技能を身につけるのが一番むずかしい。

 実技の演習が必要だからだ。

 サッカー、踊り、書道の技能が上達するのに、テレビで見ているだけでは上達しない。

 必ず自分が練習してみて、上級者に指導してもらわねばならない。

 上級者とは、教えるとき、「代わりにやってみせる人」をいう。

 口先だけの人では駄目だ。口先だけの人は、しばしば間違いを教えてくれる。害の方が大きい人も多い。

 この上級者が、教師の中にほとんどいないことが問題だ。

 まあ、研究授業、公開授業を千回以上やったことがある人というのが分かりやすいだろう。

 上級者に教えられれば、必ず技能は上達する。

 そして、上達する方法は、それしかない。

 我流では、いかなる道でもそうだが、有段者にはなれない。

 本書は、「技能」を身につける前に、これくらいの「技術」「方法」について学んでほしいということが書いてある。

 かつて、「技能」について「いずれ」と述べたが、二十一世紀になって「TOSS技量検定」として誕生した。数千名の教師が挑戦している。本書を読んで、更に上に挑戦したい人は、ぜひ、TOSS技量検定を体験してほしいと思う。


  二〇〇九年八月十日   /向山 洋一

著者紹介

向山 洋一(むこうやま よういち)著書を検索»

1943年東京生まれ。1968年東京学芸大学社会科卒。2000年3月東京都大田区立多摩川小学校退職。「教育技術法則化運動」(略称TOSS)の代表を務める(運動サークル650、会員数10000名)。観光立国教育を観光庁の支援のもとに推進して、全国1810自治体の観光テキストを作り上げた。

日本最大の教育情報サイト「TOSSランド」主宰、日本教育技術学会会長、日本言語技術教育学会副会長、上海師範大学客員教授。月刊「教室ツーウェイ」(明治図書)編集長。月刊「教育トークライン」(東京教育技術研究所)編集代表。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 教育技術という言葉を、定義も考えずに使っていたが、改めて考えさせられ納得できた。そして技術は知っているだけでは駄目であって、使いこなす力を身につけなければならないと感じさせられた。技術を使いこなす力をつけるための、具体的な修行法も紹介させれていて、読むだけで教師修行のモチベーションが高まる一冊である。
      2009/12/31まさお
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