- まえがき
- 運動会
- 1 いままでの運動会はここがだめ
- 2 マンネリを破ったプログラムの工夫
- 3 児童が望む運動会―アンケート
- 4 運動会の装飾アイデア1
- 5 運動会の装飾アイデア2
- 6 効率を考えた運動会の練習日程
- 7 地域の特色を十分取り入れた運動会
- 8 見やすい会場設計
- 9 児童が選んだ運動会ベスト・テン
- 10 全校演技で人気のある種目
- 11 児童の活動範囲を広げよう
- 12 魅力のある応援の仕方
- 13 おもしろいポスターのつくり方
- 14 児童のアイデアを取り入れた開閉会式
- 15 昼食も太陽の下で
- 16 PTA競技もアイデア次第
- 17 見て楽しい、やって面白い職員種目
- 18 郷土色を生かした演技
- 19 演出を考えた得点発表
- 20 小・中合同の運動会
- 水泳記録会
- 21 児童の発想を生かした水泳記録会
- 22 変化のあるプログラム
- 23 もらってうれしい記録証
- 24 泳ぐ意欲を育てる水泳検定(一・二年)
- 25 楽しい水泳記録会(T校の事例)
- あとがき
まえがき
学校行事は、学校生活を楽しくするオアシスである。ともすれば退屈平凡になりがちな日常の教科指導の中で生気を与えるものである。また、地域と学校とが結び合う場面でもある。
しかしながら、「行事に追われている」という教師の声をあちらこちらで聞く。行事が量的に多すぎて、年間を通しての生活のリズムや落ち着いた学習ができないというのである。
学校行事の精選とか再吟味という掛け声は、十年も二十年も前から叫ばれていながらも、なかなか思うようにならない。それどころか昭和五十二年の教育課程の改善で、「ゆとりの時間」の活用ということから、新しい行事的活動が増加してきた現象も見逃すことはできない。
そうした中で、つきに1回の学校週5日制の導入ということから、学校行事を量的に検討する必要が新たに出てきた。その結果、学校行事の精選ということで、多くの学校では行事の削減をしたが、はたしてそれでいいのだろうか。この機会に、いままで実施してきた学校行事のねらい・内容・方法などについて行事の本質に戻って、見直しを図り、新しい意味をこめて再編を行う必要があると思う。
やりかたによっては、教科の時数をカットしたり、行事の数を減らさなくても、価値の高い活動ができるはずである。限られた時間に追われながらの教師中心の「やらせ活動」ではなく、児童のための、児童にとって何よりも魅力ある行事に変えていくことが大切である。
行事についての問題の多くは、意義やねらいではなく、進め方や運営にある。どうしたら児童が積極的に参加するかということに視点をあて、遊びの心をもった学校行事を創造したいものである。
本書は、それぞれの行事の特質を押さえ、短時間に準備・練習ができしかも非常に効果的な活動を実践している先生方の協力を得て、見てわかる、読んで納得する実践の知恵を収録した。学校行事の精選はもとより、新しい行事の創造に役立つものと確信している。
おわりに、本書の刊行に際して安藤征宏氏をはじめ編集部の方々には多大の労をわずらわせたことを記し、ご厚意に深く感謝の意を表す次第である。
平成六年九月 編者
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- 明治図書