TOSS道徳「心の教育」27
TOSS道徳発「命の授業」を創る

TOSS道徳「心の教育」27TOSS道徳発「命の授業」を創る

好評3刷

命の尊さ、すばらしさを実感させる授業例を豊富に収録。

TOSS道徳発の「命の授業」はあらゆる角度から命の尊さを教える。@命の尊さを実感させる道徳授業、A最先端課題から命の授業を創る、B生命の誕生から命の素晴らしさを教える、C病気や障害と闘った人たちの生き方を実感させるなど事例を豊富に収録した。


紙版価格: 2,300円+税

送料・代引手数料無料

翌日発送

電子書籍版: 未販売

電子化リクエスト受付中

電子書籍化リクエスト

ボタンを押すと電子化リクエストが送信できます。リクエストは弊社での電子化検討及び著者交渉の際に活用させていただきます。

ISBN:
978-4-18-809718-2
ジャンル:
道徳
刊行:
3刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 200頁
状態:
在庫あり
出荷:
2019年6月25日
テキスト採用品見本お申込みはこちらから

もくじ

もくじの詳細表示

まえがき
はじめに
T あらゆる角度から命の尊さを教える
一 あらゆる角度から命の尊さを教える
1 たかしくんの授業
2 命の授業
3 あらゆる角度からの命の授業
U TOSS道徳推奨! 命の尊さを実感させる道徳授業
一 「良ちゃん」 ──甲本卓司氏の追試──
二 星野富弘氏の生き方に学ぼう
1 授業展開
三 『電池が切れるまで』を使って、「生き続けること」の意味を考える
四 生きてます、一五歳
V 最先端課題から命の授業を創る
一 卒業を前に ──遺伝子の授業
1 なぜ「遺伝子」を扱ったか
2 全一時間の授業、発問と反応
3 今ならばこうする
二 脳科学から命を考える授業
1 心の傷ではなく、脳の傷
2 「心の傷」の授業
三 脳死から命の重みを考える道徳授業
1 生きていること
2 死ぬということ
3 脳死とは
4 脳死は人の死か
5 家族の延命治療
四 IPS細胞が臓器移植をかえる(拒絶反応のない移植)
1 準備物
2 授業の実際
五 「臍帯血」医療廃棄物が救世主になる奇跡
1 奇跡の血液「臍帯血」
2 二度の誕生日(授業の実際)
W 生命の誕生から命の素晴らしさを教える道徳授業
一 生命の誕生と歴史をセットで教える
1 生命は三五億年のつながり
2 授業の実際
二 「母」も「赤ちゃん」も命がけで生まれてくる
1 実 践
三 「百十人のほほえみ」を描き続ける河合正嗣さん
1 産まれたときのエピソード
2 絵を描き始めるきっかけは姉のプレゼント
3 百十人の笑顔が意味するもの
四 親になったときのエピソードで作る道徳授業
1 赤ちゃんが生まれるまでの出来事を語ることによって命の尊さに気付かせる
2 育児中の出来事を語ることによって命は自分だけのものではないことに気付かせる
五 命の重さ ──親も子も泣いた授業参観・命は自分だけのものではない──
1 親も子も泣いた授業参観
2 命は誰のものか問う
3 子を思う親の気持ち──父の日記から──
X 病気や障害と闘った人たちの生き方から命の大切さを実感させる
一 腎臓ガン・余命二年と宣告されながらメッセンジャーとして再生 ──杉浦貴之氏──
1 授業について
2 感 想
二 夢を持つすばらしさ
三 障害を乗り越えてつかんだもの ──ボブ・ウィーランドさんの生き方から学ぶ──
1 授業実践
2 両足のないボブ・ウィーランドさんの写真を提示する
3 地図で距離の説明
4 ビデオの視聴(テレビ番組「知ってるつもり」)
5 子どもの感想
四 彩ちゃんの贈り物
1 自分ががんばっていること
2 白血病との闘い
3 不安を打ち消したもの
4 彩ちゃんが残したもの
五 強く、明るく、一日一日を大切に生きたみぽりんに学ぶ
1 絵手紙から
2 みぽりんの生い立ち
3 脳腫瘍に
4 絵手紙を描き始める
六 脳梗塞という絶望の中から立ち上がった医師多田富雄氏の生き方に学ぶ
1 苦しみと絶望のどん底
2 多田さんを支えたもの
3 希望を持って生きる
七 障害と闘った人たちは、すぐそばにいる
1 遠い世界の話ではない
2 実際の言葉には重みがある
3 出会うことから伝わる生き方
八 プロゴルファー「中溝裕子氏」の生き方から学ぶ命の大切さ
1 宣 告
2 決 意
Y 「命の授業」最高峰! 「たかしくんの授業」
一 生きているだけで人の役に立つ
1 自分ができる人の役に立つこと
2 人の役に立つことをしている学級
3 岡田たかしくん
4 たかしくんがやった人の役に立つこと
5 たかしくんはどんな人の役に立つことをしたのか
二 たかしくんの授業解説
1 授業「緊張と楽しさ」
2 子どもを巻き込む
3 発表させる技術
4 詰めすぎない
5 授業前の音響チェック
三 たかしくんの授業 追試報告
1 力のある資料「たかしくんのビデオ」の存在
2 わかりやすいキーワード「人の役に立つ」で貫く
3 ほんの少しの「ずらし」で組み立てる
4 教えたい内容が明確である
四 宇部市立川上小五年飛び込み授業「たかしくん」テープ起こし
1 自分にできる人の役に立つこと
2 今日の主人公 岡田たかしくん
3 岡田くんの気持ち
4 岡田くんができる人の役に立つこと
5 たかしくんの死
6 卒業式
7 自殺の新聞記事
8 授業の感想
あとがき

まえがき

  一 理不尽な行為に気持ち悪さを感じる


  弱いものいじめをしない


 集団生活で、子どもに教えるべき規範は、これに尽きる。

 「規範」とは、行動や判断の基準・手本である。

 規範は、身体化しなければ機能しない。身体化とは、脳に回路ができることである。脳の回路は、一度や二度見聞きしただけではできない。

 さまざまな場面で繰り返し繰り返し教えられ、やらされてようやくできる。

 人間は、脳にできた回路をもとに判断・行動を決定する。

 それは考えるというレベルではない。

 感じるというレベルである。

 例えば、「はきものをそろえる」という規範がある。

 私は、幼少期、母親から、繰り返し繰り返し教えられてきた。

 外出から家に帰ったとき、玄関で言われた。

 「玄関は、家の顔なのよ。お客さんは、玄関を見て、どんな家かわかるのよ」

 そして、自分の脱いだ履物をそろえさせられた。そのときに、そろえ方も教えてもらいその通りにやらされた。

 これが毎日毎日繰り返される(幼児期のことをこれだけ明確に覚えているのだから相当させられたのだろう)。

 やがて、自分からするようになった。この時点で方法記憶になっている(方法記憶とは、考えなくても体が自然に動いてしまうことである。例えば、服のボタンをとめるとか、自転車に乗るとか。習慣化ともいえる)。

 習慣化し、自分でやっていると、「すごいね、きちんと靴をそろえたね」と褒められる。

 賞賛は、行動の最大の原動力である。

 褒められれば嬉しい。

 だから、またやる。

 やっていると、お客さんに褒められる。

 また嬉しくなる。

 これを繰り返すうちに、そろっていない靴に違和感を覚え始めた。

 「はきものがそろっていないと気持ち悪い」と感じるようになったのだ。

 違和感は、よその家でも感じる。

 友達の家に遊びに行ったとき、自分の履物をそろえる。ついでに友達の履物もそろえる。

 それを見た大人からまた褒められる。

 自分は、これっぽっちもいいことをしたつもりはない。

 「こんな当たり前のことをやって褒められるんだ」と思ってしまうが嬉しい。

 このように、「履物をそろえる」という回路は強化され身体化した。


  そうなっていないと気持ち悪い


 状態にまでなるのが「規範意識」というのではないだろうか。

 理屈で云々ではなく、目の前の状況に強い違和感を感じる。これが、規範が意識化した状態なのだと思っている。

 「弱いものいじめをしない」という規範がある。

 いじめをする子は、自分より立場が弱いものをいじめることに、違和感を感じないのであろう。自分のやっていることへの気持ち悪さ居心地の悪さを感じないのであろう。

 例えば、次のようないじめ。


  教室に入っても誰も雄二君に話しかけないし、見ようともしない。一日中それが続く。授業でグループごとの作業になると、雄二君と同じグループになった子達は「なんでこいつがいるんだよ」と言い、雄二君には何もやらせない。 (山脇由貴子著『教室の悪魔 見えない「いじめ」を解決するために』ポプラ社より)


 いじめには、必ずボスがいる。

 ボスは、弱いものをいじめるのが楽しくてしかたない。自分の企てで困っている被害者を見てよろこんでいる。

 「弱いものいじめをしない」という規範が麻痺している。

 小さいころに、親や周りの大人から「弱いものいじめをしてはいけない」ということを、繰り返し繰り返し教えられてこなかったのだろうと推測する。

 周りの子もそうだ。ボスの企てで困り憔悴しきっている被害者を見て何もできない。また、「無視」といういじめに加担する。

 「味方をすれば自分がやられる」という恐怖もあるだろう。それでもなお、このような不正が我慢できないという状態にはなっていない。

 これも、教えてこられなかったのだろう。

 私は、小学生のときにいじめにあっている。

 「無視」である。

 ある日、突然無視がはじまった。

 心当たりは、全くなかった。

 しかし、誰も口を利いてくれなくなった。登校から下校するまで、誰とも話をしない状態が一カ月続いたのである。

 口を開くのは、授業中の発表(指名されたとき)と給食のときだけである。

 あとは、ずっと一人で過ごした。

 下校も当然一人である。数十メートル先には、ボスが、一カ月前までの私の友達と楽しそうにおしゃべりしながら帰っている。

 下校時、私も口を開いた。学校から家までの歩数をぶつぶつ数えた。

 それ以外に口を開く必然性がなかった。友達と話をしたかった。そのときの思いが今でも強く残っている。

 学級の子どもがこのような状態になっているのに、担任は、全く何もしてくれなかった。

 一カ月も一人ぼっちにされているのだから、学級で異質な空気が流れていたはずである。

 にもかかわらず、担任は全く何もしなかった。ボスの手口がよほど巧妙だったのだろう。担任は、気づいていなかったのだ。

 だから、向山洋一氏の「いじめ発見システム」の重要性が実感を伴ってわかる。

 担任は、その後、出世して校長になった。しかし、私は、担任を許せない。学級のたった一人の子の苦しみがわからない教師を私は認めない。

 無視がはじまって一カ月たったころ、以前の友達が打ち明けてくれた。

 「ごめんね。ぼくもこんなことしたくない。でも、『やらないとこんどはおまえだぞ』って言われたから」

 たったこれだけだったが、とても嬉しかった。久しぶりに友達と話ができることへの喜びがあふれた。

 「なんで、おれ、無視されるの?」

 その子に聞いた。

 「おもしろいからって」

 聞いた瞬間に怒りがこみ上げてきた。

 すぐに、ボスのところに行き、殴りかかった。

 ボスは、一瞬あっけにとられた。

 もともと喧嘩が強くてその位置にいたわけではなかった。

 終始こちらが優勢であった。

 喧嘩が終わり、状況は一転した。

 さっきまでのクラスのボスは、最も弱い立場に転落した。

 これも、小さいときに教えられたことだ。

 「悪いことを許してはいけない」「立ち向かえ」と小さいときに刷り込まれてきた。

 だから、このときも小さいとき教えられたことに後押しされての行動だった。いま思えば、手段に問題はあるが。

 もちろん、そんなことは意識していない。

 このように、


  無意識に体が動く


 状態こそ規範が意識化されたといえる。


  二 善悪の判断を教えられる

 またまた幼少期の話である。

 テレビ番組で、兄弟で仲良くお菓子六個を分けあう場面があった。

 「あんたならどうする?」

 と母親に問いかけられた。

 私は、迷わず「弟に三個あげる」と答えた。自信があった。褒められると思っていた。

 しかし、母親は黙っていた。

 少し考えて、「弟に四つあげる」と答えた。すると、褒められた。そして、言われた。

 「どうしたら相手がよろこぶかを考えなくちゃね」

 このようなシミュレーションを小さいころにやらされた記憶がある。

 善悪の判断である。

 また、「ものを粗末にすると目がつぶれる」「そんなことをしたらバチがあたる」「人をいじめたら自分にかえってくる」など科学的には実証しようのないことで善悪の判断基準を教えられてきた。

 でも、それらの積み重ねが、現在の行動の支えになっている。

 このような善悪の判断を小さいころから教え、刷り込まれることにより、規範は意識化する。

 それを担当するのが家庭であり地域であった。

 現在の社会にその機能はなくなった。

 しかし、教えなければならない。

 その役目を学校が担当する。

 授業という形で子どもたちに教え、受け継いでいかなければならない。

 もちろん、教育の場では「確定された真実」を教えなくてはならない。「確定された」とは、「それぞれの学会で認められた」ということである。

 TOSS道徳シリーズ第四期全一〇巻が完成した。

 現在の子どもたちに最も必要なテーマを厳選して編集した。

 全巻、TOSS道徳の授業である。

 全て実践で検証済みの授業である。

 第四期だけで、小・中学校全道徳授業をカバーできる。

 是非とも教室で活用していただきたい。


  平成二〇年四月   TOSS道徳代表 /河田 孝文

著者紹介

河田 孝文(かわた たかふみ)著書を検索»

1964年5月山口県豊浦郡豊北町神田特牛生まれ

1988年 山口大学教育学部卒業

1988年 山口県山陽町立厚狭小学校教諭

1993年 山口県豊浦町立小串小学校教諭

1996年 山口県下関市立江浦小学校教諭

1999年 山口県下関市立川棚小学校教諭

現在,下関市立桜山小学校教諭

1988年教育技術法則化運動に参加する。

向山洋一・22番弟子,槇田 健・1番弟子

TOSS道徳教育研究会代表

TOSS長州教育サークル所属

TOSS/Advance代表

桑原 佑樹(くわはら ゆうき)著書を検索»

1980年山口県生まれ

現在,山口県長門市立向津具小学校教諭

TOSS/Advance所属

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書
    • 河田先生の「たかしくんの授業」

      もう一度受けたくなりました。

      たかしくんの授業には、
      分析すればするほど、
      多くのエキスが含まれていることが分かりました。

      「命の授業」
      教室で追試していきたいです。
      2008/10/28大貝浩蔵
読者アンケート回答でもれなく300円分のクーポンプレゼント!

ページトップへ