- まえがき
- この本の使い方
- T 酒井式描画指導の基礎基本
- /酒井 臣吾
- 3年生,4年生描画指導の基礎基本
- T 原理原則/ U 造形要素,造形言語/ V 表現技術/ W 材料,用具の取り扱い/ X 態度,鑑賞 その他
- U 酒井式描画指導のシナリオ
- [1] つなぎの自由さ・おもしろさを体験させる 『パン食い競争』『ふしぎなくつ』 /漆山 仁志
- [パン食い競争]プロローグ/ パンと自分の顔を描く/ 手と足を描き着色する/ つなぎ/ 自分に色を塗る/ ライバルを描く/ バックを描く/ [ふしぎなくつ]お話を聞かせる/ 靴を描く/ 自分の顔と手を描く/ つなぎ/ 洋服の彩色/ 風景を描く
- [2] 生き生きとした表現を生み出す物語の絵『かもとりごんべえ』 /平田 淳
- 物語を聞き,下絵を描く/ ごんべえを描く/ 空を塗る/ カモを描く/ ごんべえとカモの色を塗る/ 下の風景を描く/ ごんべえとカモをつなぐ・仕上げ
- [3] 版画のおもしろさを味わえるシナリオ『ごまあそび』 /末永 賢行
- 前口上/ プロローグ/ 思い思いにラフを描く/ 顔を作る/ 一番好きな洋服を着せて体を作る/ 手を作る/ 顔・体・手をつなぐ/ 刷る
- [4] 『ガリバー旅行記』―大小の対照のおもしろさを表現する― /宮内 有加
- 構図を書く/ 顔を描く/ 手,足を描く/ 顔,手,足を彩色する/ 顔・手・足をつなぐ/ 洋服を彩色する/ 小人,建物,軍艦を描く/ 背景を彩色する/ シナリオを追試する時のポイント
- [5] 「つなぐ」からこそ動きが生きてくる『馬とび』 /原田 顕
- はじめに/ 事前に/ 「馬とび」の絵を描くことを話す/ 顔,手,足を描く/ 馬役の子の手を描き,つなぐ/ 「私」のつなぎをし,下絵を完成させる/ 肌の色を塗る/ 残りの部分を彩色し,仕上げる/ 終わりに
- [6] 作品の中の「自分」を意識させる『プールで遊んだこと』 /岡芹 純一 /大和田 まゆ美
- 楽しい「プール」/ わら半紙にラフスケッチをする/ ラフスケッチを見ながら「自分」を描く/ 「自分」を彩色する/ 友達を描く/ 友達を彩色する/ プールの水を彩色する/ 時間数と片々の技術との関わり/ 児童の反応
- [7] 家族をえがくと気持ちいい /田中 聡
- 家族自慢をする/ 自分の顔を描く/ 自分の顔を塗る/ 家族の顔/ 切り取る/ 台紙を選ぶ/ 並べる/ 印を付ける/ 貼る/ 文字を書く/ 文字を並べて,貼る
- [8] 動きを意識したシナリオ『回旋塔であそぶ』 /寺本 聡
- 前段として/ プロローグ/ 回旋塔を描く/ 自分を描く/ 友達を描く/ 彩色
- [9] 『トウキビ(トウモロコシ)の収穫』 /野村 智明
- 前口上/ プロローグ/ トウキビの実を描く/ 実をつかんでいる手を描く/ 顔を描く/ 実に色を塗る/ トウキビの葉や茎を描く/ 顔や手に色を塗る/ 体を描く(つなぎ)/ 体の色を塗る/ 完成させる
- [10] どの子も根気強く描き進めるシナリオ『わたしのすきな木』 /後藤 秀司
- プロローグ/ わら半紙と鉛筆で,描き方を学ぶ/ 1個の石を起点に描き進める/ 枝や葉を描き,1本の木を完成させる/ 木の幹と枝を彩色する/ 葉の彩色をする/ 木と遊ぶ人物を描き,彩色する/ 地面の彩色をする/ 空の彩色をする
- V 楽しいクラスづくりに役立つ小作品づくりのミニシナリオ
- /工藤 利美
- [1] 1学期――自画像入りの個人目標を酒井式で!
- 前口上/ プロローグ/ 準備を整える/ 鏡と手触りで確認しながら描く/ 彩色をする/ 個人目標を書き入れ,完成
- [2] 2学期――本は友達,手づくりしおり!
- 前口上/ プロローグ/ しおりを作ることを告げる/ 植物の成長していく順に下絵を描く/ 彩色をする/ よもやま話
- [3] 3学期――卒業生に,手づくり鉛筆立て!
- 前口上/ プロローグ/ 空缶,紙,マジックを用意する/ 自分の想像した鳥を描く/ 基調となる色を決め,彩色する/ 空缶に絵を貼り付ける
- W すぐに使える酒井式描画指導のワーク
- /竹田 裕愿
- 『ゆっくり,ていねいに』かたつむりの線と彩色に挑戦!
- X 索引――題材一覧
まえがき
長い間,現場にあって子どもの造形活動を指導してきて,強く認識することがあります。一言でいえば,子どもは意外なほど強く,「いい絵」を描きたいと思っている――という事実であります。
これは,おとなが考えるよりもずっとずっと強いものであります。
「いい絵を描きたい!」「傑作を描きたい!」という願いは,子どもの根源的な欲求であります。
酒井式は,このような子どもの欲求をはぐらかすことなく,まずはしっかりと正対しようとします。正対したら,子どもの欲求を満足させるような題材を与え,それを完成する過程で,子どもに確かな「表現力」をつけようとします。
酒井式は,基本的な考え方や,理念を述べて具体を示さないやり方をとりません。
具体的な授業のレベルで語ります。それも,「シナリオ」という最も具体的な形で問題提起をします。シナリオは,まる裸のモデルであります。無防備です。どんな攻撃にも素肌をさらしています。
だからこそ,ここまで広がりを見せてきたのであります。
モデルのない時代は終わりにしましょう。
理念のみを述べて,具体レベルは逃げるという今までの悪習を捨て,どしどし新しいモデルを発信していきましょう。
これは,その第一弾であります。もちろん欠点も不備も多いものであります。だからこそ,実践してみるとたくさんの宝石が発見される筈であります。
このシナリオ集が,全国の熱心な実践家に鍛えられ,より逞ましく美しいモデルに変わっていくことはもう明らかであります。
まずは,「実践」をくぐらせてみてください。その上で修正したり,発展させたりした新しいモデルをご提示ください。
第二弾,第三弾の「シナリオ集」を必す出版することをお約束いたします。
編者 /酒井 臣吾
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- 明治図書