- まえがき
- 指導事典の使い方
- T 準備運動の役割
- @ウオーミングアップ――ウオーミングアップとして使える部分を意識せよ /三好 保雄
- A基礎感覚・基礎技能づくり――準備運動は貴重な習熟タイム /三好 保雄
- B仲間づくり――スキンシップと声で仲間づくり /太田 健二
- C体ほぐし――体ほぐしで気持ち・かかわり・動きのウオーミングアップ /太田 健二
- U ウオーミングアップに役立つ準備運動
- @ラジオ体操――運動量を確保するために微細な動きを指導するラジオ体操 /加藤 真一
- Aストレッチング――動的なことと静的なことを組み合わせて行うストレッチ /加藤 真一
- Bペアでのストレッチング――ペアで息を合わせてストレッチング /小田 誠
- Cヨガ――楽しみながらヨガに挑戦 /小田 誠
- D太極拳――太極拳でゆったり無理なく体の準備 /横崎 剛志
- E野口体操――力を抜いて,体を感じて準備万端! /横崎 剛志
- V 学年別・基礎感覚,基礎技能づくりに役立つ準備運動
- ■1〜2年
- @基本の運動――さまざまな運動を次々とテンポよく行う /佐藤 貴子
- Aゲーム――チャイムが鳴ったら,楽しい運動をすぐ始めよう! /佐藤 貴子
- B模倣遊び――模倣運動の基礎感覚はこれだ「楽しく体を動かそう!」 /石橋 健一郎
- C水遊び――水遊びの準備運動はこれだ「陸上編・水中編」 /石橋 健一郎
- ■3〜4年
- @短距離走・リレー ――どの子も汗だく! 楽しい短距離走・リレーの基礎感覚づくり /松尾 英明
- A走り幅跳び――跳ねて跳ねてジャンプ名人! 走り幅跳びの基礎感覚づくり /松尾 英明
- Bマット運動――個別評定を有効に使う /黒瀧 耕治
- C跳び箱運動――めあてを持たせ,テンポよく /黒瀧 耕治
- D鉄棒運動――同じ種目でも変化のある繰り返しで次から次へとテンポよく進める! /両部 桂一
- Eバスケットボール型――ボールにたくさん触る,そしてゲーム化して楽しく! /両部 桂一
- Fサッカー型――サッカーに必要な基礎感覚を高める /池田 潤
- Gベースボール型――たくさんボールを捕る・投げる・打つ /池田 潤
- ■5〜6年
- @ハードル走――これでハードル走に向かう体と気持ちの準備はバッチリ! /齋藤 徳三
- A走り高跳び――ジャンプ・リズム・バランス感覚を身につけよう /齋藤 徳三
- Bマット運動――柔軟性を高める準備運動が,マット運動の基礎技能を高める! /小松 和重
- C跳び箱運動――逆さ・腕支持感覚を育てることで,いろいろなことができるようになる /小松 和重
- D鉄棒運動――ゲーム感覚で行う鉄棒の準備運動 /藤澤 芳昭
- Eバスケットボール――ボールコントロール力を準備運動で身につける /藤澤 芳昭
- Fサッカー ――サッカーの基礎感覚,基礎技能づくりに役立つ準備運動 /山本 真吾
- Gバレーボール――バレーボールの基礎感覚,基礎技能づくりに役立つ準備運動 /山本 真吾
- H表現――リズムに乗ることで心も体も開放する /千原 一弘
- W 仲間づくりとしての準備運動
- @ジャンケンおんぶ――いろいろなパターンで,汗びっしょり /芹沢 晴信
- Aおしくらまんじゅう――たくさんのバリエーションで汗いっぱいのおしくらまんじゅう /芹沢 晴信
- Bケンケン鬼――ケンケンでみんな夢中 /鈴木 隆夫
- C氷鬼――いろいろなバリエーションで楽しもう /鈴木 隆夫
- D手つなぎ鬼――子どもたちに大人気! 手つなぎ鬼バリエーション /牛腸 要
- E足ふみ――足ふみで心も体もスイッチオン /牛腸 要
- Fネコとネズミ――「逃げる」「追いかける」をペアで楽しむ /辻岡 義介
- G手押し車リレー ――腕支持感覚を楽しく身につける /辻岡 義介
- Hだるまさんがころんだ――動きが変わる,笑顔あふれる! だるまさんがころんだ /矢部 晃章
- Iドンジャンケン――楽しさ無限大! ドンジャンケン /矢部 晃章
- X 体ほぐしとしての準備運動
- @世界のあいさつ――気になるあの子もあっという間にすぐ笑顔! /根津 盛吾
- Aうずまき――みんなで楽しくウォーキング! 最後はバンザイ! /根津 盛吾
- B円形コミュニケーション――心と体のふれあいをつくる円形コミュニケーション /持木 信治
- C風船を使って――風船で多様な動きをつくる風船遊び /持木 信治
- Dふろしきを使って――動きを工夫させるふろしき /郡司 崇人
- E新聞紙を使って――身近な新聞紙で子どもが動く /郡司 崇人
- Fボールを使って――チームワークでボールをつなぐ,何でもありありバレーボール /堀 健一
- G棒を使って――歓声が上がり,仲間づくりができる棒を使った運動 /堀 健一
- H輪を使って――ペアで活動させる楽しい輪 /村田 正樹
- Iバケツを使って――楽しく活動させる3つのキーワード /村田 正樹
- Y 器具・用具を使っての準備運動
- @棒――全員熱中! 体操棒を使って柔軟性,バランス感覚を高める /篠崎 弘敬
- A縄――簡単! 効果抜群! 縄跳びに必要な基礎感覚を養う /篠崎 弘敬
- Bジャングルジム――ジャングルジムで行う基礎感覚づくり /細川 晃
- Cジャングルジム――ジャングルジムで易しく基礎感覚づくり /松澤 正仁
- Dのぼり棒――のぼり棒でつける鉄棒の基礎感覚 /細川 晃
- Eのぼり棒――のぼり棒を使って楽しく基礎感覚づくり /松澤 正仁
- F鉄棒――運動場の遊具を使って基礎感覚・基礎技能を育てる /上川 晃
- G跳び箱――仲間と楽しみながら基礎感覚・基礎技能を育てる /上川 晃
- Z 準備運動に役立つリズム
- @ピアノ――ピアノに合わせて楽しく歩こう /飯田 清美
- Aキーボード――キーボードのリズムボックスを使ったゲーム式準備運動 /飯田 清美
- BCD・カセットテープ――音楽で子どもの動きを引き出す・システム化する /岩田 史朗
- Cリズム太鼓――リズム太鼓を使って楽しくリズム感を育てる /岩田 史朗
- DDVD――よいイメージが子どもの動きを変える /岩田 史朗
- あとがき
まえがき
TOSS体育授業研究会代表 /根本 正雄
準備運動について詳しく書かれた説明や解説書は、今まであまり出されてこなかった。
小学校での準備運動をみると、4列の縦隊に整列して行っている。
体育係の子どもが前に並び、ラジオ体操をするか、いくつかの決められた動きをしていることが多い。
教師はほとんど指導していない。体育係の子どもに任せっきりである。体育係の子どもの掛け声に合わせて行っている。
何のためにどのような準備運動をしているかについては、一切理解されていない。
どの教材でも同じ準備運動である。体育の授業に入る儀式になっている場合が多いのである。
どんな準備運動をどのように行ったらよいのかについて、系統的にまとめたものがあれば、多くの教師に役立つ。
そういう考えに基づいてまとめたのが本書である。
本書には準備運動についての基本的な考え方、具体的な事例が紹介されている。
最初に準備運動の役割が書かれている。どんな目的で行うかがわからなければ効果的な準備運動はできない。
次に学年別に基礎感覚・基礎技能づくりに役立つ準備運動が示されている。
各学年の教材に即して、その運動の動きを高める基礎感覚・基礎技能づくりの内容になっている。
新卒以来、私は準備運動でリズム太鼓を使用している。子どもには任せていない。準備運動も立派な学習であると考えているからである。
1時間の授業の目標を達成するためにどんな準備運動を行ったらよいのか、そのあとどんな主運動を展開したらよいのかを計画したからである。
3年生で鉄棒遊びがあった。その中で逆上がりの指導をした。ところが半分以上の子どもができなかった。
原因を調べてみると、逆さになることができなかったり、腕で体を支える力が弱かったりすることがわかった。
そこで、逆上がりの指導をする前に、逆さになる逆さ感覚、腕で体を支持する腕支持感覚を育てることにした。
逆さ感覚、腕支持感覚を育成するためにカエル倒立、足打ち跳び、手押し車などの動きづくりを行うことにした。
それらの感覚づくりを準備運動として主運動の前に行うようにしていった。
カエル倒立、足打ち跳び、手押し車もただ行うのではなく、走る、跳ぶなどの動きと合わせて行った。
すると、逆上がりがみるみるうちに上達し全員ができるようになった。
意味のない準備運動をするのではなく、主運動の逆上がりに必要な基礎感覚・基礎技能づくりを行っていくことが、大変効果的であることがわかった。それ以来、領域ごとに効果のある準備運動を開発してきた。本書の基本的な考え方である。
そのほかにも仲間づくり、体ほぐしなどに役立つ準備運動が紹介されている。いつでも何年生でも活用できる事例が示されている。本書を活用いただければ幸いである。
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- 明治図書
- 準備運動の工夫が分かりやすい。2024/1/2140代・小学校教員