法則化図画工作シリーズ1
「分析批評」による名画鑑賞の授業

法則化図画工作シリーズ1「分析批評」による名画鑑賞の授業

「分析批評」のものさし,対比と象徴を活用して受動的な鑑賞から能動的な鑑賞へ,授業展開を通してどう子供の目を開かせたか実際例を示した。


紙版価格: 1,408円+税

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-709608-6
ジャンル:
図工・美術
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 128頁
状態:
絶版
出荷:
予定なし
特集 行事指導の本
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目次

もくじの詳細表示

まえがき
T 「鑑賞の授業」とは
1 鑑賞の授業・その目的
2 鑑賞教育の現状
3 鑑賞教育不振の原因は何か
4 新教育課程では
U 授業実践
§1 ピカソ作「ゲルニカ」を授業する
「ゲルニカ」の授業・考察
§2 ワイエス作「クリスチーナの世界」を授業する
「クリスチーナの世界」の授業・考察
§3 ゴッホ作「アルルの跳ね橋」を授業する
「アルルの跳ね橋」の授業・考察
§4 シャガール作「彼女の周辺」を授業する
「彼女の周辺」の授業・考察
§5 葛飾北斎作「神奈川沖浪裏」を授業する
「神奈川沖浪裏」の授業・考察
§6 ミレー作「晩鐘」を授業する
「晩鐘」の授業・考察
§7 ゴヤ作「巨人」を授業する
「巨人」の授業・考察
第6学年図画工作科学習指導案
§8 名画鑑賞の授業,どこが面白いのか―子どもたちの感想―
V 鑑賞の授業を作る
§1 どのようにして絵を提示するか
1 掛図
2 絵の提示の仕方・3種
(1) スライドで見せる
(2) 掛図をそのまま見せる
(3) OHPで見せる
§2 教室環境をどう作るか
(1) 黒板
(2) 机,椅子
(3) 板書
§3 用語をどう指導するか
1 「対比」をどう教えるか
2 「象徴」をどう教えるか
§4 発問作りのポイント
W 応用鑑賞の授業
1 教室掲示での名画鑑賞「比較鑑賞法」
2 美術館見学での名画鑑賞「ワークシート法」
ワークシート例
写真「ワークシートを使った美術館見学」

まえがき

 「鑑賞の授業の方法がわからない」という意見を多く聞きます。

 どんな絵をどのような方法で見せればよいのでしょうか。

 この疑問に答えたものが本書です。

 誰もがわかりやすく,

 誰にでも追試できるように,

 美術史などの専門的な理論はできるだけ削除し,授業の事実を中心にまとめてみました。


 本書に紹介する授業方法のヒントになったものはパリにあるオルセー美術館の子ども用パンフレットでした。(本書 W「応用鑑賞の授業」参照)

 絵の一部が隠されていて,説明はほとんど書かれていません。

 その代わり,設問がいくつも並べてあります。

 「季節はいつですか」「フランスですか」といった具合です。

 この「『設問』による鑑賞指導」を何とか授業に応用できないものかと考えました。

 そこで,現在日本の国語教育界で注目されている「分析批評」の手法をドッキングさせてみたわけです。

 それでは,「分析批評」の授業とは一体何でしょうか。

 石黒修氏は「分析批評」を次のように定義しています。


  「分析批評の授業」とは,分析のものさし(用語)・分析の方法を子どもたちに教えることにより,作品の構造や表現を検討させ,自分なりの鑑賞ができるようにさせる授業である。

  (「分析批評」石黒修『現代教育科学』 No.379,明治図書, p. 19)


 つまり本書は,解説を聞くだけの「受動的な鑑賞」から,分析のものさし(「対比」や「象徴」)を駆使して作品を解釈していく「能動的な鑑賞」への進化の道しるべだとも言えます。

 もちろん教育の方法に100点満点の実践は存在しません。

 本書にも50点の実践も30点の実践もあるでしょう。

 そこで,授業の改善策を「考察」に示すことにしました。

 各方面から本書に対するご批判なども多くいただきたいと思います。

 そのことによって,日本の「鑑賞教育」が,さらに活性化されることを強く願います。

 本書が鑑賞教育活性化の足がかりになれば,著者としてこれほどうれしいことはないのです。


 「『分析批評』による名画鑑賞の授業」は次の二つの特徴を持ちます。

1 大人相手でも通用する。

  私は本書を著すにあたって,合宿や研究会などで教師相手に数多くの模擬授業を行ってきました。

  そこで強く感じたことは,この方法は小学生のみならず大人相手でも立派に通用するということです。

  つまり,本書の方法は中学・高校の「美術」の授業や,美術館などの「社会教育」の場でも十分応用できるわけです。

2 図画工作科に限らない。

  名画鑑賞を「図画工作」という狭い教科の枠内にはめる必要はないと思います。

  たとえば,本書の実践「ゲルニカ」の場合,評論文に重点をおくのであれば「国語」で取り扱うこともできます。「平和教材」ということに重点を置くのであれば「道徳」で取り扱うこともできます。

  教師のねらいによって,いろいろな場を設定してみて下さい。


 本書に登場する授業のほとんどが,熊本県阿蘇郡蘇陽町立馬見原小学校の高学年での2年間の実践です。(「ゲルニカ」のみ菊池市立隈府小学校)

 馬見原小学校は山の中にある僻地の小さな学校です。

 私は,都市圏と離れたここの子ども達に何とか「絵画芸術」のすばらしさを感じさせたいと思いました。

 本物の絵画作品を見せるために70キロも離れた県立美術館に子ども達と父母の皆さんと一緒に行ったこともあります。

 その意味で本書は私と馬見原の子ども達との共著だということもできます。

 わが馬見原小学校の素晴らしい子ども達と父母の皆さんに厚くお礼を申し上げます。

 そして,馬見原での実践が全国に発信できることを心から幸せに思います。


 本書は多くの人々に支えられて誕生しました。

 向山洋一先生(法則化運動代表),有田和正先生,野口芳宏先生,佐々木俊幸先生からはあたたかいはげましの言葉をいただきました。

 酒井臣吾先生をはじめとする法則化図画工作ネットワークの皆さん方からは適切なアドバイスをいただきました。

 西尾一先生,鈴木健二先生は,お二人の実践を引用することを快く承諾して下さいました。

 明治図書の江部満編集部長,樋口雅子編集長からは出版に際して終始ご懇篤なご指導をいただきました。

 心から感謝の意を表したいと思います。本当にありがとうございました。


  1990年1月14日   /岩本 康裕

    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書
    • 鑑賞の授業をどうしたらよいのか悩んでおり、ぜひ購入したいと思いました。
      2015/3/2
    • ピカソのゲルニカをどのように授業したのかを知りたくて、是非読みたいと思いました。
      2012/9/23kunchan
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