心と体を育てる体育授業上達セミナー7サッカーの習熟過程

好評4刷

サッカーの動きの原理・原則を解説。必要な基礎感覚、必要な基礎技能、運動づくりを習熟過程に基づき解説。その系統表による授業の実際例をそれぞれの習熟別に詳細に解説。


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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-701728-3
ジャンル:
保健・体育
刊行:
4刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 104頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2019年12月16日
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もくじ

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発刊によせて
まえがき
T サッカーの習熟過程
1 サッカーの動きの原理・原則
2 サッカーに必要な基礎感覚
(1) ボールを止めること,蹴ること
(2) 走ること
(3) ドリブルすること
(4) 柔らかいボールタッチ
3 サッカーに必要な基礎技能
4 サッカーの運動づくり
5 サッカーの習熟過程の系統表
U サッカーの授業の実際
1 サッカーの基礎感覚づくり
(1) 平衡感覚を育てる運動
1 片足立ち
2 片足じゃんけん
(2) 走感覚を育てる運動
1 フリー走
2 ギャロップ
(3) 視覚調整感覚を育てる運動
1 転がしターン競争
(4) 足でボールを操作する感覚を育てる運動
1 ボールを左右に動かすボールコンタクト
2 ボールを前後に動かすボールコンタクト
3 ボールを斜めに動かすボールコンタクト
4 ボールを足の甲(インステップ)で浮かせる動き
5 「ボールコンタクト」指導のポイント
2 サッカーの基礎技能づくり
(1) シュート・パスの基礎技能を高める課題ゲーム
1 階段シュートゲーム
2 卵割りシュートゲーム
(2) ドリブルの基礎技能を高める課題ゲーム
1 コピードリブル
2 ドリブルターン
(3) サッカーの基礎技能を総合的に高める課題ゲーム
1 みんなエースだ8対8
3 サッカーの授業
(1) ゴールたくさん1対1
(2) みんな名人1対1
(3) ラッキーゾーン・ラッキーマンサッカー
1 ラッキーゾーン・ラッキーマンについて
2 ボーナス点制度について
(4) 4+4対4+4の8対8
4 習熟過程を取り入れたサッカー指導の成果と課題
(1) 2年生での実践
(2) 6年生での実践
(3) 今後の課題
あとがき

まえがき

 本サークルが結成されたのは,1994年のことである。現在泗水町立泗水中学校教諭の岩根俊治氏を中心に,熊本県菊池郡市の体育好きの教師が集まってスタートした。

 そんな私たちに大きな転機が訪れたのは,その年の8月のことだった。岩根氏の自宅に1本の電話がかかってきた。単身で法則化体育初心者合宿に参加していた南ヶ丘小学校教諭の東田昌樹氏からの電話である。

 「今,根本正雄先生と一緒なんですけど,今度熊本にいらっしゃって授業をしていただいても良いとおっしゃってるんですが,話を進めてもいいでしょうか」

 岩根氏は,驚きながらも

 「もちろん,よか,よか(いいよ,いいよ)」

と返事をしたのである。

 そして,1995年2月18日,熊本県菊池郡合志町立南ヶ丘小学校にて第1回の授業研究会・体育授業講座を開催することができた。

 それ以来4回の講座を開いてきた。本サークルの講座の特徴は,必ず根本氏とサークル会員の立会い授業があるということである。

 第1回は4年生の授業を行った。東田氏が「台上前転」,根本氏が「抱え込み跳び」である。第2回は6年生の授業だった。大津町立大津南小学校教諭佐藤政臣氏が「バスケットボール」を,根本氏が「頭はね跳び」を授業された。第3回は初めて低学年の授業で2年生だった。旭志村立旭志小学校教諭(当時)水本(旧姓:中島)和美氏が「障害リレー遊び」,根本氏が「跳び箱遊び(開脚跳び)」の授業だった。そして,第4回,6年生の私の学級で私が「サッカー」の授業をし,根本氏に「障害走」の授業をお願いした。

 私たちが熊本で目にした4回の根本氏の授業に共通しているのは,「授業によって子どもの動きが変わる」ということである。それは,根本氏の授業には,それぞれの運動の習熟過程が取り入れられていたからである。

 私が,「習熱過程」という言葉を初めて耳にしたのは,第1回の講座を開いた1994年のことだった。講座を通して根本氏の「抱え込み跳び」の授業が習熟過程にそって進められていることに驚きと感動を覚えた。

 その日以来,「サッカーにも習熟過程があるはずである」と考え,追究してきた。


 現在のサッカーの指導でもっとも重視されていることは,「いかに全員の子どもたちをゲームに楽しく参加させるか」である。そこで,私がこれまで重視していたのが「ルールの工夫」である。ルールの工夫によって個人の技能差が克服でき,みんなが楽しめるサッカーの授業が成立する。このような授業によって,子どもも教師もそれなりの満足感を味わう。

 しかし,これだけで子どもたちの「向上的変容を保証」したことになるのだろうか。子どもにとって「ああ,サッカーが上手になった」と実感できる授業になっているのだろうか。

 多くの教師が「たった10時間くらいの授業で,みんながサッカーが上手になるわけがない」「少年団で1年中サッカーの指導をしても,たいして上達しないのに」と考えている。これでよいのだろうか。

 このようになってしまうのは,サッカーの習熟過程が解明されていないからである。

 サッカーの習熟過程について考えるのが,とても難しいのは事実である。それは,サッカーという教材の中には多くの要素が含まれているからだ。

 サッカーで教えるべきことを整理すると次のようになる。


(1) 個人技能(パス,ドリブル,シュート,状況判断)

(2) 集団技能(ポジションの工夫,パス戦術を利用した攻撃,組織的な守備)

(3) ゲームの楽しさ(ルールの工夫,マナーの重視)


 これらのことを,個人技能はドリルゲーム(例:30秒で何回パスできるか)で,集団技能は課題ゲーム(ルールを単純化し簡単な集団技能でできるゲーム)や本ゲーム(単元の最終のゲームの形)で,ゲームの楽しさをそれらのゲームの中で常に味わえるようにという指導がこれまで行われてきた。このような授業の進め方については,『体育の授業づくり全発問・全指示Pサッカー』(明治図書)にくわしく紹介されている。

 しかし,この中にも,サッカーの動きにはどんな原理・原則があり,どのようなドリルゲームや課題ゲームを積み重ねていくと子どもたちのサッカーの力がついていくのかは,明示されていない。

 本書には,(1)(2)(3)の中でも特に解明されていない「個人技能の習熟過程」の系統表を明示し,実際の授業の中でどのように指導していくかが示されている。

 個人の技能が伸びると「パス戦術を利用した攻撃」などの集団技能も高まりやすくなる。そして,何より子どもが「サッカーが上手になった」と自覚できるとゲームに臨む意欲もぐんと高まる。子どもたちがサッカーというスポーツに対して少しでも自信を持ち,好きになってくれる授業をしていくことに本書を役立たせていただければ幸いである。


  平成12年7月吉日   前・菊池体育サークル(現・熊本月出体育サークル)

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