「プロの技術」を学ぶ10
子どもを引きつける導入の技

「プロの技術」を学ぶ10子どもを引きつける導入の技

導入の方法を知り、臨機応変に使いこなすことで授業は成立する

優れた先達の実践から学ぶ「導入」で授業に引き込む技をさまざまな事例で解説。さらに授業の導入の「技」のみがき方を導入の授業、導入のリズムとテンポ、導入の第一声、導入直前の構えなど解説。導入の技で乗り切るピンチの瞬間など詳述。教科別導入の技も解明。


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ISBN:
978-4-18-624017-7
ジャンル:
授業全般
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 160頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2019年12月11日
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もくじ

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まえがき
T 優れた先達の実践から学ぶ導入で授業に引き込む技
一 向山氏の割り算ビデオから学ぶ 今日学ぶことを一言で言う
1 一言で今日学ぶことを言う
2 開始一五秒で作業に入る
3 確認 詰め ユーモアのある対応
二 先生問題から引き込む技─簡単な問題をテンポよく出題しよう─
1 木村重夫氏の先生問題
2 簡単な問題であり、本時の問題に関係がある問題を出す
3 もってこさせる場合と、早い子に板書をさせる場合と使い分ける
三 じらしの技術で引き込む技─向山先生の二年理科─豆電球を渡すときのじらしの技─
1 向山先生のじらし
2 似て非なるじらし
3 完全コピーで追試する
四 授業開始一五秒で引き込む技─すぐれた授業の「開始一五秒」を分析し、生かす─
1 なぜ向山氏の授業に引き込まれるのか
2 自分の「授業開始」と比較し、生かす
五 リズムとテンポで引き込む技─詩文暗唱、フラッシュカード、百玉そろばんなど教材教具を駆使しよう─
1 変化のある繰り返しでリズムをつくる
2 フラッシュカードでテンポよく進める
3 百玉そろばんを活用する
4 先生問題で引き込む
六 フラッシュカードで引き込む技─授業のはじめに、短時間でテンポよく行う─
1 フラッシュカードの進め方
2 フラッシュカードのいろいろな技
七 ものを用意して引き込む技─もので最初と最後をしめる─
1 導入は、授業の根幹にかかわるものを提示
2 提示の仕方を工夫する
3 授業の最初と最後を対応させる
八 パソコンコンテンツで引き込む技─対面型で、操作が簡単なのが一番─
1 スマートボードの威力
2 実際の授業では…
九 教科書音読で引き込む技─「音読の基本は、体全体を使って読むこと」を体感させる─
1 音読ができない理由
2 音読の基本は体全体を使って読むこと
一〇 活動で引き込む技─遅れてきた子でも、目線・リズム・テンポで一気に引き込む─
1 やっている子をほめる
2 立っている子、しゃべっている子は目線で注意する
3 子どもを引き込む技を、日頃から磨いておく
4 チャイムが鳴ったらすぐに始める
U 授業の導入の技のみがき方、私の方法
一 秒単位でみがく導入─秒単位で授業に入るには言葉を削り、作業指示で始める─
1 始まりの一五秒で授業に巻き込む
2 いきなり本題に入る
3 席につきなさいを言わない
二 授業の導入の技のみがき方、私の方法 導入の目線─意識して見続けることで、意識しないでも見えるようになる─
1 意識して見る
2 意識しないでも見える
三 導入の指示─チャイムが鳴り終わった五秒後には子どもたちが活動している状態が、よい導入の指示である─
1 指示は短くする
2 授業の導入は基本的に同じパターンで入るのが理想である
四 導入のリズムとテンポ─待たない。言葉を削る。変化をつけて繰り返す─
1 授業開始は待たない
2 言葉を削る
3 変化のある繰り返し
五 導入の第一声─一気に網をかける感じの声で話す─
1 自分の声を知る
2 通る声にするために
六 導入直前の構え─チャイムが鳴る前から「アイドリング」状態にしておく─
1 具体的な「構え」とは
2 職員室でも「授業開始の構え」をつくる
V こんなときどうする? 導入の技で乗り切るピンチの瞬間
一 いきなり喧嘩が始まったときの導入の技─言い分を一回ずつ聞き、自分の一番悪かったところを謝らせて、おしまい!─
1 落ち着かせる
2 言い分を聞く
3 お互いに謝らせる
二 授業が始まったのに子どもが一人教室にいないときの導入の技─第一に子どもを安心させる─
1 まずは落ち着かせよう
2 一人いない状況は続くもの
三 予定していたパソコンが使えないときの導入の技─決してあわてず、焦らず、万策を!─
1 パソコンがなくても、見せる工夫
2 映像が流れない、音が鳴らないときの工夫
四 授業参観なのに保護者がほとんど来ていないときの導入の技─とにかく始める 廊下にいる人も 他のクラスの保護者も巻き込んで─
1 廊下の窓をはずして全開にする
2 全員の活動から入る
3 五色百人一首は必須アイテム
五 準備なし、いきなり補講で入った教室での導入の技─成り立ちが「人」つながりの漢字で子どもを熱中させる─
六 子どものテンションが低いときの導入の技─「明るく、知的に、テンポよく!」─
1 とにかく明るく、明るく、元気よく!
2 フラッシュカードをテンポよく!
3 先生問題を出す
W 教科別授業に引き込む導入の技
○国語
一 漢字・言葉指導で導入の技(低学年)─漢字は指書きから、言葉指導はノートをもってこさせる活動から─
1 漢字の空書き
2 言葉をノートに書かせてもってこさせる導入
二 漢字・言語指導で導入の技─モノを使って引きつける─
1 フラッシュカードで引きつける
2 国語辞典・漢字字典で引きつける
三 暗唱指導で導入の技(低学年)─リズムにのって楽しく暗唱─
1 自然にリズムが生まれる教材
2 リズムにのせて楽しく練習
3 楽しいという雰囲気を教師が出す
四 暗唱指導での導入の技─リズムとテンポで全体を巻き込む─
1 暗唱詩文集をつくる
2 リズムとテンポで待たずに行う
3 テストで達成感をもたせる
五 音読指導で導入の技─いろいろな音読指導で子どもたちを引きつける─
1 チャレンジ精神をくすぐる
2 個別評定で緊張感を生む
3 いろいろな読み方で練習させる
六 音読指導で導入の技(高学年)─「高学年の心をわしづかみにしてしまう、具体的な指示・一言」─
1 導入で、一気に全員をしつけて統率してしまう
2 全員でスムーズに音読できる一文交代読みの導入
3 大きく口を開けさせるための一言
七 読み取り指導で導入の技(低学年)─リズムとテンポよく、一字読解で全員を巻き込んでいく─
1 範囲を限定する
2 @からIまで先に書く
3 問いに正対させる
4 リズムとテンポよく討論につなげる
八 読み取り指導で導入の技(高学年)─向山型一字読解指導で、読解の苦手な子を救う!─
1 簡単な問題をテンポよく
2 授業の流れ
3 「問い」は、一〇〇の発問づくりから
九 作文指導で導入の技(低学年)─TOSSランドを活用した向山型作文指導─
一〇 一番盛り上がっていること、一番伝えたいことから書くだけで作文は劇的に変わる
1 作文の書き出しの指導のポイント
2 作文の書き出しの実際の指導
3 子どもたちの書き出し文
○社会
一 指導のやり方を工夫すると、子どもは地名の探し方をゲーム感覚で見つけていく
1 授業の導入での地図帳指導のポイント
2 地図帳の実際の指導
二 歴史上の人物指導で導入の技─歴史暗唱カルタ、歴史人物フラッシュカードを使う─
1 楽しい活動から入るのが一番いい
2 フラッシュカードから入る
三 都道府県指導で導入の技─「フラッシュカード・地図帳で一気にスタートする」─
1 フラッシュカードで一気にスタートする
2 地図帳を使ってテンポよく進める
3 簡単なクイズを出す
四 一枚の絵や写真の読み取りで導入の技─どんどん書かせどんどん発表させてどんどんほめていく─
1 ノートに書いたことをどんどんほめていく
2 書いたことをどんどん発表させる
五 地域教材で導入の技─社会は、視覚的な資料で導入するのがよい─
1 子どもたちが知っている、具体物を出す
2 視覚情報に訴える
3 地域特有の資料を活用
六 見学指導で導入の技─見学に行ったときにすることを事前に練習させておく─
1 目についたことを全部記録する
2 箇条書きを練習させる
3 見学ノートづくり、マナー指導
○算数
一 足し算・引き算で導入の技─百玉そろばんで集合数としての数を意識させ、確実に定着させるためのフラッシュカード─
1 何をおいても導入は百玉そろばん
2 計算フラッシュカード裏ワザ
二 掛け算九九で導入の技─見て、唱えて、繰り返す! 変化のある繰り返しであきない工夫─
1 掛け算の導入も百玉そろばん
2 定着をはかるためのフラッシュカード
3 意味理解を定着させるためのフラッシュカード
三 割り算で導入の技─授業の進度とリンクさせることで定着率が上がる─
1 「先生問題」の出し方
2 割り算のフラッシュカードはこう使う
四 図形指導で導入の技─図形の判別をたくさんさせる─
1 フラッシュカード
2 先生問題
五 計算練習で導入の技─向山氏のCDより学ぶ計算練習の導入─
1 先生問題を解かせる
2 フラッシュカードでの導入
六 百玉そろばんで引き込む技─四拍子を意識し、テンポよく行う─
1 カチッという音が鳴ってから言わせる
2 テンポよく行う、百玉そろばんの技
3 実際の指導(Tは教師、Cは子ども)
○理科
一 生き物の観察で導入の技(植物の育ち方)─面白クイズが子どもを引きつける─
1 春の導入
2 夏の導入
3 秋の導入
4 冬の導入
二 生き物の観察で導入の技(昆虫の育ち方)─本物を自分で捕まえるから興味をもつ─
1 写真から本物へ興味をもたせる
2 幼虫がどこにいるか自分で探させる
3 捕まえてきた直後にじっくり観察させる
三 生き物の観察で導入の技(生き物の成長)─サクラで導入 四季の「生き物の成長」─
1 「春の自然」チョウはサクラにとまる?
2 「夏の自然」と「秋の自然」
3 「冬の自然」
四 生き物の観察で導入の技(動物の誕生)─とにかく本物を用意することから─
1 メダカの場合
2 人の場合
五 生き物の観察で導入の技(植物と環境)─授業の導入は、準備したものと発問・活動で集中させる─
1 五年「植物の発芽と成長」
2 六年「生物と環境」
六 理科室の実験で導入の技(じしゃくのふしぎ)─いきなり本題の活動から入り、本時の学習につなげる─
1 いきなり自由試行
2 楽しい実験から入る
七 理科室の実験で導入の技(豆電球にあかりをつけよう)─じらしは、実験道具をわたすときの定石である─
1 「じらし」で、学習としての規律をつくる
2 じらしのポイント
八 理科室の実験で導入の技(電気のはたらき)─いきなり演示実験で興味を引きつける─
1 いきなり実験から授業に突入する
2 逆にしたらどうなるか
九 理科室の実験で導入の技(ものの温まり方)─まずは手で温めることから─
一〇 理科室の実験で導入の技(ものの溶け方)─目に見える変化で一気に子どもを引き込む─
1 シュリーレン現象(通称モヤモヤ現象)で一気に子どもを引き込む
2 ウェブワークで子どもを一気に引き込む
一一 ものの燃え方と空気の導入の技─爆発する? ブタンガスを使って、驚きの実験─
1 準備物
2 実際の導入〜ブタンガスについて知らせる〜
3 実際の導入〜じらしながら行う〜
一二 理科室の実験で導入の技(てことつりあい)─まずはてこを体感させる─
1 やって見せて、やらせてみる
2 ほめる
一三 理科室の実験で導入の技(水溶液の性質)─紫キャベツの水溶液を使い、鮮やかな色の変化で、導入する─
1 準備物
2 オーソドックスな導入
3 手品形式での導入
あとがき

まえがき

 学級に特別支援を必要とするA君がいる。

 その日の体調によって、授業中の態度ががらりと変わる。教科や先生によってもまったくちがう。机につっぷしてなにもしないこともあったようだ。

 A君を担任するようになり、彼の授業態度は、始まりによって大きく左右されることに気づいた。

 出遅れると一気にやる気をなくしてしまう。中休みの後、遅れて教室に入ってくることがあっても、ほかの子に追いつけるようにちょっと配慮してやると、いっしょに勉強できることがわかってきたのだ。たとえば、ごく簡単な問題を出し始め、三問目ぐらいからはA君も追いつけるようにする。もちろん、最初からできていた子どもたちをほめながら、しだいにみんなができるようにしていく。

 あるいは、五色百人一首で授業を始めるとのりのりになる。何枚か先に読んでいても、途中から参加し、喜んで札を取っている。最初のころ負けると怒り出して投げやりになっていたA君も、しだいに勝ち負けにこだわらず、百人一首を楽しんでできるようになっていった。気分よく授業に入ると一時間がんばることができるのだ。

 A君は、「教科書○ページ、開けたら開けましたと言いなさい……」と言っても、ほとんど用意しないことが多い。私がいっしょに用意してやることもあるし、「となりどうしで○ページを確認したら手を挙げなさい」という指示で、となりの子にうながされて動き出すこともある。その瞬間に「今手を挙げている人は早いなあ、かしこい!」とほめることで、全体をスムーズに、授業に巻き込むことができる。

 ところが、先生が替わり、少しも配慮することなく、板書を始めてしまうと、A君はすぐに取り残されてしまう。ノートを出すこともなければ、鉛筆をもつこともない。その結果、叱られたり、やる気をなくしたりして一時間の授業がまったく成立しなくなってしまう。

 その雰囲気は学級全体に波及し、落ち着きのない荒れの兆候となっていく。教師はA君の態度が許せずに、つい声を荒げてしまうこともある。A君はさらに不機嫌になり、暴言をはいたり、反抗的な態度に出たりして、ときには教室を飛び出していなくなってしまう。

 教師が授業の導入の方法をさまざまに知っていること、そしてそれを状況に応じて、臨機応変に使いこなす技能をもっているということは、授業を成立させる、きわめて重要な条件だ。

 授業開始のときに、なかなか子どもたちが教室にもどってこなかったら、どうするのか。

 教室に帰ってくるときにいざこざがあって、けんかが起きてしまったらどう対応するのか。

 私たちのサークルは、毎月の例会でほぼ全員が模擬授業を行う。そして始まりの一五秒で全体を巻き込むことができるように「もの」を用意したり、画像や映像によって引き付けたりと授業の導入を工夫している。フラッシュカードは、追い読みから入ると、準備の遅い子もすぐに追いつき、元気よく声を出して授業に突入できる。その名の通り、フラッシュするようにめくらなければ、逆に授業が間延びしてしまう。

 本書では、ふだんの学級で起きる多くの場面を設定し、子どもたちがやる気を起こす授業の導入について示した。これまでに多くの教師によって実践され、工夫された導入の技を集めた。

 ここにとりあげた、いくつもの導入の技術を使うことで、多くの教室で子どもたちが授業を楽しみにし、先生たちが笑顔でスムーズに授業ができるようになってくれればと願っている。


  二〇〇九年一一月   TOSS大阪なみはや代表 /奥 清二郎

著者紹介

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TOSS大阪みおつくしの子サークルとして2000年10月誕生。

月1回第3金曜日にサークル例会を開く。2003年よりサークル例会で模擬授業対決を始める。サークル機関誌『疾風勁草』を発行。

奥 清二郎(おく せいじろう)著書を検索»

1965年 大阪生まれ 徳島大学教育学部卒業

1987年 星美学園小学校勤務

1997年 大阪聖母学院小学校勤務

TOSS関西中央事務局

TOSS大阪みおつくし

TOSS大阪なみはや代表

中谷 康博(なかたに やすひろ)著書を検索»

大阪府池田市立細河小学校勤務

TOSS関西中央事務局

TOSS大阪みおつくし

TOSS大阪代表

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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