酒井式:6時間以内で完成する題材パーツ1
酒井式で描く“春の題材”100選

酒井式:6時間以内で完成する題材パーツ1酒井式で描く“春の題材”100選

好評8刷

酒井式で「春」を感じ表現しよう/酒井式で「春」の出会いを演出しよう/酒井式で素敵な「春」の贈り物を作ろう/各パーツでけでも活用可。


紙版価格: 1,960円+税

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-585100-6
ジャンル:
図工・美術
刊行:
8刷
対象:
小学校
仕様:
B5判 128頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2018年5月28日
新学習指導要領解説書籍
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目次

もくじの詳細表示

序にかえて /酒井 臣吾
T 酒井式で「春」を感じ,表現しよう!
ふれあいどうぶつえんはたのしいな /青木 典子
やごとりをしたよ /神谷 祐子
大きな牛 /小松 裕明
クレパスで描く「牛」 /末廣 真弓
水性ペンで彩色する花の絵 /白石 周二
葉っぱと文字を組み合わせて /中嶋 篤泰
花咲かじいさん /佐々木 志穂
ぼくの木,わたしの木 /丸亀 貴彦
春・桜の花をバックに新学年のめあてを書こう /野崎 史雄
桜のある風景の中で /藤倉 欣浩
絵手紙で春を表す /安野 信人
U 酒井式で「春」の出会いを演出しよう!
「顔を描く」でALTとの出会いを演出する /山田 洋一
教室常掲の「友だちの顔」 /加藤 悦雄
授業開きに最適,「変態マスク」 /塚口 誠
出会いの定番 五色百人一首 /長谷川 孝
友だちの横顔を描く /大谷 和明
出会いは花の絵手紙で美しく演出しよう /高原 富紀子
友だちの顔 似顔絵名人になろう /廣川 徹
V 酒井式で素敵な「春」の贈り物を作ろう!
ザリガニつりをしたよ /冨田 元久
春の草花を描く /西野 俊太
プレゼントカードを贈ろう /本川 恵美子

序にかえて

   酒井式描画法研究会 /酒井 臣吾


 このところ私は次々に新しい授業の形を提案している。

 その形を一言でいうなら,「絵の完成を目的としない授業」である。

 授業の中で絵を完成させる必要がない授業ということである。その典型が「人間の手をどう描くか」という授業である。従来のように手をよく見て描くといったやり方ではなく,手を「手の平」と「指」に分割して考え,それを組み合わせて描く方法を学ぶ授業である。


 この授業は現在,二単位時間でできるところまできた。夢のような話である。何しろ難物中の難物であった手の描写が,その動きも含めて二単位時間でできるようになる(かも知れない)からである。

 この授業では,子どもたちはほとんど絵を描かない。大部分が教師の講義と話し合いである。講義と話し合いで「手」の描き方を学ぶのである。こんな授業はここ半世紀お目にかかったことがない。


 絵の授業は,「描くことによって学ぶ」が当然だったけれども,「描かなくても学べる」という一つのモデルを示したわけでもある。

 もっといえば,「ただ描いているだけで何も学ばない」ような授業,「絵の完成まで教師が子守りをしている」ような授業への強い批判を示しているわけでもある。


 上記のような背景の中から,このシリーズは誕生した。酒井式が新しい世紀に向けての新しいステージを作ろうとしているわけである。

 この本の読者は,実践する際に次のような意識をもって指導に当たっていただければ幸いである。


 第一は,「小さいこともいいことだ」である。私は「手ぶくろを買いに」とか「横笛を吹く人」などいわゆる小型画用紙による実践を提案してきた。これらは多くの人に追試されたが,どなたも「大きい画面よりも迫力がでた」「子どもの集中度が高まる」といわれる。

 大型画面にこだわるのはもうやめよう。このシリーズのどの追試でももっと小さい画面でできないか――を考えつつ実践をしてみていただきたい。

 第二は,一枚の絵を描く時,その絵をどのように活用するかについて考えていただきたいということだ。

 「先生の顔」を描く時,単に描くことだけを目的としないで,教師と子どもをより親密なものにすることも併せてねらうなどは,その典型である。

 「お祭りの絵」は地域行事への協力ポスターに生かす。手話ボランティアや,車椅子ボランティアをしたら,それとつなげて絵を描く等々他へのつながりは無限に広がる。

 この本の中にも多くの試みがあるがまだまだ十分ではない。この本を土台にして多くのモデルを作っていただきたいものである。


 第三は,この本の実践を追試しながら,教材はどのような力をつけることになるのかをしっかり意識していただきたいことだ。

 この本では,その点が少しでも明らかになるように「パーツ」という形を取り入れている。私が最初に述べたように,単に絵を完成させて終わりという授業から一歩ぬけ出していただきたい。

 そのためには,この授業で,どんな力をつけるのかを考えつつ実践していただきたい。


 最後に大切なことを一つ。

 今まで述べてきたことは,すべて授業時間の短縮の方向だと思われるだろう。その通りである。時間を短縮する方向は自ずとその時間を大切に考えていくことでもある。

 とすると,今までの酒井式シナリオのような十数時間もかけてじっくりと絵に取り組むような授業の形は否定されるのであろうか。

 はっきりいうが,それは決して否定するものではない。

 むしろ,根気よくコツコツと努力と創意を積み重ねつつ,継続して一つの作品を作りあげていくことは創造活動の基本である。

 その基本をふまえた上での新しい方向を示したものであるので,そこは十分に留意して実践していただきたい。

 多くの追試をお寄せいただければ幸いである。


  2002年9月10日

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