<授業の腕を上げる>シリーズ4
子どもが熱中する体育の授業

<授業の腕を上げる>シリーズ4子どもが熱中する体育の授業

好評3刷

仕事の根幹である授業の技術を磨くのは教師の責務である。

達成率100%を保証する体育指導法、クラスで苦手な子まで汗だくになるプロ教師の体育指導、こうすればもっと楽になる21世紀型「体育的行事」、伴流「体育授業研究」の原風景、Q&Aでわかる体育授業づくり他。


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ISBN:
4-18-523419-8
ジャンル:
授業全般
刊行:
3刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 132頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2019年9月19日
新学習指導要領解説書籍
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もくじ

もくじの詳細表示

まえがき
T 準備ナシでもできる! 達成率100%を保証する体育指導法
1 向山式が通じない子も必ずできるようになる「開脚跳び」指導法
2 休み時間も熱中する「なわとび」指導システム
3 このポイントを押さえれば全員できるようになる後転指導の裏技
4 クラス全員25m達成させる「水泳」指導法
U クラスで苦手な子まで汗だくになるプロ教師の体育指導
1 運動会で優勝まちがいなし! リレー必勝指導法
(1) 運動会で間違いなく一番を取れるリレーバトンの指導
2 苦手な女子もシュートできる「サッカー」学習システム
(1) 授業記録(全4時:全8時間)/(2) 授業の背景/(3) 4つの「観点」から実践を振り返る
3 冬場でも5分で汗だくになる「持久走」指導
V こうすればもっと楽になる! 21世紀型「体育的行事」
1 運動会の練習時間は,学校の成熟度を測るバロメータである
2 30分でできあがる運動会の「行進指導」
(1) シンプルな向山先生の「行進指導」/(2) 「行進練習」で行進は良くならない/(3) 普通の教師もできる「行進」の指導
3 「運動会」実施の是非を“数値”で示す説明責任を自覚せよ
(1) 結論:「運動会」実施の是非が“数値”で説明されなければならない/(2) 「運動会」実施は,“前提”ではない/(3) そもそも「運動会」は,いつ始まったのか/(4) 「運動会」よりも「大事にされなければならないもの」は何か/(5) 「運動会」を否定する側の“説明”も必要である
4 「持久走」と「長距離走」とは別物である
(1) 「なわとび」の授業/(2) 「なわとび」の効果/(3) 「持久走」の問題点/(4) 体育科改善案(体操領域)の是非
W 若き教師達に贈る 伴一孝流「体育授業研究」原風景
1 「先生,授業の始めに『めあて』は設定しないのですか?」
2 体育授業に関する問題点の考察
(1) 体育授業における選択の問題/(2) 体育授業研究の原則/(3) 教育技術の法則化運動にかかわる問題
3 2年生学級通信「グロウ・アップ」
4 6年生学級通信「スピリッツ]
5 5年生学級通信「35」
X Q&Aで誰もがわかる 「向山型体育」授業づくりマネジメント
あとがき

まえがき

 教師の話に,よく「親が駄目だから」とか「地域が駄目だから」という「言い訳」が出てくる。

 教師になって20年。もう何百回と聞かされた。

 これは,語っている教師の「知性の低さ」を計る,バロメーターである。

 「親が駄目」と言うならば,その「親」を「教育」したのは誰なのか。

 「地域が駄目」と言うならば,そのような「地域」を「育てた」のは誰なのか。

 よく考えてみれば分かる。

 何れも,「学級(教育)」なのである。

 日本人は,皆「義務教育」を受けることになっている。

 誰もが,7歳から15歳まで9年間も,「学校」で「教育」を受けて育つ。


 学校が,訳の分からない「仕事」をやってきたから,教えられた子ども達が「駄目な親」に育ったのである。

 学校が,プライドの無い「仕事」をやってきたから,「地域」が駄目になってしまったのである。


 「良い親」を欲し,「良い地域」を求めるのであれば,良い「仕事(教育)」のできる「学校」にすればよいのである。

 「親が駄目」「地域が駄目」等と言って逃げるのは,「天に唾する行為」である。


 「教師」をやている人ほど,「学校の教育力」を分かっていない。

 「学校」は,恐ろしいほどの「教育力」を持っているのである。

 例えば,明治10年頃までは,日本人は,「走る」ことができなかった。

 戦闘訓練を受ける武士階級や,飛脚等の特殊技能として「走る」事を訓練する人以外は,そもそも日常において「走る」必要が無いのである。(これは現代でも同じだ。あなたは,最近,いつ・何の為に走っただろうか。思い出してほしい)

 「歩き方」も,現代の私達のそれとは違っていた。身体をねじらない「ナンバ」の歩き方をしていたのである。能や歌舞伎等の伝統芸能に,今も遣されている「歩き方」だ。

 ところが今,私達は,誰でも「走る」事ができる。周りを見渡しても,「ナンバ」で歩いている人はいない。

 それはなぜか。7歳の時から,「学校」で,「歩き方」「走り方」を「教育」されるからである。


 明治の始め頃,小学校には「体育(体操)」の授業が無かった。授業の合間に,五分間ずつ「体操」をさせる程度であった。

 これが,明治12年には,月曜日から土曜日まで,毎日毎日,30分間ずつ「体操」の授業が行われるようになる。

 なぜか。この間に,国の政策を変換させるような「大事件」が起こったのである。

 それは,言わずと知れた,明治10年の「西南戦争」だ。

 徴兵制によって組織された政府軍は,薩摩士族の反乱軍に対して,物量共に圧倒的に優位だったにも関わらず,大変な苦戦を強いられる。農民や町民で編成された政府軍は,走る事はおろか,並んで歩くこと(行進)すらできなかった。一方の薩摩軍は,幕末の薩英戦争以来,英式歩兵術の訓練を積んでいた。薩摩軍とまともにぶつかった政府軍の兵士達は,次々と薩摩士族軍に屠られていったのである。

 こうして,西南戦争で多大な犠牲を払った明治政府は,国軍に西洋歩兵術を徹底させるようになった。そして,それと共に,小学校教育から「体操」を重視し,西洋式の「動き」を日本人に教え込むようになったのである。これは当時,「西洋列強国による植民地支配を免れる」という「国家の命題」「有色人種最後の希望」を実現する為に,不可欠な政策だった。

 このような必死の努力によって,日本は,日清・日露の戦争に勝利し,世界人類に「有色人種のプライド」を認知させたのである。


 この事例から分かるように,「学校」は,実は絶大な「教育」の力をもっている。

 ほんの数十年で,日本人の「動き」を全て,西洋人のそれに変えてしまったのである。


 こんなことが,「親」に可能だろうか。「家族」には可能だろうか。「地域」なら可能なのだろうか。もうお分かりであろう。そんなことは,何れにも,絶対にできはしない。

 日本人全体を変革するという「仕事」は,「学校」という「教育装置」をして,はじめて可能なのである。

 繰り返す。


 「駄目な親」を作ったのは,他ならぬ「学校」である。そこで行われた「授業」である。「駄目な地域」を作ったのも,他ならぬ「学校」である。その「仕事」なのである。そして今,私達教師は,「駄目な国家」を創り上げようとしている。


 目を覚ますことができない「学校」や「教師」は,「亡国の使徒」である。


 2004年度から,毎週のように「TOSS授業技量検定」を行うようになった。

 自分のサークルで行うこともあれば,TOSSの各種セミナーで行うこともある。

 A表からD表・E表・F表まで,それぞれのレベルで真摯な模擬授業が提案されている。

 私は,授業者の「プライド」や「品性」を感じない授業は好まないが,その人が必死になってやっている授業を嫌いになる事は難しい。

 「授業」は,奥が深く,難しい。

 しかし,「国家百年の計」を担う私達は,その仕事の根幹である「授業」の技量を,常に磨き続けてゆかなければならない。

 我が師,向山洋一氏に教えを受けること19年。

 私は,「授業の腕をみがく」事の難しさと,素晴らしさの両方を,ずっと感じ続けている。拙い実践を,教科別にまとめてみたシリーズである。「授業」を追い求める教師の仲間達に,御批正をいただきたい。


  2004年夏 TOSSサマーセミナー『日本の身体感覚』の授業を終えて

   /伴 一孝

著者紹介

伴 一孝(ばん かずたか)著書を検索»

1962年3月生

1985年3月 長崎大学教育学部卒業

2003年4月 長崎市西彼杵郡大瀬戸町立瀬戸小学校

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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