教え方のプロ・向山洋一全集96
体育で研究論文を書く心得10か条

教え方のプロ・向山洋一全集96体育で研究論文を書く心得10か条

体育の研究論文、レポートの作成が上手くいくヒント満載

優れた研究論文の見本、お手本を紹介しながら、どこがどういいのか、具体的に分析し、その結果をもたらした方法を吟味せよとポイントを示唆。骨太な研究論文を作成するためのヒント、たとえば「研究論文は研究の言葉で言え・書け」と事例にもとづき具体的に指摘!


紙版価格: 1,660円+税

送料・代引手数料無料

翌日発送

電子書籍版: なし

ISBN:
978-4-18-437610-6
ジャンル:
教育学一般
刊行:
対象:
小・中
仕様:
A5判 144頁
状態:
在庫あり
出荷:
2018年10月16日
新学習指導要領解説書籍
テキスト採用品見本お申込みはこちらから

目次

もくじの詳細表示

1 向山洋一全集全一〇〇巻刊行へのまえがき
/向山 洋一
2 私とTOSS―こうして出逢った教師修業のドラマ
/澤田 英一
T 優れた研究論文の“よい条件”はここだ!
1 筋がいい研究論文の見本
◆頸反射を利用した走り高跳びの指導
2 結果をもたらした方法を吟味せよ
◆足の遅い子もタイムを縮めることができた短距離走の指導
3 時代を切り拓く気迫を!
◆相互評定・個別評定で走り高跳びを指導する
4 論より証拠
◆ハードル走の指導は大腿部の角度を大きくさせること
5 研究論文の自覚を!
◆かけっこ大好き―スピードタッチ走―
6 追試論文は分析こそ大切である
◆スピードを落とさず走れるようになるハードル走の指導
7 楽しんで、おもしろがって、バトンタッチの練習を繰り返すような工夫を
◆力強い個別評定を行い二時間でバトンパスの苦手な子を半分にする指導
8 基本は「型」を教えることである
◆タオル一本を使って、短距離走の腕振りの指導をする
U 水泳指導の研究論文“よい例・不足例”
1 あおり足からビーチサンダルは離れていった
◆水恐怖症だったA子(一年生)が水に潜ることができるようになったフラフープ遊び
2 ていねいだが平凡だ@
◆あおり足になるには理由がある
3 ていねいだが平凡だA
◆け伸びから一回呼吸のけ伸びへ
4 「効果」を実証した論文である
◆どの子も水泳二五メートル達成! ヘルパーシステム!
5 「研究論文」をもっと意識して……
◆水難事故から命を守る着衣泳の指導―浮いていれば命が助かる―
6 もっと密度の濃い授業を!
◆楽しく交流! 水泳、第一時の指導
7 実に優れた論文である
◆二〇〇メートルを楽に泳がせる指示
V 研究論文は“研究の言葉”で言え!
1 研究の言葉で言え!
◆七分間で歌声が三倍! 体ほぐし
2 原理に戻りつつ絶え間ない工夫と努力を
◆走力差があっても楽しい鬼遊び「ベースボール型鬼ごっこ」
3 骨太な研究論文を!
◆チームワークを育てる鬼遊びの指導―小野隆行氏実践の追試―

1 向山洋一全集全一〇〇巻刊行へのまえがき
   /向山 洋一

 向山洋一全集全一〇〇巻が刊行されることになった。

 これは、日本の教育界で初めてのことであり、他の分野でもほとんど耳にしない出来事である。

 私が、小学校で三十二年間実践したことのすべて、千葉大学、玉川大学で十年余にわたって教えたこと、NHKクイズ面白ゼミナール、進研ゼミ、セシールゼミ、光村、旺文社、正進社、PHP、サンマーク出版、主婦の友社などで発刊した教材群(その多くは、日本一のシェアをとった)などが入っている。

 すべての子どもの学力を保障するために、とりわけ発達障がいの子の学力、境界知能の子の学力を保障するために、慶応大学など多くの専門医と協同研究をしてきた成果でもある。

 教育技術の法則化運動は、結成して一年で日本一の大きな研究団体となり、二十一世紀にそれをひきついだTOSSは、アクセス一億、一ケ月で七十七ヶ国からのアクセスがあるなど、ギネスものの無料のポータルサイトとなって、多くの教師、父母の方々に情報を提供するようになった。

 TOSS学生サークルも全国六十大学に広がり、TOSS保護者の支援サークルも生まれている。

 総務省、観光庁、郵便事業会社と全面的に協力した社会貢献活動もすすめてきた。例えば、「調べ学習」として、全国一八一〇自治体すべての「観光読本」(カラー版)を自費で作り、八〇〇余の知事、市、町村長からのメッセージをいただいている。

 このような大きな教育運動の中で、多くの方々と出会い仕事を共にしてきた。波多野里望先生、椎川忍総務省局長はじめ、幾多の方々の応援に支えられてきた。

 また、こうした活動を普及していく多くの編集者とも出会ってきた。

 とりわけ、お世話になったのが、向山洋一全集全一〇〇巻のほぼ全部を創ってくれた江部・樋口編集長である。多くの方々に心から御礼の意を表したい。

 この一〇〇巻が完成する時、二〇一一年三月一一日、一〇〇〇年に一度といわれる巨大地震が日本をおそった。

 東北地方太平洋岸が壊滅的な被害をうけた。

 向山洋一全集全一〇〇巻と共に、この東日本大震災のことも、この全集に含めておきたい。

 どこよりもはやく、東日本復興の企画会議を招集し、今回百数十人から寄せられた「復興企画」の中から寄稿をお願いしたものである。

 「TOSSの活動、願い、実行力」を具体的に示すものとして、後世に長く伝えられていくことと思う。



2 私とTOSS―こうして出逢った教師修業のドラマ
   /澤田 英一


 TOSSとの出逢いの原点は、向山洋一全集第4巻である。題名は『最初の三日で学級を組織する』だ。

 大学の先輩が「これを読まないと学級崩壊するよ」と強く薦めてきた。周りに聞くと、ほとんどの友人が持っていた本であった。すぐに本屋に向かった。教壇に立つ一カ月前の事である。大学では教えてくれないことばかりが書いてあった。赤線、付箋でいっぱいになった。手に入れたその日は、徹夜して本を読んだ。

 この時点では、TOSSという日本最大の民間教育研究団体の存在は知らない。


 TOSSを知り、サークルに入ったきっかけはTOSSデーである。

 二〇〇七年の三月、TOSSデーに足を運んだ。教師一年目の三月である。それまで活用していたTOSSランドを通して、サークルやTOSSデーというものがあることを知った。

 初任者研修のようなイメージで参加した私は、次々とおこなわれる模擬授業に圧倒された。同じ世代の先生が、堂々と人前で授業をしている姿に悔しさをおぼえた。自分も、授業には自信があったのだ。職場の先生からほめられたこともあった。しかし、自分の教室での姿と比較すると、天地雲泥の差だ。

 指導書を見ないで模擬授業をしている。しかも、ずっと笑顔で進めている。なんといっても、体中からオーラを感じる。

 TOSSの先生が担任している子どもたちは幸せにちがいない。そんなことを思いながら、会場を後にした。


 二年目は五年生を担任した。一年目を子どもたちと楽しく終えることができた私は、“きっと同じようになるだろう”と期待しながらスタートしたのであった。

 しかし、六月中旬、子どもや保護者から「前の先生の授業の方がおもしろかった」「期待はずれの先生」という声があがった。一人や二人ではない。多くの人から言われた。

 自分が思い描いていた教師生活とかけ離れた現実を突きつけられ、自信を失った。

 なんとか現状を打開しようと、家に帰って本を読んだり、インターネットを見たりしながら、日付が変わるまで次の日の授業の準備をした。

 教室までの道のりが遠く、子どもの前に立つことが怖くて仕方のない毎日であった。努力はした。しかし、変わらない。子どもの授業放棄、女子間のトラブルなど、放課後はその報告や対応で時間が流れた。

 夢にまで見た教師という仕事がこれほどまで辛いものなのか。解決策も見いだせないまま、ただ目の前の事だけに振り回される日々を過ごした。


 十月、男女間の仲がかなり悪くなっていた。このままでは、子どもたちに申し訳ないという気持ちが日に日に強くなっていった。ついに、サークルの門をたたく。子どもを変える前に、自分が変わらなければと思ったのだ。

 初めての模擬授業は「あかねこ漢字スキルのユースウェア」だ。緊張のあまり、頭の中が真っ白になったが、最後までやることができた。授業後、すぐにサークルの先生がコメントしてきた。「澤田先生は、教室右後ろが見えてません。目線が届いてないです」

 これまで言われたことのない指摘だったが、なぜか爽快感をおぼえた。

 懇親会にも初めて参加した。そこでは、子どもの悪口を言う教師は一人もいなかった。

 向山実践の論文を貼り付けたノートを片手に語る先生と席を隣にした。その熱き語りに、心が躍った。「自分もこんな教師になりたい」と思ったのである。

 そこにいた教師は例外なく、「腹の底からの手ごたえ」と「子どもの事実」を求めて集っていた。

 教育委員会から採用の連絡が来た時の決意を思い出した。「自分が担任する子どもは全員幸せにする」というものだ。その願いをTOSSなら実現できると確信した。

 この日からTOSS教師としてスタートしたのである。

 向山氏は次のように言う。


  技術は、本を読めばよい。

  しかし、技能は、本を読んだだけでは駄目だ。

  技能を身につける修業をしなければならない。

  上達のための修業は、自分一人の努力では限界がある。我流では、ほとんど上達しないのだ。

    『教室ツーウェイ二〇〇六年六月号』(明治図書)


 模擬授業、授業技量検定、論文審査、様々なことに挑戦した。今まで自分が努力してきた方法と全く違っていた。だが、やることが明確であり、緊張場面を通るものばかりであった。自分の成長を教室で実感できた。

 持ち上がっての六年担任は、もがきながらではあるが卒業させることができた。

 その卒業生全員からメッセージをもらった。


  「澤田先生の、第一番目の卒業生になれて嬉しいです。授業なども、おもしろい&分かりやすかったです。」

  「澤田先生との二年間はとっても楽しかったです。難問、二重とびリレーなど楽しいことをいっぱいしてくれました。」

  「私は百人一首が好きでした。色別に分けてやったので、覚えやすいし、戦いやすかったです。百人一首に興味を持てたのも先生のおかげです。同窓会、楽しみにしています。」


 どれも、TOSSで学んだことだ。

 数人の保護者からも手紙をもらった。感謝の言葉ばかりであった。


 辛く長かった日々が、TOSSと出逢えたことで、すべて感謝の日々に変わった。

 TOSSが、私の教師人生を変えたのである。振り返れば、寝る時間も惜しんで読んだ向山全集がすべてのスタートだった。

 向山氏がつくった教育技術法則化運動、そしてTOSSは、教師の夢を実現するための舞台だ。すべての教師に、チャンスを与えてくれる。

著者紹介

向山 洋一(むこうやま よういち)著書を検索»

1943年9月15日生まれ

1968年3月 東京学芸大学社会科卒業

2000年3月 東京都大田区立多摩川小学校退職

教育技術法則化運動代表,千葉大学非常勤講師,上海師範大学客員教授,日本教育技術学会会長,日本言語技術教育学会副会長。

月刊『教室ツーウェイ』『向山型「算数」』『向山型「国語」』編集長。月刊『教育トークライン』,隔月刊『ジュニア・ボランティア教育』編集人。

日本一のインターネット教育情報ポータルサイトTOSSランド代表。

伴 一孝著書を検索»

長崎市立橘小学校

椿原 正和著書を検索»

熊本県人吉市立人吉東小学校

松藤 司著書を検索»

大阪府泉佐野市立長坂小学校

澤田 英一著書を検索»

東京都町田市立成瀬中央小学校

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書
読者アンケート回答でもれなく300円分のクーポンプレゼント!

ページトップへ