教え方のプロ・向山洋一全集93
中学年算数・混乱するところをシンプルに授業するワザ

教え方のプロ・向山洋一全集93中学年算数・混乱するところをシンプルに授業するワザ

子どもが必ず混乱するところを見定め、繰出す先手必勝ワザ

教科書をざっと眺めていて「子どもがグチャグチャになることが予想される操作活動」の単元をどのように位置づけるか、その秘策を開示。また授業に知的興奮をかもし出す<イラスト図、テープ図、線分図、面積図>をもっと活用するとよい授業が実現する!実例を沢山紹介。


紙版価格: 2,300円+税

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
978-4-18-437318-1
ジャンル:
教育学一般
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 228頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2018年7月23日
教育書サマーフェア
テキスト採用品見本お申込みはこちらから

目次

もくじの詳細表示

1 向山洋一全集全一〇〇巻刊行へのまえがき
/向山 洋一
2 TOSSの教師修業で奇跡のような出会いがあった
/戸村 隆之
T 三年 子どもが混乱するところをシンプルに組み立てる
1 さらに一歩を進める努力を! 東京書籍「3けたの数のひき算」
2 イラスト図、テープ図、線分図、面積図の解法をもっと勉強すること 啓林館「かくれた数はいくつ」
3 よい授業は原則をふまえている 啓林館「わり算」
4 あくまでシンプルにスッキリと 啓林館「2けたをかけるかけ算の筆算」
5 あくまですべての子に(できない子もそしてできる子も)、知的で熱中する授業を! 啓林館「わり算をつかったもんだい」
6 授業に知的興奮を! 東京書籍「九九を見なおそう」
7 ポイントの部分の工夫を! 東京書籍「重なりに目を向けて」
8 教科書には、ひどい教材も入っている。問題解決学習のライターが改悪した部分も多い 東京書籍「重さをはかろう」
9 子どもが身につけるべき学習技能を大切に育てる 東京書籍「長方形と正方形」
10 グチャグチャになる操作活動をどのように位置づけるか 啓林館「はこづくり」
11 問題解決学習の執筆者が悪化させている算数教科書 東京書籍「ぼうグラフと表」
12 グラフ、表の記入はまず一つを記入チェックする。それは、どれからかが問題だ 教育出版「ぼうグラフのかき方」
13 地図をながめさせ、道のり・距離の定義を教え、キロの意味を示す 東京書籍「長さのたんい」
14 子どもの活動を取り入れる 学校図書「電車の時こく表を読もう」
15 改悪された教科書の導入を補っていく 啓林館「ドルフィンのまほう学校 何倍になるのかな」
U 四年 「向山型算数」への入門問題、わり算指導
1 教科書のポイントとなる部分を中心に授業せよ! 東京書籍「倍の計算」
2 テーマは表をどう扱うかである 啓林館「表とグラフ」
3 この問題は「向山型算数」への入門問題である 東京書籍「2けたの数でわる筆算(1)」
4 基本のわり算の指導でさえ、向山型にははるかに遠い 東京書籍「わり算の筆算(1)」
5 後から理解できることもある 東京書籍「わり算の筆算(2)」
6 再びポイントをしぼってシンプルに 東京書籍「三角形のなかまを調べよう」
7 わり算で最も難しい指導 東京書籍「2けたの数でわる筆算(2)」
8 向山の介入授業から見えてくること 東京書籍「角の大きさ」
9 「定義」「基本」にもっとこだわって考える 教育出版「角」
10 抽象化を教える前に、具体的イメージを! 東京書籍「数を表すしくみ」
11 「はした」の意味にもっとこだわること。分数と小数では違う部分があることを知ること 啓林館「分数」
12 原理を貫く授業プランを考える 東京書籍「広さの表し方」
13 応募者は好成績。もっと突っ込んで検討 東京書籍「がい数の表し方」
14 第一発問を、どこから入るのか 啓林館「ぼうグラフと折れ線グラフ」
15 基本概念をふまえて 啓林館「変わり方」
16 逐一指導では知的な子を育てられない 大阪書籍「4年のまとめ」
17 問題の配列に注目する。大切なのはどういう考えで展開するかだ 大阪書籍「4年のまとめ」

1 向山洋一全集全一〇〇巻刊行へのまえがき
   /向山 洋一

 向山洋一全集全一〇〇巻が刊行されることになった。

 これは、日本の教育界で初めてのことであり、他の分野でもほとんど耳にしない出来事である。

 私が、小学校で三十二年間実践したことのすべて、千葉大学、玉川大学で十年余にわたって教えたこと、NHKクイズ面白ゼミナール、進研ゼミ、セシールゼミ、光村、旺文社、正進社、PHP、サンマーク出版、主婦の友社などで発刊した教材群(その多くは、日本一のシェアをとった)などが入っている。

 すべての子どもの学力を保障するために、とりわけ発達障がいの子の学力、境界知能の子の学力を保障するために、慶応大学など多くの専門医と協同研究をしてきた成果でもある。

 教育技術の法則化運動は、結成して一年で日本一の大きな研究団体となり、二十一世紀にそれをひきついだTOSSは、アクセス一億、一ケ月で七十七ヶ国からのアクセスがあるなど、ギネスものの無料のポータルサイトとなって、多くの教師、父母の方々に情報を提供するようになった。

 TOSS学生サークルも全国六十大学に広がり、TOSS保護者の支援サークルも生まれている。

 総務省、観光庁、郵便事業会社と全面的に協力した社会貢献活動もすすめてきた。例えば、「調べ学習」として、全国一八一〇自治体すべての「観光読本」(カラー版)を自費で作り、八〇〇余の知事、市、町村長からのメッセージをいただいている。

 このような大きな教育運動の中で、多くの方々と出会い仕事を共にしてきた。波多野里望先生、椎川忍総務省局長はじめ、幾多の方々の応援に支えられてきた。

 また、こうした活動を普及していく多くの編集者とも出会ってきた。

 とりわけ、お世話になったのが、向山洋一全集全一〇〇巻のほぼ全部を創ってくれた江部・樋口編集長である。多くの方々に心から御礼の意を表したい。

 この一〇〇巻が完成する時、二〇一一年三月一一日、一〇〇〇年に一度といわれる巨大地震が日本をおそった。

 東北地方太平洋岸が壊滅的な被害をうけた。

 向山洋一全集全一〇〇巻と共に、この東日本大震災のことも、この全集に含めておきたい。

 どこよりもはやく、東日本復興の企画会議を招集し、今回百数十人から寄せられた「復興企画」の中から寄稿をお願いしたものである。

 「TOSSの活動、願い、実行力」を具体的に示すものとして、後世に長く伝えられていくことと思う。



2 TOSSの教師修業で奇跡のような出会いがあった
   /戸村 隆之


 「A先生の授業のほうがいい」

 初任の時。一人の子どもの言葉が教師修業の原点である。

 算数の授業。少人数クラスで、クラスの半分を担任の私。半分をベテランの先生が教えていた。

 四年生、持ち上がりの学級。「いい学級」と言われていた。若さと勢いでなんとかなると思っていたが、大間違い。大学を卒業していきなりの担任。授業のやり方もさっぱりわからない。頼りは指導書だけ。今思えば、我流オンパレードの授業、いや授業にもなっていない授業をやっていた。

 隣の学級の雰囲気と明らかに違っているのが分かった。学年主任の授業を参観すると、子どもたちが落ち着いて、授業に集中して取り組んでいる。学年で行動すると、自分のクラスが遅れをとってしまう。他のクラスとの差を感じていた時の、冒頭の言葉である。

 私は、その言葉を聞いて黒板の前に立ち尽くした。

「ごめん。先生も勉強して分かりやすい授業をするから」

 こうつぶやくのが精一杯だった。あの時の冷や汗、自分の至らなさを実感した感覚は忘れられない。

 授業のやり方を学ばなければいけない。休みの日に本屋へ向かった。

 教育書のコーナーから、算数授業に関する本を買いあさって読んだ。しかし、私が求めている情報は少なかった。

 その時の私には、「授業のマニュアル」が必要だったのだ。

 学生時代、様々なアルバイトをした。仕事には必ずマニュアルがある。接客業では、お客様へどのように声をかけるか、注文をどのように聞くか、どのようにオーダーをするかなど一言一句決まっていた。最初は、マニュアル通りに仕事を行い、様々な対応術を学んでいく。

 私は教師向けの「授業のマニュアル書」があるとばかり思っていた。

 購入した本には、授業の概要やネタなどはあったが、一時間の授業をどのような発問で進めるのかといったものはほとんど無かった。

 本を探していると、発問・指示が具体的に書かれて、すぐに授業で使える本が見つかった。

 その本には共通点があった。「法則化」「TOSS」「向山洋一」という記述があることだった。

 そこで、本屋で「法則化」「TOSS」「向山洋一」と書かれたものをとにかく購入した。

 教育書をこんなにも購入したのは初めての経験だった。TOSSの本を読んでいると、「この授業を教室でやってみたい」「こんな学級を作ってみたい」「いい授業ができる教師になりたい」という思いが強くなる。

 特に向山洋一氏の本は、引きこまれた。読んでいるとあっという間に時間が過ぎてしまう。先が読みたくて仕方がなくなる。もっと他の本も読みたくなってしまう。厳しいことも書いてあるが、自分に足りないものが具体的に分かり、もっともっと勉強したくなった。

 本に書かれている授業を追試する。

 私が思いつきでやっていた授業とは明らかに子どもの反応が違う。

 この時、「TOSSで学ぶしかない」と強く思った。

 しかし、サークルやセミナーに参加するのは、ハードルが高かった。

 「サークルでの模擬授業で技量が向上する」という言葉を何度も見るが、全く知らない所に参加するきっかけがつかめなかった。

 そこで出会った一つの記事。第1回TOSSデー(全国一斉セミナー)の案内だった。

 新卒3年目までの教師は参加費が1000円。さらに全国各地の会場でセミナーが実施される。

 自分のためのセミナーだと直感した。そこで参加したのが、千葉市のTOSSデー会場。根本正雄氏のサークルのTOSSデーであった。

 とにかく講座の分かりやすさ、初めて見るTOSSの授業に感動した。

 もっともっといろいろなことを知りたいと強く思い、セミナー後の懇親会まで参加した。

 初めて会う先生方との懇親会。緊張していてどんな事を話したのか覚えていない。

 一つだけ覚えているのは、サークルに参加する宣言をし、根本氏に握手していただいたこと。

 根本氏の力強い握手の感触は、今でも残っている。

 私のTOSSでの教師修業がここから始まった。

 TOSSで学び始めて十年になる。

 普通に教師をやっていてはできない、様々な経験をすることができた。

 全国各地のセミナーに参加する。全国各地の先生と知り合いになる。

 二十代合宿で、全国の同世代の先生と寝食を共にして学ぶ。

 教師を志す学生と出会い、一緒に大学でサークルを立ち上げる。

 セミナーの企画・運営をする。

 五百名以上の先生の前で模擬授業をする。

 札幌のよさこいソーラン祭りの舞台に立つ。数万人の観客の前でニャティティソーランのパレードをやった。

 全国から一千名をお招きする、根本正雄校長の公開研究会の運営に携わる。

 全国の郵便局と連携した、郵便教育推進の事務局になる。

 雑誌や本の原稿を書く。自分のサークルで本を出版する。

 全てが楽しい教師修業だった。全ての事が、学校の仕事、授業にリンクする。

 様々なドラマの中でも、一番大きな出来事は、


  向山氏から直接学ぶことができるようになった


ことである。

 向山一門、TOSS中央事務局、青年事務局に入り、毎週のように向山氏の近くで学ぶことができる。

 こんな幸せなことはない。

 新卒の時に本でしか知らなかった、遠い遠い存在であった向山氏から直接学ぶことができる。奇跡のようなことだ。

 TOSSで学ぶようになって大きく変わったこと。自分だけで学ぶのではなく、多くの人にTOSSの素晴らしさを伝えなければいけないと考えるようになったことだ。

 向山一門として、向山氏の実践、思想を継承していく。それが一生かけての使命である。

著者紹介

向山 洋一(むこうやま よういち)著書を検索»

1943年9月15日生まれ

1968年3月 東京学芸大学社会科卒業

2000年3月 東京都大田区立多摩川小学校退職

教育技術法則化運動代表,千葉大学非常勤講師,上海師範大学客員教授,日本教育技術学会会長,日本言語技術教育学会副会長。

月刊『教室ツーウェイ』『向山型「算数」』『向山型「国語」』編集長。月刊『教育トークライン』,隔月刊『ジュニア・ボランティア教育』編集人。

日本一のインターネット教育情報ポータルサイトTOSSランド代表。

木村 重夫著書を検索»

埼玉県皆野町立皆野小学校

兼田 麻子著書を検索»

茨城県ひたちなか市立市毛小学校

大関 貴之著書を検索»

福島県喜多方市立第一小学校

戸村 隆之著書を検索»

千葉県野田市立南部小学校

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書
読者アンケート回答でもれなく300円分のクーポンプレゼント!

ページトップへ