教え方のプロ・向山洋一全集90
世界に誇る日本の文化を授業する

教え方のプロ・向山洋一全集90世界に誇る日本の文化を授業する

学校が教えなかった、大切な日本文化百人一首など復活の道

“素読”が日本の伝統文化の原点だ!五色百人一首―クラスがまとまるすぐれもの。戦後教育が“善意”で犯した罪。子どもの「算数ノートの冊数」を呼びかける理由。「自由」を使いこなせない学校。「規範と秩序」を教えられない教師。


紙版価格: 1,360円+税

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
978-4-18-437016-6
ジャンル:
教育学一般
刊行:
対象:
小・中
仕様:
A5判 96頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2019年8月20日
新学習指導要領解説書籍
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目次

もくじの詳細表示

1 向山洋一全集全一〇〇巻刊行へのまえがき
/向山 洋一
2 長崎 原爆からの復興
/伴 佳代
T 日本の伝統文化を現在に生かす
1 “素読”が日本の伝統文化の原点だ!
2 日本の子どもたちを凛とした誇り高く知的な子に育てるために
3 五色百人一首――クラスの荒れを立て直す最強の味方
4 集団(クラス)の中で、「自分は存在している」という実感を持たせることこそ、教師の仕事である
5 五色百人一首――クラスがまとまるすぐれもの
6 教室がまとまるから教師は五色百人一首をやる
7 学級づくりの中心に五色百人一首
8 五色百人一首は、クラスのまとまりを作る最強の文化 中学校では「これしかない」と言われるほどのグッズである
9 荒れたクラスでもその時だけは教師のルールが通る
10 「百人一首」や「俳句かるた」が教室の崩壊を防いでいる
11 毎日のようにルールを学び教師の指導が通る体験が続く
―五色百人一首が学級崩壊を救う本当の理由―
12 ルールを守らざるを得ないクラス集団の力がクラスをまとめあげる
13 五色百人一首でクラスの荒れを立て直した教師はいっぱいいる
14 すぐれた教材は教師を助ける ひどい教材ではクラスが荒れる
15 向山にとって当然すぎることは文章にならなかった―五色百人一首の場合―
16 日本全国津々浦々から寄せられる大反響
17 五色百人一首福岡大会名誉会長原田代議士が文部科学省副大臣に就任
18 それは、ボランティア教師の尊い活動に支えられている
U 戦後教育が“善意”で犯した罪
1 子どもの「算数ノートの冊数」を呼びかける理由
2 子どもに競争を強いた無競争の教師
3 まねをして百回もくり返すことは、長い間かけて人類が得た知恵である
4 自由を使いこなせない学校
5 十分にけんかをしないと仲良くなれませんよ
6 技術こそが事実を作れる
7 「規範と秩序」を教えられない教師
8 「支援」を強要する管理職・指導主事が日本の教育を歪めた
9 個性と自主性を圧殺している算教の問題解決学習
10 評定がいいかげんになった
11 指導方法は民族のDNAを持っている
12 小さな親切、大きなお世話
13 大切なことを学校は教えなかった
あとがき
/星野 裕二・兼田 麻子・大関 貴之

1 向山洋一全集全一〇〇巻刊行へのまえがき
   /向山 洋一

 向山洋一全集全一〇〇巻が刊行されることになった。

 これは、日本の教育界で初めてのことであり、他の分野でもほとんど耳にしない出来事である。

 私が、小学校で三十二年間実践したことのすべて、千葉大学、玉川大学で十年余にわたって教えたこと、NHKクイズ面白ゼミナール、進研ゼミ、セシールゼミ、光村、旺文社、正進社、PHP、サンマーク出版、主婦の友社などで発刊した教材群(その多くは、日本一のシェアをとった)などが入っている。

 すべての子どもの学力を保障するために、とりわけ発達障がいの子の学力、境界知能の子の学力を保障するために、慶応大学など多くの専門医と協同研究をしてきた成果でもある。

 教育技術の法則化運動は、結成して一年で日本一の大きな研究団体となり、二十一世紀にそれをひきついだTOSSは、アクセス一億、一ケ月で七十七ヶ国からのアクセスがあるなど、ギネスものの無料のポータルサイトとなって、多くの教師、父母の方々に情報を提供するようになった。

 TOSS学生サークルも全国六十大学に広がり、TOSS保護者の支援サークルも生まれている。

 総務省、観光庁、郵便事業会社と全面的に協力した社会貢献活動もすすめてきた。例えば、「調べ学習」として、全国一八一〇自治体すべての「観光読本」(カラー版)を自費で作り、八〇〇余の知事、市、町村長からのメッセージをいただいている。

 このような大きな教育運動の中で、多くの方々と出会い仕事を共にしてきた。波多野里望先生、椎川忍総務省局長はじめ、幾多の方々の応援に支えられてきた。

 また、こうした活動を普及していく多くの編集者とも出会ってきた。

 とりわけ、お世話になったのが、向山洋一全集全一〇〇巻のほぼ全部を創ってくれた江部・樋口編集長である。多くの方々に心から御礼の意を表したい。

 この一〇〇巻が完成する時、二〇一一年三月一一日、一〇〇〇年に一度といわれる巨大地震が日本をおそった。

 東北地方太平洋岸が壊滅的な被害をうけた。

 向山洋一全集全一〇〇巻と共に、この東日本大震災のことも、この全集に含めておきたい。

 どこよりもはやく、東日本復興の企画会議を招集し、今回百数十人から寄せられた「復興企画」の中から寄稿をお願いしたものである。

 「TOSSの活動、願い、実行力」を具体的に示すものとして、後世に長く伝えられていくことと思う。



2 長崎 原爆からの復興
   /伴 佳代


 今から二年前、アフリカ・ケニアからの訪問客を、長崎に迎えた。観光地はどことどこをまわったら喜ばれるだろう。折しも、日本三大祭りと言われる「長崎くんち」の真っ最中。「出島」の復元も、完成している。歴史文化博物館では、江戸時代の「おしらす」の時代劇も行われていた。

 その幾つかを案内した後、彼から尋ねられた言葉に衝撃を受けた。


  どこに、原爆の穴が空いているのですか?


 最初は、何を尋ねられているのか、本当に分からなかった。しかし、よく話を聞いてみると、


  ケニアの学校では、長崎は今も原爆の大きな穴が空いているし、草木も生えていないと教えられている。

  そういう場所だから、あぶないから行ってはいけないと、周囲から止められながら来た。


ということだった。

 もちろん、様々な場所を案内した後だったので、「どうやら、事実は違うようですね」という話になった。夜には、稲佐山から夜景を眺め、「とても美しい町です。ケニアに戻ったら、周りの人に伝えます」と熱く語ってくれた。

 私は長崎で教職についているのに、原爆投下後からの町の変遷を視覚的に訴える教材を持っていなかった。

 今回、東日本大震災の様子をテレビや雑誌で見るたびに、原爆を受けた長崎の町と重なる思いがした。たくさんの尊い命が一瞬にして奪われた。ある場所では、建物は破壊され、燃え尽きた。またある場所では、瓦礫が山となした。加えて、福島の原発では、放射能漏れの被害が出た。その点も、重なって見えた。


  東日本大震災の復興に、教育者らしい仕事で携わっていくことはできないか。


 TOSS代表向山洋一氏から呼びかけがあった時、ケニアの客人からの学びを追究していなかったことが悔やまれた。今回の課題で、長崎が原爆から復興した道筋をもう一度見つめ直し、今災害で苦しんでいる子どもたちの「復興への希望」となるような教材をつくりたいと願った。そしてそれは、長崎の子どもたちにとっても、自分の住む町を誇れる素晴らしい教材となるに違いない。原爆資料館や長崎市の平和推進室の方に協力していただき、資料を集めている。

 一九四五年八月九日午前十一時二分、プルトニウム型原子爆弾が長崎の松山町上空五百メートルで炸裂。死者は、七万四千人。当時は、「七十五年、草木生じることなし」と言われていた。しかしながら、その年の秋には、緑が生え始めたのである。

 被爆後一か月しか経っていない爆心地に、集めた瓦礫やトタンでバラックが建ち始める。九月下旬には、バラックの数も七百世帯に増えている。現在の長崎観光で有名な、ランタンフェスティバルのメイン会場にもなっている湊公園に、バラックがぎっしりと建ち並んでいる写真を見つけた。三か月後の十一月には、路面電車が走り始めている。被災した機関車の修理も行っている。四年後には、平和公園爆心地付近に六角形の原爆資料館が開設され、収集した資料の保存・展示が始まっている。また、同じく四年後には、長崎競輪が開催。競輪場は、四か月の突貫工事で竣工した。戦災都市に倣った資金調達のための競輪事業で、批判を受けながらも市の財政に寄与したそうである。……見つけた資料からは、「悲惨さ」以上に「たくましさ」を感じることができた。

 一番感動したことは、「長崎くんち」を被爆の年にも行っていたことだった。被爆後、わずか二か月の、十月の新聞を見つけた。「長崎復興は、先づ諏訪神社から」の見出しに、「(観客が)鈴なりになって」の記事。踊りを奉納する人々の志と、祭りに集まる群衆の思いを、当時の新聞記事と写真から感じ取り、じんときた。この様な一つひとつを、もっと知り、正しく子どもたちに伝えていかなければならない。

 「復興」こそが、現在の日本の最大のテーマである。そして、教師にしかできない復興支援がある。

著者紹介

向山 洋一(むこうやま よういち)著書を検索»

1943年9月15日生まれ

1968年3月 東京学芸大学社会科卒業

2000年3月 東京都大田区立多摩川小学校退職

教育技術法則化運動代表,千葉大学非常勤講師,上海師範大学客員教授,日本教育技術学会会長,日本言語技術教育学会副会長。月刊『教室ツーウェイ』『向山型「算数」』『向山型「国語」』編集長。月刊『教育トークライン』,隔月刊『ジュニア・ボランティア教育』編集人。

日本一のインターネット教育情報ポータルサイトTOSSランド代表。

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※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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