子どもの発言を引き出す基本技 算数科

子どもの発言を引き出す基本技 算数科

好評2刷

子どもがどんどん発言する! 学習システムとテクニックを紹介!

算数での発言の引き出し方として@シャワーのようなほめ言葉で子どもの発言を引き出す、A子どもが生き生きと活動する算数の学習システム、B教科書はこう使う!教科書で教える基本技、C子どもが激変!子どもをわしづかみにする基本技、D驚きの教材教具で発言を引き出す。


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ISBN:
978-4-18-422128-4
ジャンル:
授業全般
刊行:
2刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 144頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2019年11月18日
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もくじ

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まえがき
T シャワーのようなほめ言葉で子どもの発言を引き出す
1 誤答を生かす! 間違いをおそれる子への対応
〜向山実践の追試を通して〜
(1) 誤答を生かして授業を組み立てる
(2) 間違いや×に対する抵抗をなくす
2 教師がほめることが重要
〜させていませんか? T「どうですか?」 C「いいでぇす」〜
(1) 「とりあえず発問」は空気をにごす
(2) 明確な指示・発問から「ほめる」機会をつくる
(3) シャワーのようにほめる
(4) 「シャワーのようにほめる」ために
(5) 「ほめる」達人への道(応用編)
3 意欲を引き出す教師の言葉かけと挑発
〜2年・どんな計算になるかな〜
(1) 授業の「つかみ」は,ノートへの「先生問題」で行う
(2) ほめ言葉にバリエーションと抑揚をつける
(3) 挑発は,笑顔で楽しく行う
4 教室の中の障害児(軽度発達障害のある児童)が熱中する対応術
〜「できない」自分への苛立ちが暴力になってあらわれていたA君〜
(1) 「困っているのは子ども自身」だと受けとめる
(2) 赤鉛筆をなぞらせて,ほめる
(3) 全体に向けて望ましい姿を伝えて,できたらほめる
(4) 活躍の場を与えてほめる
(5) どの子もほめる,ほめ続ける!
5 やんちゃ・ふてくされていた子も喜ぶほめ方
〜教師は多様なほめ方ができなければならない〜
(1) クラス一やんちゃなA君の場合
(2) 繊細な心を持った高学年女子・B子さんの場合
(3) 第2・第3のふてくされる子を出さないために
U 子どもがいきいき活動する算数の学習システム
1 算数の学習規律をこう創る
(1) 道具の準備をさせる
(2) 作業をさせながらルールを教える
(3) ノートの書き方を教える
(4) 問題文をしっかり読ませる
2 子どもの発言で定着させるアルゴリズム
〜向山洋一氏のわり算の筆算の授業VTRから学ぶ〜
(1) わり算の筆算は5つのステップで指導する
3 子どもの意欲を引き出す赤鉛筆指導の極意
(1) 教室を飛び出したAさん
(2) うつせなかったBさん
(3) 赤鉛筆の線は消えるためにある
(4) 赤鉛筆はほめるために入れる
(5) 方向にも意味がある
4 なぞること,写すことの大切さを実感させる基本技
〜「なぞること」「写すこと」に関するエピソード〜
(1) やってごらん,と黙ってそっと赤鉛筆できたら大きくほめてやる
(2) そっくりそのまま写しなさい写真のように。コピーのように
5 黒板は子どもたちの発表の場である
(1) 黒板の環境を整える
(2) 黒板に書く子を指名する
(3) 早く終わった子から黒板に書かせる
(4) わからない子には板書を写させる
(5) 全員書き終わるまで待たずに発表させる
(6) 教師が基本型どおりに子どもに言わせる
(7) どの子も黒板に書けるようになる
V 教科書はこう使う!教科書で教える基本技
1 教科書通り教えることで子どもが落ち着く基本技
〜5年・小数のかけ算・小数の倍〜
(1) 教科書を変化のある繰り返しで何度も何度も使う
(2) 教科書に書いてあることを問う
(3) 教科書通り授業する(実践編)
2 基本問題・類似問題・練習問題のステップで教える基本技
〜安定した活動だから発言が活発になる〜
(1) 見通しがつくから,活発に発言できる
(2) 基本問題で,基本型を示す
(3) 類似問題で,基本型を使って解いてみる
(4) 練習問題で,習熟を図る
3 低学力の子も90点とれる指導の基本技(低学年)
(1) 百玉そろばん
(2) TOSSノート
(3) アルゴリズム
(4) 赤鉛筆指導
W 子どもが激変!子どもをわしづかみにする基本技
1 向山型算数で授業びらき!
(1) 楽しいゲームで授業びらきか?
(2) 私の向山型算数授業びらき
(3) 向山型算数の原理原則を正確に実践する
2 助走問題で子どもの発言を引き出す
(1) 子どもの体験を引き出す
(2) 変化のある繰り返しをする
(3) 基本型を示す
(4) 数字の次の目盛りを読ませる
3 頭がフル回転するオススメ難問
〜4年・難問を授業参観で〜
(1) 難問の授業基本技
(2) 頭がフル回転するオススメ難問
4 みんなノリノリ! 「おすすめ算数ゲーム」低学年
〜応用可能な3つのゲーム〜
(1) 九九ずもう(2年生)
(2) ペアをさがせゲーム(1年生)
(3) ならびっこゲーム(1年生)
5 みんなノリノリ! 「おすすめ算数ゲーム」中学年
(1) インターネットランドを活用する
(2) インターネットランドのゲームサイトの活用のポイント
6 みんなノリノリ! 「おすすめ算数ゲーム」高学年
(1) 計算ビンゴ
(2) 「計算ビンゴ」の進め方
(3) さいころ計算
(4) 「さいころ計算」の進め方
X 驚きの教材教具で子どもの発言を引き出す
1 全員の声が揃う! 「百玉そろばん」の使い方
(1) 立ち位置は百玉そろばんの斜め後方がよい
(2) 目線を送る
(3) 変化のある繰り返しで,リズムに乗ってテンポ良く行う
(4) 聴覚情報だけで,より集中させる
2 スイスイかけ算ができる「かけ算尺」の使い方
〜「これ,わかりやすい!」と6年生も納得する教材〜
(1) 視覚情報の弱いTくん(6年生)
(2) 従来のかけ算九九カードの問題点
3 どの子も満足する「ノートスキル」の使い方・低学年
(1) ノートに書き始める前に身につけさせておきたい4つのスキル
(2) 最初のノートスキルで,授業開始時の準備を安定化させる
(3) 身につけさせたい計算の基本型をノートスキルとして作成する
4 どの子も満足する「ノートスキル」の使い方・中学年
(1) どの子も満足,それは2枚目のときの反応にある
(2) 行う時期を間違えてはならない
(3) 趣意説明を抜いてはいけない
(4) ノートチェックは,はじまって早くにする。ただし,時間差を作る
(5) 全員ができるようにする
5 どの子も満足する「ノートスキル」の使い方・高学年
(1) 出会いの時
(2) ルールの徹底
(3) 2年間を振り返り
Y 毅然とした個別評定で,子どものやる気を引き出す
1 知っておきたい○のつけ方,×のつけ方の基本技
(1) 赤ペンでなく赤鉛筆を使う
(2) 練習問題では3問目で持ってくる
(3) 3問目だけ○をする
(4) 教師の所にくる経路は,1回目と2回目以後ではちがう
(5) 問題の○のつけ方
(6) 学習の遅れが目立つ子への対応の仕方
(7) 特別支援が必要な子どもたちへの対応の仕方
2 個別評定でこんなにかわった! 子どもの実物ノート
(1) ノート指導以前に「一時に一事」
(2) ミニ定規をプレゼント
(3) 女子にも効果てきめん
3 丁寧さを身につけさせる技
〜5年・百分率とグラフ〜
(1) 変化のある繰り返しで,細部に目を向けさせる
あとがき
向山洋一教育実践原理原則研究会 会員募集

まえがき

 TOSS授業技量検定D表の項目には,教師が,子どもの発言を引き出すための極めて大切なポイントが示されている。

 まず,子どもへの目線が重要だ。視線が空中を漂っていたのではダメだ。指導案やノートを見ながら,黒板の方を見ながらの言葉かけは,子どもの発言を引き出すことはできない。

 また,どのような素晴らしい言葉をかけたとしても,緊張したような強ばった表情や冷たい表情では,逆効果だ。あたたかな表情で言葉かけをしたい。


   TOSSS授業技量検定D表評価項目

   1 授業の始まり15秒のつかみ  10点

   2 子どもへの目線  10点

   3 あたたかな表情,対応  10点

   4 明確な発問・指示  10点

   5 心地よいリズム  10点


 授業での教師の言葉かけの中心は,発問,指示,説明である。

 子どもたちの発言を引き出したいのなら,まず,発問こそ徹底的に研究すべきだ。発問は,授業の背骨なのである。

 その他の言葉かけがいくら優れていても,発問がダメな授業はダメだ。

 向山洋一氏(TOSS代表)は,『授業の腕をみがく』(明治図書)で,「考えぬいた発問(言葉)を,正確にくり返せることが大切だ。」と述べている。

 行き当たりばったりのいい加減な発問では,授業がバラバラになる。言い直すたびに,発問が揺れるのも問題外だ。子どもたちの集団思考を促す発問,できる子が間違えて,できないと思われていた子が正答するような,逆転現象を引き起こす発問,A派とB派に激しく対立する発問,討論が成立する発問,授業内容の中心部分を抉るような発問がよい。こうした発問により,子どもの発言は引き出される。

 指示は,短く限定されているべきだ。

 向山氏は,『授業の腕をみがく』(明治図書)で,「指示の中心をはっきりさせよ。言葉のイメージを限定せよ。私なら『くらべなさい』ではなく『誰の水筒が一番多く入るかな』というような表現を使う。指示を与える場合,何のために何をするのかがはっきりわかるように言葉を使うことは,子どもを集中させたり,行動させたりする上で大切な事であると思う。」と述べている。

 適切な指示は,子どもの発言を引き出す基本中の基本の技だ。

 それでは,説明で子どもの発言を引き出すには,どうしたらよいだろうか。

 長い説明によって,授業をしたつもりになっている教師がいる。「えー,藤原道長は,広大な寝殿造りの屋敷に住んで,娘が天皇のきさきとなりまして,…」このような長い説明は,誰も聞いていない。実に眠い授業だ。

 例えば,道長の屋敷の面積を自分の校区の地図上に置いてみさせるとか,道長の年収を現在のお金に換算させるとかといった学習活動を通して,子どもに気づかせるべきなのである。

 向山氏が,「30秒をこえる説明は,ダメだ。私は多分10秒以内だ」と言う通り,説明は削れば削るだけ,子どもの発言を引き出すことができる。授業は,活発になり,テンポもよくなる。自分の授業を録音して,説明の時間を計ってみる修業が必要だ。

 賞賛や激励も,極めて重要な基本技だ。

 それでは,どのようにこれらの言葉かけをすれば,子どもの発言を引き出すことができるのだろうか。

 1984年12月1日に,筑波大学附属小学校の有田和正氏の学級で行われた向山氏の飛び込み授業のVTRを分析して,ほめる言葉,励ます言葉を抽出してみた。

 「すごいですね。さすが有田学級です。全国で2番目にすごいですね。向山学級の次です。先生の学校の6年生でやって,そういうのは出ませんでした。大変いいことを読んでくれました。すごいですね。さすがですね。たぶん,ほとんど,有田学級のみんなならば調べられます。なるほど,すごいですね。そういう言葉に目をつけるなんて。有田学級のすべてを結集したのが,これですね」

 誠に,見事な賞賛や激励の言葉である。

 私も,「う〜ん,さすがに,今年の北小の6年1組は素晴らしいね。こういうのは,今まで,出てきたことはありません。先生,驚きました!」というような賞賛する言葉をよく使う。

 心を込めて発したこのような賞賛の言葉によって,子どもたちの学習意欲が強く喚起され,発言したいという意欲につながることがよくわかる。

 面白いのは,いわば挑発とも言える「全国で2番目にすごいですね。向山学級の次です」という言葉かけだ。私も,「岡田学級でこの程度ですか。本当に降参ですか」などと使うことがあるが,これも発言を引き出すには,大変効果的な言葉かけである。

 本書には,向山洋一教育実践原理原則研究会の会員が日々の具体的な教育実践を通して抽出した「基本技」を整理して数多く収録した。

 ぜひとも習得していただき,子どもの発言を引き出していただきたい。


   /岡田 健治



 まさに脳天からぶんなぐられたような強い衝撃を受けた言葉がある。それは向山氏の言葉である。

 「たどたどしく音読する子に対して,『やり直し!』などと冷たい声をかけるのは,教師失格です。『一箇所だけ,つっかえちゃった。もう一度読んでみようか』と声をかけるのです。

 読めないのは,その子のせいじゃない。生育であり,親の責任,教師の責任なのだ。その子を責めたって仕方ないじゃないですか!」

      (2002年向山型国語教え方教室in広島・小林メモ)

 これまで何度と子どもたちに「読み直し!」と言ってきたことだろうか。何と自分は冷たい教師だったのだと強く感じた。

 今なお,向山氏の言葉が脳裏を駆け巡る。自分の弱さと未熟さ,そして思い上がる心をずばり指摘された思いだった。


 『授業名人の教育語録』(明治図書)という1冊の本がある。有田・野口・向山,3名人の教育語録が集大成された本だ。

 表表紙には,3氏の代表的な語録がある。

 「向上的変容の連続的保障を」(野口氏)

 「鉛筆の先から煙が出るスピードで書きなさい!」(有田氏)

 「子どもはほめてほめてほめまくれ!」(向山氏)

 さすがに,表表紙を飾るにふさわしい3氏の教育語録だ。

 かつて,3年1組向山学級・理科「じしゃく」の授業ビデオを見て語る会が,新牧賢三郎氏の企画で行われた。

 「なぜ,子どもたちは,あんなに発表するのか」という参加者の疑問に対し,向山氏は次のように答えたという。

 「私がほめ続け,かつ1時間に1回ずつ聞き続けたという結果が第1です。」

      (『向山式ファイルで教師の実力アップ術』明治図書,129ページ)

 かつて,館野健三氏が,「雪国のくらし」の授業で,「どのようにしてあのような子どもを育てたのですか」と向山氏にたずねた。これに対しても,「ほめ続けることです」と,向山氏は答えたという。

 これらのエピソードが示すように,子どもの発言を引き出すための第1の条件は,毎時間「ほめ続ける」ことなのである。

 髪の毛一筋のかすかな子どもの成長を見逃さずにほめること。

 クラスの一線を越えるような素晴らしい発言をすかさずほめること。

 このような行為の繰り返しが,子どもたちの発言を引き出すエネルギーとなるのだ。

 有田氏は,向山学級のエピソードとして次のように述べた。

 「わたしが感動したのは,クラスの関係者がどなたかなくなったとき,クラスの子どもに『黙とう』をさせるということである。」

      (『社会科教育』明治図書,1999年10月号,30ページ)

 クラスの一人ひとりを大切にするという思いが,まさに象徴されるエピソードである。


   /小林 幸雄

著者紹介

岡田 健治(おかだ けんじ)著書を検索»

1958年岡山県生まれ

北海道教育大学教育学部卒業

岡山県津山市立北小学校教諭

TOSS作州教育サークル副代表 向山洋一五番弟子

季刊『授業の原理原則トークライン』(岡山教育技術研究所)編集長

小林 幸雄(こばやし ゆきお)著書を検索»

1958年岡山県生まれ

岡山大学教育学部卒業

岡山県津山市立佐良山小学校教諭

TOSS作州教育サークル代表 向山洋一六番弟子

季刊『授業の原理原則トークライン』(岡山教育技術研究所)編集長

松尾 英樹(まつお ひでき)著書を検索»

広島修道大学人文学部卒業

兵庫教育大学大学院学校教育研究科修了

岡山県津山市立一宮小学校教諭

TOSS作州教育サークル所属

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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