子どもの発言を引き出す基本技 国語科

子どもの発言を引き出す基本技 国語科

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子どもがどんどん発言する! 学習システムとテクニックを紹介!

国語科の基本技にして@子どもの発言を引き出す学習システム、A子どもの発言を引き出す発問の基本技、B子どもの発言を引き出す対応の基本技、C子どもの発言を引き出す教室環境、等詳細な事例で示す。特に参観日の「学習規律」の徹底が子どもの発言を引き出す。


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ISBN:
978-4-18-422019-5
ジャンル:
国語
刊行:
6刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 160頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2019年11月22日
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もくじ

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まえがき
T 子どもの発言を引き出す学習システム
1 一気に子どもを引き込む導入の基本技
(1) フラッシュカードでどんどん発話させよう
(2) 詩文暗唱でつぎつぎと声に出して読むことに挑戦させよう
(3) 辞書引きシステムで発言をうながそう
2 ノート指導で子どもの発言力をつける
(1) 「視写」「聴写」で書き慣れる
(2) 箇条書きで発言力
(3) 型を示し,文章のスタイルを真似させる
(4) 情報を書き込む〈書く観点に気づく〉
(5) 対比させて,書かせるノートづくり
3 黒板を子どもに開放して,発言を引き出す
〜「漢字の広場」でモデルを示しながら,文つくりを進める〜
(1) 追い読みと口頭での発表
(2) 漢字ひとつを使った文を板書させ,評定する
(3) 漢字二つを使った文を板書させ,評定する
(4) 漢字をたくさん使った文を,次々と口頭で発表させる
4 指名なし発表と意図的指名を使い分ける基本技
(1) 発表を支える構え
(2) 発表させる上での基本技
(3) 指名なし発表と意図的指名を使い分ける
5 情報交換の場を設定して,発言を倍増させる
(1) 意見を出さざるを得ない場を組み込む
(2) 隣同士という情報交換の場を組み込む
(3) 隣同士は最重要な情報交換の場である
(4) 討論への過程は情報交換の場である
6 上達のステップを教え,個別評定で発言力をつける
〜個別評定は迷うな〜
(1) 河田孝文学級の「発言力」をさぐる
(2) 上達のステップ─指名なし音読
(3) 上達のステップ─指名なし発表
(4) 上達のステップ─逆転現象と発表の観点
7 内部情報の蓄積で,どの子どもも自分の意見が持てる
(1) 「わきお」の指示で内部情報の蓄積
(2) 一字読解で内部情報の蓄積
8 局面の限定で,思考のポイントを明確にする
(1) 局面の限定で子どもの力を引き出す
(2) 話す・聞くスキルで子どもの表現・発言を引き出す授業の進め方
9 変化のある繰り返しで,子どもの発言意欲を高める
(1) なぜ変化のある繰り返しか
(2) 漢字文化で変化のある繰り返し
U 子どもの発言を引き出す発問の基本技
1 意見が分裂する発問はこれだ
〜アウトライン作文を使って「登場人物」と「主役」の検討〜
(1) アウトライン作文を使って「登場人物」と「主役」の検討
(2) 「主役はだれ?」から「主役は何?」へ
2 限定した問いが思考力を鍛え,発言を促す
(1) 局面を限定する発問で子どもの意見を分裂させる
(2) 子どもの意見が3つ以上に分かれたときの扱い
(3) 局面の限定による逆転現象
3 とりあえず発問では子どもの発言内容は深まらない
(1) 「あたり前のことをあたり前になぞる発問」をするな
(2) 「気持ち」を問うな
(3) 「知覚語」で問え
(4) 「知覚語」で問うた実践例
4 「あれども見えず」を問い,子どもの発言を引き出す
5 逆転現象を起こす発問で,子どもの発言を引き出す
〜「ありの行列」(国語3上,光村図書)〜
(1) 絵をもとに,逆転現象をしかける
(2) 子どもたちの意見を引き取り,さらにもう一歩つっこむ
6 子どもの思考にゆさぶりをかける基本技
〜間違いを直させることで〜
(1) 3年「ヤドカリのすみかえ」─バラバラを元にもどす
(2) 4年「ツバメがすむ町」─教科書をわかりやすくする
(3) 間違え読み
7 物語文教材でこう発問すれば発言が劇的に変化する@
(1) 登場人物の気持ちを問わない
(2) 物語文教材を読む視点をはっきりもたせる
8 物語文教材でこう発問すれば発言が劇的に変化するA
(1) 数字で絞り込む発問をする
(2) 限定する言葉で絞り込む発問をする
(3) 二者択一で絞り込む発問をする
9 説明文教材でこう発問すれば発言が劇的に変化する@
〜5年「インスタント食品と私たちの生活」(東京書籍)〜
(1) 子どもの発言をどのように変化させるか
(2) 全文要約を行う
(3) 要約文と題名の比較検討を行う
10 説明文教材でこう発問すれば発言が劇的に変化するA
(1) これまでの説明文教材での発問
(2) 文章構造を理解させる発問
(3) 発言を引き出すポイント
11 子どもの発言で盛り上がる漢字文化の授業
(1) 内部情報の蓄積
(2) 配列を工夫して発言を引き出す
(3) 発言を引き出す学習システム
V 子どもの発言を引き出す対応の基本技
1 「発表してよかった!」という成功体験を保障する
(1) どの子も発表できる状態にする
(2) 煽 る
(3) ほめる・励ます
2 あたたかな対応で発言を引き出す基本技
(1) 発言はたゆまぬ指導の積み重ね
(2) 音読から始める
(3) 「指名なし発表」へ
(4) 異質なものをほめよ
(5) 挑発せよ
3 このほめ方で子どもがぐっとのってくる
〜3年「モチモチの木」〜
(1) 音読の様子を見てほめる
(2) ノートに書いていることを発表させる
(3) 発言の仕方をほめる
(4) 変化のある繰り返しの「問い」で発言を引き出す
4 シャワーのようにほめて発言を引き出す
(1) 発言を引き出す基本技1─知的にほめる
(2) 発言を引き出す基本技2─いったん受け止める
(3) 発言を引き出す基本技3─とんでもない意見を大切にする
5 子どもの挑戦意欲をかきたてる挑発の基本技
(1) 言葉で挑発する
(2) 数値で挑発する
(3) 個別評定で挑発する
(4) 例示で挑発する
6 子どものかすかな動きや意欲を見逃さない目線
(1) 相手の動きを見る
(2) 子どもの姿勢を見る
(3) 子どもの目線を見る
(4) 子どもの変化を見る
7 何気ないつぶやきを取り上げる
(1) 向山実践「雪」からつぶやきの技術を探す
(2) 自信がない子どものつぶやきを取り上げる
(3) 近くの人と相談させてつぶやきを拾う
8 自信のない子どもも発言できるペア学習の基本技
(1) ペア学習の効果
(2) 話す・聞くトレーニングにペア学習を活用する
(3) 話し合い場面で,ペア学習を活用する
W 子どもの発言を引き出す教室環境
1 学習規律の徹底が子どもの発言を引き出す
(1) 立場をはっきりさせた後に,なぜかをノートに書かせる
(2) 指名されたらとりあえず何か言わせる
(3) とりもなおさずほめよ
2 発言が活発になる机の配置はこれだ
(1) 向山学級の机の配置を追試する
(2) 机の配置と討論の授業
(3) 指名なし音読・最初の指導
(4) 指名なし討論・原則を入れて指導する
3 友達の発言を大切にする雰囲気はこうつくる
〜6年「俳句」の授業の追試〜
(1) 子どもの考えをほめて認めていく
(2) 個性的な考えを認めていく
(3) 友達の名前を出した発表を認めていく
(4) 知的な授業をする
4 まちがった意見を笑った子どもにはこう指導する
(1) まちがった意見を笑う場面
(2) どう指導するか─瞬時の対応
(3) どう対応するか─学年始めから
(4) 軽度発達障害の子への対応
5 参観日にどんどん発表させる基本技はこれだ
(1) 指名なし音読をさせよう
(2) 暗唱に挑戦させよう
(3) クイズ形式は進んで発表する
(4) 知的な授業
(5) 漢字文化の授業
あとがき
向山洋一教育実践原理原則研究会 会員募集

まえがき

 TOSS授業技量検定D表の項目には,教師が,子どもの発言を引き出すための極めて大切なポイントが示されている。

 まず,子どもへの目線が重要だ。視線が空中を漂っていたのではダメだ。指導案やノートを見ながら,黒板の方を見ながらの言葉かけは,子どもの発言を引き出すことはできない。

 また,どのような素晴らしい言葉をかけたとしても,緊張したような強ばった表情や冷たい表情では,逆効果だ。あたたかな表情で言葉かけをしたい。


   TOSS授業技量検定D表評価項目

   1 授業の始まり15秒のつかみ  10点

   2 子どもへの目線  10点

   3 あたたかな表情,対応  10点

   4 明確な発問・指示  10点

   5 心地よいリズム  10点


 授業での教師の言葉かけの中心は,発問,指示,説明である。

 子どもたちの発言を引き出したいのなら,まず,発問こそ徹底的に研究すべきだ。発問は,授業の背骨なのである。

 その他の言葉かけがいくら優れていても,発問がダメな授業はダメだ。

 向山洋一氏(TOSS代表)は,『授業の腕をみがく』(明治図書)で,「考えぬいた発問(言葉)を,正確にくり返せることが大切だ。」と述べている。

 行き当たりばったりのいい加減な発問では,授業がバラバラになる。言い直すたびに,発問が揺れるのも問題外だ。子どもたちの集団思考を促す発問,できる子が間違えて,できないと思われていた子が正答するような,逆転現象を引き起こす発問,A派とB派に激しく対立する発問,討論が成立する発問,授業内容の中心部分を抉るような発問がよい。こうした発問により,子どもの発言は引き出される。

 指示は,短く限定されているべきだ。

 向山氏は,『授業の腕をみがく』(明治図書)で,「指示の中心をはっきりさせよ。言葉のイメージを限定せよ。私なら『くらべなさい』ではなく『誰の水筒が一番多く入るかな』というような表現を使う。指示を与える場合,何のために何をするのかがはっきりわかるように言葉を使うことは,子どもを集中させたり,行動させたりする上で大切な事であると思う。」と述べている。

 適切な指示は,子どもの発言を引き出す基本中の基本の技だ。

 それでは,説明で子どもの発言を引き出すには,どうしたらよいだろうか。

 長い説明によって,授業をしたつもりになっている教師がいる。「えー,藤原道長は,広大な寝殿造りの屋敷に住んで,娘が天皇のきさきとなりまして,…」このような長い説明は,誰も聞いていない。実に眠い授業だ。

 例えば,道長の屋敷の面積を自分の校区の地図上に置いてみさせるとか,道長の年収を現在のお金に換算させるとかといった学習活動を通して,子どもに気づかせるべきなのである。

 向山氏が,「30秒をこえる説明は,ダメだ。私は多分10秒以内だ」と言う通り,説明は削れば削るだけ,子どもの発言を引き出すことができる。授業は,活発になり,テンポもよくなる。自分の授業を録音して,説明の時間を計ってみる修業が必要だ。

 賞賛や激励も,極めて重要な基本技だ。

 それでは,どのようにこれらの言葉かけをすれば,子どもの発言を引き出すことができるのだろうか。

 1984年12月1日に,筑波大学附属小学校の有田和正氏の学級で行われた向山氏の飛び込み授業のVTRを分析して,ほめる言葉,励ます言葉を抽出してみた。

 「すごいですね。さすが有田学級です。全国で2番目にすごいですね。向山学級の次です。先生の学校の6年生でやって,そういうのは出ませんでした。大変いいことを読んでくれました。すごいですね。さすがですね。たぶん,ほとんど,有田学級のみんなならば調べられます。なるほど,すごいですね。そういう言葉に目をつけるなんて。有田学級のすべてを結集したのが,これですね」

 誠に,見事な賞賛や激励の言葉である。

 私も,「う〜ん,さすがに,今年の北小の6年1組は素晴らしいね。こういうのは,今まで,出てきたことはありません。先生,驚きました!」というような賞賛する言葉をよく使う。

 心を込めて発したこのような賞賛の言葉によって,子どもたちの学習意欲が強く喚起され,発言したいという意欲につながることがよくわかる。

 面白いのは,いわば挑発とも言える「全国で2番目にすごいですね。向山学級の次です」という言葉かけだ。私も,「岡田学級でこの程度ですか。本当に降参ですか」などと使うことがあるが,これも発言を引き出すには,大変効果的な言葉かけである。

 本書には,向山洋一教育実践原理原則研究会の会員が日々の具体的な教育実践を通して抽出した「基本技」を整理して数多く収録した。

 ぜひとも習得していただき,子どもの発言を引き出していただきたい。


   /岡田 健治



 まさに脳天からぶんなぐられたような強い衝撃を受けた言葉がある。それは向山氏の言葉である。

 「たどたどしく音読する子に対して,『やり直し!』などと冷たい声をかけるのは,教師失格です。『一箇所だけ,つっかえちゃった。もう一度読んでみようか』と声をかけるのです。

 読めないのは,その子のせいじゃない。生育であり,親の責任,教師の責任なのだ。その子を責めたって仕方ないじゃないですか!」

      (2002年向山型国語教え方教室in広島・小林メモ)

 これまで何度と子どもたちに「読み直し!」と言ってきたことだろうか。何と自分は冷たい教師だったのだと強く感じた。

 今なお,向山氏の言葉が脳裏を駆け巡る。自分の弱さと未熟さ,そして思い上がる心をずばり指摘された思いだった。


 『授業名人の教育語録』(明治図書)という1冊の本がある。有田・野口・向山,3名人の教育語録が集大成された本だ。

 表表紙には,3氏の代表的な語録がある。

 「向上的変容の連続的保障を」(野口氏)

 「鉛筆の先から煙が出るスピードで書きなさい!」(有田氏)

 「子どもはほめてほめてほめまくれ!」(向山氏)

 さすがに,表表紙を飾るにふさわしい3氏の教育語録だ。

 かつて,3年1組向山学級・理科「じしゃく」の授業ビデオを見て語る会が,新牧賢三郎氏の企画で行われた。

 「なぜ,子どもたちは,あんなに発表するのか」という参加者の疑問に対し,向山氏は次のように答えたという。

 「私がほめ続け,かつ1時間に1回ずつ聞き続けたという結果が第1です。」

      (『向山式ファイルで教師の実力アップ術』明治図書,129ページ)

 かつて,館野健三氏が,「雪国のくらし」の授業で,「どのようにしてあのような子どもを育てたのですか」と向山氏にたずねた。これに対しても,「ほめ続けることです」と,向山氏は答えたという。

 これらのエピソードが示すように,子どもの発言を引き出すための第1の条件は,毎時間「ほめ続ける」ことなのである。

 髪の毛一筋のかすかな子どもの成長を見逃さずにほめること。

 クラスの一線を越えるような素晴らしい発言をすかさずほめること。

 このような行為の繰り返しが,子どもたちの発言を引き出すエネルギーとなるのだ。

 有田氏は,向山学級のエピソードとして次のように述べた。

 「わたしが感動したのは,クラスの関係者がどなたかなくなったとき,クラスの子どもに『黙とう』をさせるということである。」

      (『社会科教育』明治図書,1999年10月号,30ページ)

 クラスの一人ひとりを大切にするという思いが,まさに象徴されるエピソードである。


   /小林 幸雄

著者紹介

岡田 健治(おかだ けんじ)著書を検索»

1958年岡山県生まれ

北海道教育大学教育学部卒業

岡山県津山市立北小学校教諭

TOSS作州教育サークル副代表 向山洋一五番弟子

季刊『授業の原理原則トークライン』(岡山教育技術研究所)編集長

小林 幸雄(こばやし ゆきお)著書を検索»

1958年岡山県生まれ

岡山大学教育学部卒業

岡山県津山市立佐良山小学校教諭

TOSS作州教育サークル代表 向山洋一六番弟子

季刊『授業の原理原則トークライン』(岡山教育技術研究所)編集長

石本 康一郎(いしもと こういちろう)著書を検索»

岡山県備前市立伊里小学校教諭

赤磐教育サークル所属

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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