教え方のプロ・向山洋一全集58
学級づくり 成功させる夢の描き方

教え方のプロ・向山洋一全集58学級づくり 成功させる夢の描き方

好評2刷

学級作り成功の秘訣

夢を具体化させる教師の力量、リーダー・スターになる第一条件は何か、別れに夢を描く、卒業によせて子どもへ送る言葉、人を魅きつけるのはロマンである、向山学級の事件簿


紙版価格: 2,160円+税

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-405816-7
ジャンル:
授業全般
刊行:
2刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 224頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2018年10月16日
新学習指導要領解説書籍
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目次

もくじの詳細表示

まえがき
T 夢を具体化させる
一 具体的に場面を描く
二 イベントリーダーの力量
三 教師の力量
U リーダーは生まれる
一 人を得て事を為す
二 子どもに向いた企画を
V スターの条件
一 スターになる第一の条件
二 スターになる第二の条件
三 スターになる第三の条件
四 スターになる第四の条件
W 別れに夢を描く
一 別れの序章
二 卒業関係行事予定表
X 卒業によせて
一 一年生を担任した子に
二 寄せ書きへのクレーム
三 中学生の「向山学級騒動記」感想文
四 次の課題
Y 人を魅きつけるのはロマンである
一 法則化運動になぜ多くの人が参加するか
二 誰でも本はだせる
三 ロマンの運動は規模が広がる
Z 指導者のイメージが子どもを規定する
一 迫力のあるいい絵
二 よい絵をたくさん見ておくこと
[ 子どもの遊びの中で憲法の学習
一 憲法私案(試案)その1
二 憲法私案 その2
三 憲法私案 その3
四 憲法私案 その4
\ 向山学級事件簿
一 ごみ箱に小便をやっちゃった
二 やすこふりちんしたよ
三 初出演、NHK将棋番組
四 拝啓、新聞社様
五 メルヘン――お菓子のお部屋
六 夢はラジオにのって
七 向山教諭告発の投書
八 ケンカ風の事件
九 トカゲとブロンド
] 私の人生予想
一 大きくなったら
二 私の人生の予想
三 子どもに聞く
]T 一人はみんなのために みんなは一人のために 学年新聞「とっぴんぱらりのぷう」
一 担任決まる
二 五年の反省(三組)
三 お別れのことば
四 運営委員選挙たけなわ
五 俺の一五才のとき
六 日  記
七 向山先生への批判
八 野口君への意見
九 転校 転校 そして 転校!
一〇 父母こんだん会
]U 学級経営の急所
一 向山学級では朝の会をどうするか
二 向山先生は帰りの会をしないのか
三 学級目標を短時間で作る方法はないか
四 飲食物持ち込み可のパーティーの反対意見にどう答えるのか
五 子どもたちの自主的な活動でイベントを行うには
六 係活動のやり方で学年の先生と意見が違ったが変えたくない
七 向山先生は児童集会の指導をどのようにされたのか
八 シャープペンシル禁止の理由は?
九 筆記用具の指導は?
一〇 LD児の指導
一一 学校に登校できない女の子
一二 宿題を効果的に行う方法(手立て)
]V 実践日記
一 私の実践日記
二 五つの文体で表現すれば
]W 心に残る言葉
一 親にアンケート
二 子どもにアンケート
三 母親にアンケート
四 親にアンケート
]X 時の流れと共に
一 子ども同士の交流
二 このごろのこと
三 初めの教材研究
四 初めの学年通信
五 自  立
六 教師のむなしさ
七 ざれごと
八 時の流れと共に
九 授業に変革を
学級づくり 成功させる夢の描き方の解説 /松本 勝男

まえがき──「道徳」「指名なし討論」「黒帯六条件」などの向山の主張──

 全集が、お役に立っているという。

 考えてみれば、私の「新卒日記」は、三五年も昔に書かれたものだ。

 二〇代教師がこの世に生をうけるずっと前の物語である。

 「手に入れよう」と思っても、入手できない文章だ。

 二〇代、三〇代の教師にとっては、「初めて読む向山の文章」が、いっぱいあるという。

 向山洋一全集の編集方法は、著しくめずらしい方法をとった。

 私の単行本や雑誌論文などを項目ごとにバラバラにして、同じ項目を再編集したのである。

 バラバラにしてできた冊子は、部屋の中に山のようになった。

 それを「授業論」「研究論」「教材論」などに大分けして、さらに小さく小分けしていったのである。

 それを読み直して、一冊の本にしていった。

 編集したのは、二〇名余の私の弟子たちである。

 教師の世界に弟子はおかしいと思うかもしれないが、「学問研究」も「実践研究」も、実は「技能・能力」の向上は「修業」以外にはなく、それには「弟子制度」が一番適しているのである。

 教育界初めての「弟子」制度の是非は、向山の弟子がどのように育ったのかという「事実」が証明してくれるだろう。

 合宿をやること何度か。

 費用は「全集の向山の印税」によって支払われた。つまり、向山は全集の収入のほとんどを、編集合宿という弟子との楽しい作業に費やしてしまったのである。

 もちろん、それでよかった。

 編集作業は、楽しく、かつ勉強になったからである。

 バラバラにした冊子の中から同じ項目を集めて一冊の本にすると、書いた年度がちがうのが混ざることになる。

 極端な話、新卒の頃の文と退職の頃の文が一冊の本に混ざることもあった。

 しかし、違和感は全くなかった。

 向山の主張にブレはなかったからである。

 新卒の頃から、退職の頃まで、向山の主張は一貫していた。

 それは、向山は、教育実践をしていく時の指標が次の二つだったからである。


 一 子どもの事実

 二 腹の底までズシーンとくる手ごたえ


 この二つを指標としている以上、本物だけが私の心に残ることになる。

 私は、見栄や出来栄を気にして文を書いたことなど、一度としてないのだ。

 事実を、それのみを大切に書いてきた。

 もちろん、未熟さや間違いはあった。

 しかし、それは成功のための通過点なのである。

 細心に、誠実に対応していけば、必ずのり越えていけるのである。

 第四期にも、思い出深い主張がいくつもある。

 たとえば、黒帯六条件。

 上達論のなかった教師の世界に、日本で初めて「上達論」を示した本である。

 たとえば、「指名なし討論」。

 今では、あまりにも有名になった指名なし討論。

 私は「子どもが次の人を指名する方法」を、一回見ただけで駄目だと思った。

 「リズム」と「テンポ」が大きく乱れるからである。「集中」が「指名」のたびに崩れるのだ。

 「指名なし」によって、その崩れはなくなったのである。

 たとえば、「道徳」授業の主張。

 日本で「道徳に賛成か反対か」の論議はあったが、「いかなる内容の道徳が必要か」の論議はほとんどなかった。

 私は、根本的な部分、道徳の授業の骨格について、いささか研究をして主張したのである。

 向山の実践は、教え子、同僚によって、あます所なく伝えられている。

 いい所だけ見せようとする気は、私には全くない。

 「事実」こそが大切だからだ。

 教師生活三二年間のすべての実践が、全集には含まれている。

 それにしても、第四期一五冊を加えると、全部で六十冊になる。明治五年の学制発布以来、日本一の全集になるという。

 この後、何冊かの残りを発刊することになる。

 また、日本一の教材企画人として、「進研ゼミ」「セシール」「旺文社」「啓林館」「光村図書」などで開発したかつての教材を刊行することになる。この日のことを考え、二〇年近く前から、著作権をいただいていたのである。

 第四期全集が、後輩たちの教室で役立てば幸いである。


  二〇〇二年一二月一日   /向山 洋一

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