教え方のプロ・向山洋一全集55
向山の教師「仕事術」

教え方のプロ・向山洋一全集55向山の教師「仕事術」

好評7刷

向山洋一の「仕事術」&「知的生産術」

プロの教師は常に時間を意識して、向山の知的生産の技術、知的生産トップの仕事部屋ノゾ記、向山個人のそこが知りたい、駄目な教師と伸びる教師、プロの目の修業で決まる。


紙版価格: 2,260円+税

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-405534-6
ジャンル:
教育学一般
刊行:
7刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 228頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2018年9月25日
新学習指導要領解説書籍
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目次

もくじの詳細表示

まえがき
T プロの教師は常に時間を意識して
一 教師の絶対常識――時間
1 プロは短く話す/ 2 プロは練習も短い/ 3 スピーチの長いのは鈍感の極み
二 教師の力を測るものさし
1 司会者の仕事/ 2 質問のしかた/ 3 具体的な場面を描写する/ 4 「話す力」の実力
三 仕事のしかた
U 向山の知的生産の技術
一 原稿を書く
二 私の知的生産術と教師修業――千葉大での講義(昭和五九年)
三 講義を分析する /根本 正雄
四 知的生産トップの仕事部屋ノゾ記――秩序と無造作のはざまの中で〈板倉 弘幸〉
五 ノートが使いやすい
六 腕のいい教師は仕事のやり方を身につけている――夏休みの作品処理
七 研究結果は真実のみを述べよ
八 実践記録、研究記録には自分の本当の考えを述べよ
V 向山個人のそこが知りたい
Q1 向山先生の仕事と家庭の両立の方法は/ Q2 向山先生と校内の教師とのかかわりと学校づくりについて/ Q3 一〇〇回行うと変化する。何を通して実感したか/ Q4 研究授業一〇〇回行う極意とは/ Q5 向山先生は本や資料の整理をどのようにされているのか/ Q6 ご自分の場まで若い人が成長するにはどうすればよいのか/ Q7 どの授業から参観者が急増したのか/ Q8 授業記録を残すのによい方法とは何か/ Q9 保護者を魅了した参観授業はどんな授業か/ Q10 向山先生はいつどのくらいの時間で教材研究をするのか/ Q11 やってみたい授業はどんな教科なのか
W 駄目な教師と伸びる教師
一 駄目な教師の共通点
二 伸びる教師の共通点
X どんなつまらない、くだらない会議でも学ぶことはある
一 向山の新卒当初の諸会議
二 一学期の主な会議
三 当時の記録を読み返して
四 学年通信「あすなろ」
五 事実で語る――論より証拠
1 自分に言い聞かせてきたこと/ 2 証拠を伴わない文章/ 3 ある青年教師の手紙
Y 「プロの目」は、修業によってつちかわれる
一 相手を理解する方法もまた技術である
二 指がかすかに動く
三 プロの教師とアマの教師の識別
四 すばらしい教師は、身銭を切って学ぶ
五 確実に授業の腕が上がる教師の必読書
六 情報に対する感度
1 ネクタイピン/ 2 共通一次の結果/ 3 教育図書総目録
Z 教育は舞台芸術に似ている
一 誠実さだけは失いたくない
二 我が師匠「石川正三郎」
三 教育は舞台芸術に似ている――学級通信「スナイパー」50号――
四 教師を選んでよかった
五 教師の生きがいは時代とともに変化する
六 修業は若いうちに
七 授業開始の一つの方法
[ 教師の志
一 忘れられない教え子
1 先生! 今、植木屋をやっているんです/ 2 行進の指導/ 3 法則化運動の志
二 「思いやり」を具体的な行為に表す
1 科学者への道は貝がら集めから
三 NASA、スミソニアンとの環境教育展
四 ジュニア・ボランティア教育の提唱
\ 教師の仕事 Q&A
Q1 体育主任の仕事で大切なことは何か/ Q2 我が子の病気のために職場を休みがちになってしまう/ Q3 自分の差別性をどのように点検すればよいか/ Q4 教師は授業で勝負すべきと言うと猛反発にあってしまった/ Q5 卒業式後にする子どもへの別れのことばは何か/ Q6 夏休み明けにしなくてはならないことは何か/ Q7 ギャンブル性のある遊びについてどのように考えるか/ Q8 男女ともに「さん」づけで名前を呼ぶべきではないか/ Q9 生活指導部会会議の内容を、どう準備してどのくらいの時間で終了させるのか
○向山の教師「仕事術」の解説○ /小林 幸雄

まえがき──「道徳」「指名なし討論」「黒帯六条件」などの向山の主張──

 全集が、お役に立っているという。

 考えてみれば、私の「新卒日記」は、三五年も昔に書かれたものだ。

 二〇代教師がこの世に生をうけるずっと前の物語である。

 「手に入れよう」と思っても、入手できない文章だ。

 二〇代、三〇代の教師にとっては、「初めて読む向山の文章」が、いっぱいあるという。

 向山洋一全集の編集方法は、著しくめずらしい方法をとった。

 私の単行本や雑誌論文などを項目ごとにバラバラにして、同じ項目を再編集したのである。

 バラバラにしてできた冊子は、部屋の中に山のようになった。

 それを「授業論」「研究論」「教材論」などに大分けして、さらに小さく小分けしていったのである。

 それを読み直して、一冊の本にしていった。

 編集したのは、二〇名余の私の弟子たちである。

 教師の世界に弟子はおかしいと思うかもしれないが、「学問研究」も「実践研究」も、実は「技能・能力」の向上は「修業」以外にはなく、それには「弟子制度」が一番適しているのである。

 教育界初めての「弟子」制度の是非は、向山の弟子がどのように育ったのかという「事実」が証明してくれるだろう。

 合宿をやること何度か。

 費用は「全集の向山の印税」によって支払われた。つまり、向山は全集の収入のほとんどを、編集合宿という弟子との楽しい作業に費やしてしまったのである。

 もちろん、それでよかった。

 編集作業は、楽しく、かつ勉強になったからである。

 バラバラにした冊子の中から同じ項目を集めて一冊の本にすると、書いた年度がちがうのが混ざることになる。

 極端な話、新卒の頃の文と退職の頃の文が一冊の本に混ざることもあった。

 しかし、違和感は全くなかった。

 向山の主張にブレはなかったからである。

 新卒の頃から、退職の頃まで、向山の主張は一貫していた。

 それは、向山は、教育実践をしていく時の指標が次の二つだったからである。


 一 子どもの事実

 二 腹の底までズシーンとくる手ごたえ


 この二つを指標としている以上、本物だけが私の心に残ることになる。

 私は、見栄や出来栄を気にして文を書いたことなど、一度としてないのだ。

 事実を、それのみを大切に書いてきた。

 もちろん、未熟さや間違いはあった。

 しかし、それは成功のための通過点なのである。

 細心に、誠実に対応していけば、必ずのり越えていけるのである。


 第四期にも、思い出深い主張がいくつもある。

 たとえば、黒帯六条件。

 上達論のなかった教師の世界に、日本で初めて「上達論」を示した本である。

 たとえば、「指名なし討論」。

 今では、あまりにも有名になった指名なし討論。

 私は「子どもが次の人を指名する方法」を、一回見ただけで駄目だと思った。

 「リズム」と「テンポ」が大きく乱れるからである。「集中」が「指名」のたびに崩れるのだ。

 「指名なし」によって、その崩れはなくなったのである。

 たとえば、「道徳」授業の主張。

 日本で「道徳に賛成か反対か」の論議はあったが、「いかなる内容の道徳が必要か」の論議はほとんどなかった。

 私は、根本的な部分、道徳の授業の骨格について、いささか研究をして主張したのである。

 向山の実践は、教え子、同僚によって、あます所なく伝えられている。

 いい所だけ見せようとする気は、私には全くない。

 「事実」こそが大切だからだ。

 教師生活三二年間のすべての実践が、全集には含まれている。

 それにしても、第四期一五冊を加えると、全部で六十冊になる。明治五年の学制発布以来、日本一の全集になるという。

 この後、何冊かの残りを発刊することになる。

 また、日本一の教材企画人として、「進研ゼミ」「セシール」「旺文社」「啓林館」「光村図書」などで開発したかつての教材を刊行することになる。この日のことを考え、二〇年近く前から、著作権をいただいていたのである。

 第四期全集が、後輩たちの教室で役立てば幸いである。


  二〇〇二年一二月一日   /向山 洋一

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