教え方のプロ・向山洋一全集41
プロ教師による教育課程編成=学校づくり

教え方のプロ・向山洋一全集41プロ教師による教育課程編成=学校づくり

好評2刷

教育課程編成の力量をどう高めるか。危機管理、学校の意思決定過程に問題はないか。教育課程の評価をどうするか。教育課程に関するすべての問題にQ&Aで答える。


紙版価格: 1,700円+税

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-404115-9
ジャンル:
授業全般
刊行:
2刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 148頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2019年11月12日
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目次

もくじの詳細表示

まえがき
T 教育課程の編成の力量を高めるために
一 教育課程の編成力量
二 調布大塚小学校の教育目標
三 週時程表の教育思想
四 時数計算
U 学校をどう組み立てるか
一 学年経営を考える
二 意図的計画的組織的な提案文書
三 教育課程編成の方法
V 危機管理=学校の意思決定過程に問題はないか
一 危機管理能力の問題
二 意思決定は寸刻を争う  子どもたちをすぐに帰宅させる
三 職員会議は明確で全面的な方針を確認する  頭ジラミ発生への対応
四 なってないしつけとの闘い  「エイリアン」には論より証拠
五 異例の形で転校してきた場合の処置  「教育課程論」の講義より
W 教育課程の評価
一 「学校バッシング」はどう起こるのか  斎藤喜博『学校づくりの記』に学ぶ点
二 ある中学校の年度末反省報告へのコメント  教育課程の反省
三 職員会議の原則
X 教育課程上の問題点 Q&A
Q1 小学校でも教科担任制が望ましいのか
Q2 T・Tを効果的に生かす形式や授業展開はどうすればよいか
Q3 ゆとりの時間を授業時数に入れてよいのか
Q4 学校図書館予算はどのようになっているのか
Q5 一年間だけの担任はどのようにすればよいか
Q6 教師は学校週五日制への対応をどうするか
Q7 私学ブームの中、小学校と中学校の連携を作るためには
Q8 ジュニアボランティア教育の修了証に校長名を入れたい
Q9 特殊学級と通常の学級との交流活動について知りたい
Q10 業間運動についての考えを知りたい
Q11 図工専科が一四時間(週)しか持ちません
Q12 小学校で教えていることになっている内容の中でいらないものは、ないですか
Q13 国際交流会を、どう進めていったらよいか
Q14 小学校英語をどのように進めればいいのでしょうか
Q15 英会話の授業を小学校に取り入れることに意味があるのか
○プロ教師による教育課程編成=学校づくりの解説 /松岡 宏之

まえがき

 全集三期も思い出深い内容が多い。一冊一冊が、私の教師としての足跡である。

 いつの時代にか、「向山洋一に追いつき追いこせ!」と挑戦する後輩も出てこよう。

 未だわからぬそのチャレンジャーのために、向山実践の輪郭を述べておこう。


 私は、小学校で三二年間の教師生活を送った。

 そして、その三二年間のすべての実践が本になった。

 毎年毎年の実践が、それぞれ単行本になっている。

 本になったものの大半は、「その時その時」の「通信、報告、論文、手紙」などである。後から書いたものではない。

 新卒時代の本は「新卒日記」「新卒研究授業」「教生の記録」「研究授業論文」などからできている。

 当然ながら、すべて向山のオリジナリティであり、他人の文をはめこんではいない。そんなことをしていたら、本にはならなかった。

 また、三二年間の三万時間を超える授業で、授業が一分以上のびたことは一〇回もない。ラストの一〇年間は、多分、一回もない。

 向山型算数、向山型国語、向山型社会、向山型理科と言われるように、あらゆる教科、分野に及んでいる。

 そこには、おそらく一〇〇を超える問題提起の論文があった。

 つまり、「それまでの教科教育の主張を批判し」「それにかわる提案を示した」のである。

 その代案は、「雑誌特集」に組まれたり、「単行本」になっていき、多くの人に支持されていった。

 このような実践をつくり上げたのは、向山が教室の一人一人に目を行き届かせていたためである。

 「一人一人の子どもを大切にしたい」と多くの教師は言う。しかし、努力している人は皆無だ。

 教科書を出せない子が二人いる。教科書をうつせない子が三人いる。一問を解くとしばらくボーッとしている子が二人いる。字がグチャグチャな子が三人いる。「教科書の三二ページをあけて、二番をやりなさい」という指示ができない子が三人いる。

 これが、向山学級の普通の姿だ。日本全国、どこでも同じ状態だ。

 叱っても、どなっても、説教しても直らない。

 向山は、一人一人のその子たちが「できるようにしてきた」「工夫してきた」のである。

 これが、他の教師たちとの唯一で最大の違いだ。

 教室こそ、教育研究の宝庫だ。海の向こうや遠い昔を求めている研究者には、手の届かぬ境地である。

 評価の基準はたった二つ。

 「子どもが変わった」という事実と「腹の底にズシーンとひびく手ごたえ」。これだけだ。

 私は「子どもの主体性」とか「支援」とか「練り上げ」とかいうわけのわからない言葉が大嫌いだ。

 そんな実践のほとんどすべてはにせもので、できない子どもは何も変化していない。

 向山実践は「美辞麗句の教育実践」とは正反対のところに位置した。

 駄目な研究の代表が附属小の研究。日本の教育に何の影響も与えないのみか、青年教師に悪い影響ばかり与えているくだらない研究だ。中には、研究だけでなく、変な圧力をかけるくだらない教師もいる。

 熊大附小や新潟大附小のように立派な研究をしている学校もあるが、数は少ない。

 「附属小はいらない」という声が強まるはずだ。


 評価の基準はただ二つ、「子どもの事実」と「腹の底までの手ごたえ」。

 本書を読まれる多くの青年教師が、自分の実践をこの二つを評価の基準として省みることを願う。

 そして、問題状況の山積する自分のクラスの実態に果敢にとりくまれんことを!

 いつの日か、向山実践に挑戦する後輩が続出することを夢みて。


  二〇〇二年二月二二日 鹿児島教え方セミナー熊本阿蘇学会議で   /向山 洋一

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