教え方のプロ・向山洋一全集39
史上空前!教育技術法則化運動の誕生

教え方のプロ・向山洋一全集39史上空前!教育技術法則化運動の誕生

好評2刷

法則化運動はどういう構想でどうよびかけられたか。誕生秘話がいま率直に語られる。法則化20代講座、教室ツーウエイの構想など、全国からの青年教師の熱気が伝わる。


紙版価格: 1,760円+税

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-403914-6
ジャンル:
授業全般
刊行:
2刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 160頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2019年9月17日
新学習指導要領解説書籍
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目次

もくじの詳細表示

まえがき
T 法則化運動誕生の予感
一 法則化運動の炸裂
二 処女論文に見る教育への志
U 法則化運動のよびかけの発表
一 法則化運動の構想
二 投稿論文よびかけ案
V 第一期法則化シリーズの誕生
一 出版に先だち「法則化シリーズ」の組み立てが考えられた
二 ついに歴史的な第一期法則化シリーズが誕生することになった
W 息もつかずに「パートU」の運動へ
X 『教室ツーウェイ』の構想
一 「雑誌」の構想
二 雑誌の内容
三 『教室ツーウェイ』よびかけ号を、一人でも多くの人へ
Y 法則化二十代講座 本合宿
一 講座・合宿の通信
二 通信・教育技術法則化運動
Z 同時進行のドキュメント
一 同時進行のドキュメント1――向山洋一の三つの夢
1 炸裂する法則化運動/ 2 向山洋一とは?/ 3 三つの夢
二 同時進行のドキュメント2――『教室ツーウェイ』誌創刊記念の大型企画
1 『教室ツーウェイ』創刊記念企画/ 2 『法則化双書』
三 同時進行のドキュメント3――跳び箱指導でのドラマ
1 「法則化通信」/ 2 『跳び箱は誰でも跳ばせられる』/ 3 一つのドラマ
四 同時進行のドキュメント4――三十代教師の大切さ
1 合宿ショック/ 2 「やっぱり三十代」/ 3 教師にしかできない仕事
五 同時進行のドキュメント5――人とのつながり
1 絆/ 2 法則化運動の企画・活動
六 同時進行のドキュメント6――教師としての生き方をとらえて離さない
1 オホーツク海/ 2 「教室の事実」を変える法則化運動
七 同時進行のドキュメント7――人の心を動かすのは事実である
1 授業のすばらしさ/ 2 大反響をよんだテレビ報道/ 3 具体的事実を根拠に
○史上空前! 教育技術の法則化運動の誕生 の解説 /甲本 卓司

まえがき

 全集三期も思い出深い内容が多い。一冊一冊が、私の教師としての足跡である。

 いつの時代にか、「向山洋一に追いつき追いこせ!」と挑戦する後輩も出てこよう。

 未だわからぬそのチャレンジャーのために、向山実践の輪郭を述べておこう。


 私は、小学校で三二年間の教師生活を送った。

 そして、その三二年間のすべての実践が本になった。

 毎年毎年の実践が、それぞれ単行本になっている。

 本になったものの大半は、「その時その時」の「通信、報告、論文、手紙」などである。後から書いたものではない。

 新卒時代の本は「新卒日記」「新卒研究授業」「教生の記録」「研究授業論文」などからできている。

 当然ながら、すべて向山のオリジナリティであり、他人の文をはめこんではいない。そんなことをしていたら、本にはならなかった。

 また、三二年間の三万時間を超える授業で、授業が一分以上のびたことは一〇回もない。ラストの一〇年間は、多分、一回もない。

 向山型算数、向山型国語、向山型社会、向山型理科と言われるように、あらゆる教科、分野に及んでいる。

 そこには、おそらく一〇〇を超える問題提起の論文があった。

 つまり、「それまでの教科教育の主張を批判し」「それにかわる提案を示した」のである。

 その代案は、「雑誌特集」に組まれたり、「単行本」になっていき、多くの人に支持されていった。

 このような実践をつくり上げたのは、向山が教室の一人一人に目を行き届かせていたためである。

 「一人一人の子どもを大切にしたい」と多くの教師は言う。しかし、努力している人は皆無だ。

 教科書を出せない子が二人いる。教科書をうつせない子が三人いる。一問を解くとしばらくボーッとしている子が二人いる。字がグチャグチャな子が三人いる。「教科書の三二ページをあけて、二番をやりなさい」という指示ができない子が三人いる。

 これが、向山学級の普通の姿だ。日本全国、どこでも同じ状態だ。

 叱っても、どなっても、説教しても直らない。

 向山は、一人一人のその子たちが「できるようにしてきた」「工夫してきた」のである。

 これが、他の教師たちとの唯一で最大の違いだ。

 教室こそ、教育研究の宝庫だ。海の向こうや遠い昔を求めている研究者には、手の届かぬ境地である。

 評価の基準はたった二つ。

 「子どもが変わった」という事実と「腹の底にズシーンとひびく手ごたえ」。これだけだ。

 私は「子どもの主体性」とか「支援」とか「練り上げ」とかいうわけのわからない言葉が大嫌いだ。

 そんな実践のほとんどすべてはにせもので、できない子どもは何も変化していない。

 向山実践は「美辞麗句の教育実践」とは正反対のところに位置した。

 駄目な研究の代表が附属小の研究。日本の教育に何の影響も与えないのみか、青年教師に悪い影響ばかり与えているくだらない研究だ。中には、研究だけでなく、変な圧力をかけるくだらない教師もいる。

 熊大附小や新潟大附小のように立派な研究をしている学校もあるが、数は少ない。

 「附属小はいらない」という声が強まるはずだ。


 評価の基準はただ二つ、「子どもの事実」と「腹の底までの手ごたえ」。

 本書を読まれる多くの青年教師が、自分の実践をこの二つを評価の基準として省みることを願う。

 そして、問題状況の山積する自分のクラスの実態に果敢にとりくまれんことを!

 いつの日か、向山実践に挑戦する後輩が続出することを夢みて。


  二〇〇二年二月二二日 鹿児島教え方セミナー熊本阿蘇学会議で   /向山 洋一

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