思考力を育てる学年観点別「分析批評」ワーク 中学校編

思考力を育てる学年観点別「分析批評」ワーク 中学校編

分析批評の観点が身につく学年別ワーク

「話者」「登場人物」「主役対約」「主題」「色彩イメージ」「対比」「クライマックス」「起承転結」「象徴」で配列。このワークは教科書教材を分析批評で授業するためのワークです。分析批評で授業をすると言語に根拠をもって自分の意見が言えるようになります。


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ISBN:
978-4-18-383617-5
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
中学校
仕様:
B5判 132頁
状態:
在庫あり
出荷:
2019年9月18日
新学習指導要領解説書籍
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目次

もくじの詳細表示

まえがき
ワークの使い方
1 話 者
◆基礎問題 【話者の定義】 「玩具のない子が」
◆練習問題 【話者を抜き出す】 「あいさつ」
2 登場人物
◆基礎問題 【登場人物の定義】 「雀のおやど」
◆発展問題 【登場人物を抜き出す】 「走れメロス」
3 主役対役
◆基礎問題 【主役対役の定義】 「浦島太郎」
◆発展問題 【主役・対役を抜き出す】 「少年の日の思い出@」
4 主 題
◆基礎問題 【主題の定義】 「ワシントンの桜の木」
◆練習問題 【主題を見つける】 「こぶとりじいさん」
5 色彩イメージ
◆基礎問題 【色彩イメージの定義】 「トマト」
◆練習問題 【一番大事な色を抜き出す】 「馬でかければ」
◆発展問題 【場面ごとの色を抜き出す】 「故郷B」
6 対 比
◆基礎問題 【対比の定義】 「うさぎと亀」
◆練習問題 【対比を抜き出す】 「白鳥は」
7 クライマックス
◆基礎問題 【クライマックスの定義】 「桃太郎」
◆練習問題 【クライマックスを見つける】 「虻」
◆発展問題 【クライマックスと主題】 「少年の日の思い出A」
◆発展問題 【クライマックスと主題】 「ゼブラA」
◆発展問題 【クライマックスと主題】 「故郷A」
8 起承転結
◆基礎問題 【起承転結の定義】 「山のあなた」
◆練習問題 【起承転結に分ける】 「白雪姫」
9 象 徴
◆基礎問題 【象徴の定義】 「桃太郎」
◆練習問題 【象徴を見つける】 「大きな古時計」
◆発展問題 【象徴と主題】 「少年の日の思い出B」
◆発展問題 【象徴と主題】 「ゼブラB」
10 その他(題材・設定・擬声語・類比)
◆発展問題 【故郷の題材を書く】 「故郷@」
◆発展問題 【ゼブラの設定を書く】 「ゼブラ@」
◆発展問題 【擬声語を見つける】 「水枕ガバリと…」
◆発展問題 【類比を見つける】 「石走る…」
あとがき
引用文献

まえがき

 T なぜ「分析批評ワーク」が必要なのか

 向山洋一氏は、次のように言う。


  文学学習の究極は、「作品の文芸性の発見」ということであろう。

  文芸性の定義

   @ 作品のすぐれた内容 ─────┐

                           ├─ 文芸の構造

   A それを支える効果的な表現 ──┘

  これを、作者中心の立場から考えるのでなく、常に学習する児童中心の立場に立って考え、発見するという、学習者の生き方とのかかわりを重視していくところに、文学の学習が成立し、文学を学習する学力も必要になろう。

  そこで私たちは、文学を学習するときの学力を次のように仮定した。

  ア 作品そのものを直接的に読むことができる。

  イ その表現の中から、作品の思想を読みとることができる。

  ウ 思想を効果的に表現している、さまざまな要素を見いだすことができる。

  すなわち、作品の中に「なにが」(内容)「どう」(表現)、書いてあるかを発見し、その効果について述べる能力のことであろう。言いかえれば、文学作品の表現構造を分析して、文芸性の発見がなされた時、主観的な感想から、客観性を持った文芸の批評ができるであろう。文学の教室では、このような学習の方法を身につけることを、学習の中心と考えてみたい。

         (『国語の授業が楽しくなる』一一八ページ)


 分析批評ワークは「文学作品の表現構造を分析」する学習の方法を身につけるために必要なのである。


 U 分析批評ワークで学習する「認識のものさし(観点)」

 向山型分析批評ワークは、『国語の授業が楽しくなる』一二一ページにある分析批評の観点図(向山氏による例示)を、もととする。

(図省略)


 ここで大切なのは「深化」の印である。

 イメージは一年生だけで指導するのではない。一年生から指導していくのである。つまりイメージの指導でも、学年によって指導内容、指導方法が変化していくということになる。


 V 向山型分析批評ワークの基本的スタンス

 しかし、向山氏の言う「認識のものさしの指導」は、井関義久氏の言うような分析批評の指導とは異なる。


 1 「あたり前の言葉をあたり前の言葉におきかえる授業」より「知的好奇心を満足させる授業」をやりたいというのが私の気持ちであった。

         (『国語の授業が楽しくなる』三ページ)

 2 「誰にでも教えられる、他に転化できる」、私は文学教育の中でこのことを求めていたのである。

         (『国語の授業が楽しくなる』一〇五ページ)

 3 「誰でも良い授業ができる方法」、それを私は求め続けていたのである。

         (『国語の授業が楽しくなる』一〇六ページ)

 4 「授業というのは論争の形になることをあこがれるんだ」ということと、「その論争には、言葉の根拠がつきまとうべきなんだ」ということの二点が、私の国語の授業の骨格だったという気がします。

         (『「分析批評」で授業を変える』七六ページ)

 5 違うんです。両者の骨格の違いは、いま言った授業論、授業で論争がくめるかどうかなんです。私は仮主題からその内容を分析していく、という形には入りませんでした。

   私の場合は、分析批評で使われているいくつかの手法をバラバラにしてみる。そのバラバラにしたものを、一学年につき一個ぐらい教える。すると、六学年で六個程度です。そんな程度でいいと思います。その程度の学習として組んでみる。そのなかから、何かがでてくるんじゃないかと、考えたわけです。

         (『「分析批評」で授業を変える』八一ページ)


 あくまで向山型「分析批評」は、認識のものさしを教えるのが中心ではなく、「知的好奇心を満足させる授業」、「論争のかたちの授業」それも「言葉の根拠がつきまとう授業」のために、「認識のものさし」を必要最小限指導するという立場にある。

 今回のワーク作りも、このスタンスをもととする。Uの「認識のものさし(観点)」を中心に作成し、それ以外の観点のワークはなるべく少なく入れることとした。


 W 向山型分析批評の構造

 「U」の「認識のものさし(観点)」を指導するに当たっては、次のような、構造のワークができる。

 考え方1

(図省略)


 考え方2

(図省略)


 考え方3

(図省略)


 この中で最もワークとして使いやすいのは、「考え方3」であろう。定義をまず学び、その次にその観点の使い方を練習し、教科書教材や他の教材で応用し習熟していく。そうすれば、身につけた「認識のものさし(観点)」を使って、どんな作品も解釈していけるようになるはずである。


 愛知法則化「分析批評」研究会による『分析批評ワーク』が出版されてから一七年もたってしまった。向山型「分析批評」の授業は、多くの教師のあこがれであるのに、実践する者はまだまだ少ない。「学年観点別『分析批評』ワーク」作りも最初に企画してからすでに三年の月日がすぎてしまった。向山型「分析批評」の発展のために、ぜひ、このワークをご活用いただき、更なるすぐれた「ワーク」を生むことができるよう、ご批判、ご検討をいただきたい。


  二〇〇七年一月   /石黒 修

著者紹介

石黒 修(いしぐろ おさむ)著書を検索»

1946年1月生まれ

1968年3月  東京学芸大学社会科卒業

1968年4月〜 東京都大田区立小学校勤務

2005年3月  退職

月刊『教室ツーウェイ』副編集長

TOSS中央事務局

NPO TOSSネバーギブアップ理事長

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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