- はじめに
- T これからの中心となる「活用・探究型授業」
- 一 教育基本法、学校教育法の改正に伴う学習指導要領の改正
- 二 クローズアップされた「習得」「活用」「探究」
- 三 「習得」と「活用」の関係性
- 四 「活用・探究型授業」における言語活動の重要性
- U 「活用・探究型授業」を支える思考力
- 一 日常言語の二重性
- 二 必要のなかった「論理の言語」
- 三 「論理の言語」指導の必要性
- V 核となる日常言語レベルの論証
- 一 曖昧な定義の「論理的思考力」
- 二 論証能力育成の必要性
- 三 形式論理学の論証
- 1 論証の構造
- 2 要素間の関係性
- 3 「理由づけ」の成立
- 四 日常言語レベルの論証の構造
- 1 「理由づけ」の蓋然性
- 2 「データ」の蓋然性
- 3 日常言語レベルの論証の構造
- W 日常言語レベルの論証の発達段階
- 一 日常言語レベルの論証の三段階
- 1 具体的操作期の段階
- 2 形式的操作期(後期)の段階
- 3 形式的操作期(前期)の段階
- 二 日常言語レベルの論証の三構造
- 三 三構造と文種との関係性
- X 日常言語レベルの論証と一般的な構成
- 一 基本となる三構成「序論・本論・結論」
- 二 抽象的な構成要素の意味
- 三 三構成の限界
- 1 学校教育における一貫した三構成の指導
- 2 具体的な難しさ―構成要素の曖昧さ
- 四 新たな構成の必要性―「はじめ・なか・まとめ・むすび」の提唱
- 五 四構成の限界
- 六 論証の構造と論理的な構成、言語活動との関係性
- 七 効果的な構造
- Y 日常言語レベルの論証指導のあり方
- 一 基本的な構成の意味を理解させる
- 1 「はじめ・なか・まとめ・むすび」のつながりのイメージを把握させる
- 2 「はじめ・なか・まとめ・むすび」の内面的な関係性を理解させる
- 二 基本的な構成を使えるものにさせる
- 1 多様な「まとめ」と一つの「むすび」の関係性を理解させる
- 2 「まとめ」に適した新たな「なか」を構築させる
- 3 同じ対象からの多様な「なか」と「まとめ」を構築させる
- 三 論理的な構造の型を理解させる
- Z 「活用・探究型授業」の実際
- 一 基礎となる「話し合い」の能力の育成
- 二 総合的な学習の時間の実際
- 1 典型的な二つの学習タイプ
- 2 「収束的思考タイプ」の学習
- 3 「拡散的思考タイプ」の学習
- おわりに
はじめに
学習指導要領の改正以来、「習得・活用・探究」という言葉がクローズアップされるようになってきた。そして、それに伴い、たくさんの理論や実践が発表されるようになってきた。
本著は、
・「習得・活用・探究」は、横並びに示せるような同レベルな概念ではない。
・これらは重層的な構造にあり、「活用」が核に、「習得・探究」はその周辺に位置づけられるものである。
という考えに立っている。そして、核となる「活用」を支えるものとして、
論証能力
を位置づけている。
この論証能力については、日常言語レベルの構造を明らかにし、発達段階に応じた具体的な指導方法を提示した。指導方法については、これまで系統的な指導を行ってこなかった場合でも、本著に示したものを実態に応じて実践すれば、数時間で児童・生徒の「活用」を支える論証能力が育成できるようなものを厳選して示した。
/光野 公司郎
-
- 明治図書
- 説明的文章教材の分析研究に必要な書籍です2018/10/330代・小学校教員