- まえがき
- T 先輩の「ここ一番の指導言」から学ぶ
- U 学級づくりでの「大事な一言」事例集
- 一 仲間づくりでの「大事な一言」
- 1 友だちどうし、あいさつができるようにするために
- 2 長期欠席の子が学校へ戻ってきた日に
- 3 協力することの大切さを教えるとき
- 4 名前を覚え合うための一言
- 5 友達どうしで遊べるようにするために
- 6 転入生と仲良くなるために
- 二 リーダーの自覚を促す「大事な一言」
- 1 リーダーの意識を持たせるために
- 2 物怖じしてしまうリーダーに
- 3 リーダーとしての行動をほめるとき
- 4 ついつい自分本位になってしまうリーダーを諌めるときに
- 三 小集団「大事な一言」
- 1 子どもたちの自主的な活動をほめるときに
- 2 清掃での一生懸命さをほめるときに
- 四 朝の会でやる気を引き出す「大事な一言」
- 1 一日の目当てを意識させよう
- 2 クイズで楽しみ、集中力を
- 3 欠席者の確認と返事を工夫しよう
- 4 「先生のお話」の中で
- 五 帰りの会で子どもを励ます「大事な一言」
- 1 連絡帳で点検しよう
- 2 生活班や学習班など班でがんばりを確かめあおう
- 六 話し合いの基礎を作る「大事な一言」
- 1 自分の意見・考えを持たせよう
- 2 意見・考えを出させよう
- 3 はてなを持たせよう
- 七 係活動で積極さを出す「大事な一言」
- 1 いろいろな体験をさせよう
- 2 好きなやりたい係をさせよう
- 3 趣味を生かそう
- 八 日直や当番への「大事な一言」
- 1 日直の活動が持続するために
- 2 そうじ当番への一言
- 九 日直や当番への「大事な一言」
- 1 やってよかったと思える満足感を生むために
- 2 日直や当番の仕事への意欲を引き出すために
- 十 学習のきまりづくりでの「大事な一言」
- 1 聞き方のきまりづくりのときに
- 2 話し方のきまりづくりのときに
- 3 学習の用意のきまりづくりで
- 十一 発表意欲を燃え立たせる「大事な一言」
- 1 「ぼくにも言える」という安心感を持たせることで
- 2 発表の内容を工夫させることで
- V 授業づくりでの「大事な一言」事例集
- 一 学習意欲の乏しい子への「大事な一言」
- 1 学習意欲をどう捉えるか
- 2 授業中の学習意欲とは
- 3 子どもたちの発表を促す「大事な一言」
- 4 意図的な指名を心がける
- 5 全ての子を授業に参加させる
- 6 その子の個性を生かす
- 二 学習の遅れがちな子への「大事な一言」(その一)
- 1 子どもたちの学習状況を把握する
- 2 スモールステップで手順を示す
- 3 時には、単線でなく複線で
- 三 学習の遅れがちな子へ「大事な一言」(その二)
- 1 だれもが理解できる授業を
- 2 宿題から自信へ
- 四 授業中に落ち着きのない子への「大事な一言」
- 1 多動症候群という言葉
- 2 教室でのルールを確認し守らせる
- 3 仕事を持たせ、認めていく
- 五 授業中に騒ぐ子への「大事な一言」
- 1 どんな状態か
- 2 まわりからせめよう
- 3 自問させよう
- 4 これからどうするか考えさせよう
- 5 どうしてもしゃべりたい、当てて欲しい子に
- 六 あきらめの早い子への「大事な一言」
- 1 苦手だと思い込んであきらめてしまう子に
- 2 自分はだめだとあきらめてしまう子に
- 七 無気力、なげやりな子への「大事な一言」
- 1 できた、もっとやりたい、という気持ちをもたせる
- 2 結果より、それまでの努力を認める
- 八 学習にあきっぽい子への「大事な一言」
- 1 45分間を意識させる
- W 生活指導での「大事な一言」事例集
- 一 遅刻をする子への「大事な一言」
- 1 起床時間が遅い子
- 2 一人でなかなか起きられない子
- 3 朝の支度に時間がかかる子
- 二 忘れ物をする子への「大事な一言」
- 1 忘れ物に対する意識が弱い子
- 2 自分から毎日予定表をみることをしない子
- 3 自分一人で、明日の用意をしていない子
- 4 連絡帳を書かないから忘れてしまう子
- 三 整理整頓のできない子への「大事な一言」
- 1 煩雑になっていても気にならない子
- 2 わかっているが整理整頓に不器用な子
- 四 言葉づかいの悪い子への「大事な一言」
- 1 「はい」の言える子どもに
- 2 話をするときは、ほほ笑みを持って
- 3 言いたいことは自分の言葉で
- 4 怒鳴り声より、やさしい声で
- 5 子どもの言葉には、意識を持って
- 五 いじめっ子への「大事な一言」
- 1 学級のはじまりの日に
- 2 休み時間に
- 3 誰かが悲しそうにしている時に
- 4 ひとりぼっちができた時に
- 5 けんかが起こった時に
- 6 いじめっ子を中心に遊ぼう
- 六 掃除をサボる子への「大事な一言」
- 1 掃除をする前に
- 2 グループでの活動に
- 3 掃除の様子を見た時に
- 4 掃除が終わった後に
- 5 掃除をサボった子どもがいた時に
- X 本から学ぷ「大事な一言」事例集
- 一 詩から学ぷ「大事な一言」
- 1 すべてのものに対するいのり
- 2 いまこそ、美しいことばを
- 二 絵本から学ぶ「大事な一言」
- 1 わたしのせいじゃない
- 2 きらいやと言い切れる仲間
- 3 あいさつがいっぱい
- 4 いたずらではすまされないこと
- 5 地雷ではなく花をください
- Y 夏休みに向けての「大事な一言」事例集
- 一 通知票の見方での「大事な一言」
- 1 通知票は絶対ではない
- 2 通知票で評価できるのはほんの少し
- 3 子どもに通知票を渡すときの言葉
- 4 子どもが保護者へ渡すときの言葉
- 二 生活表づくりでの「大事な一言」
- 1 計画倒れにしないための「大事な一言」
- 2 生活表をつくらせるときの小さな配慮
- 三 夏休みの過ごし方での「大事な一言」
- 1 生活指導面への「大事な一言」
- 2 命を大切にさせる「大事な一言」
- 付録一 子どもの味方になるつきあい方(その一)
- 1 見る
- 2 聞く
- 3 話す
- 44 触れ合う
- 付録二 子どもの味方になるつきあい方
- 1 心に残る言葉を
- 2 否定的な言葉は使わずに
- 3 言葉を大切に
- 4 タイムリーな言葉を
- 5 ルールとしつけははっきりと
- 6 励ます言葉は工夫して
- あとがき
まえがき
四月。新しい学年が始まります。
新しいクラスはどんなクラスか。新しい先生はどんな先生か。いろいろな夢と希望に喜びを感じる時です。
そんな時、わたしたち担任は、新しいクラスをどのように作り上げようかと考えます。また、子どもたち一人一人をどんな子どもたちに育てようかと考えます。
きっと、子どもたちと良い人間関係を作って、楽しく過ごしたいと願うはずです。
しかし、学級にはいろいろな性格の子どもたちがいます。教師の接し方により、思いもよらない不幸な出来事が起こることもあります。
学級でトラブルが起きた時に、子どもたちに投げかける『言葉』は一つではありません。その時々に会った『言葉』があるはずです。
トラブルが起きた時だけでなく、日頃の生活の中でも、『言葉』が大切な役目を果たします。この『言葉』の善し悪しで子どもは育っていくのです。
子どもを育てる時には、「ほめる」という行為が一番大切だといわれます。
『子どもをほめよう。ほめ言葉を研究しよう。』
野口芳宏氏は、著書の中で次のように述べられています。
『学習を進めていく過程で、「子どもが動く」というようになるには、ほめるとか、励ますとかいう人間的な触れ合いが、かなり大きな働きをしている。』
この、子どもへの「働きかけ」がとても重要であり、子どもの気持ちにピタッとあった時が、子どもの進んでの活動につながっていくと考えられます。
また、有田和正氏も、次のように述べておられます。
『暗示をかけて育てよ。』
子どもには、暗示をかけ「ほめ言葉」で育てたいと思っています。
本書は、「子どもが変わる大事な一言」を中心にまとめてあります。
子どもを育てるつもりが、教師の心ない一言で、子どもの心が傷つくことがあります。きっと、毎日の学校生活の中には「大事な一言」があるはずです。
その場その場にあった「一言」があるはずです。いろいろな例をあげ、その場にふさわしい「大事な一言」を書きまとめてみました。
『あなたは、頑張っているね。その態度素晴らしいよ。』
こんな言葉をかけられた子どもは嬉しくなって、もっと頑張ろうという気になります。日常の小さな「一言」を本書で見つけてください。みなさんの参考になれば幸いです。
最後になりましたが、わたしたちのサークルにこのような機会を与えてくださった明治図書の江部満編集長には、心より感謝いたします。本書だけでなく今までの活動にも温かい励ましと、助言をいただいておりました。
その励ましが、心の支えとなり本書をまとめることができました。
ほんとうにありがとうございました。
京都サークル事務局 /岡田 登茂子
-
- 明治図書