- まえがき
- 序 所見になぜ「支援の言葉」が必要か
- 1 通知表はどのように見られているか
- 2 所見欄はどう読まれているか
- 3 支援の立場に立った通知表とは
- 4 教師の目はそんなに確かなものか
- T 支援の観点からみた望ましい所見文例
- 1 学習成績に関して
- 2 学習態度に関して
- 3 行動に関して
- 4 特別活動に関して
- U 使ってはいけない表現と語句
- (1) 断定的に決めつけたような表現
- (2) その子のマイナス面だけを強調するような表現
- (3) つき放したような冷たい表現
- (4) 保護者に責任を転嫁するような表現
- (5) 自分の責任を回避するような表現
- (6) 兄弟や他の児童と比較した表現
- (7) その子の心身の欠陥や異常に言及する表現
- (8) 差別や偏見につながる表現
- (9) 児童や保護者に理解できない専門用語を用いた表現
- V 「支援の言葉」を入れた成績に関する所見文例
- 1 成績のよい子への所見文例
- (1) 国語(6例)
- (2) 社会(6例)
- (3) 算数(6例)
- (4) 理科(6例)
- (5) 音楽(4例)
- (6) 図画工作(4例)
- (7) 家庭科(4例)
- (8) 体育(4例)
- 2 成績がよくない子への所見文例
- (1) 国語(6例)
- (2) 社会(6例)
- (3) 算数(6例)
- (4) 理科(6例)
- (5) 音楽(3例)
- (6) 図画工作(3例)
- (7) 家庭科(3例)
- (8) 体育(3例)
- 3 成績に偏りむらがある子への所見文例
- (1) 国語(8例)
- (2) 社会(6例)
- (3) 算数(7例)
- (4) 理科(6例)
- (5) 音楽(6例)
- (6) 図画工作(7例)
- (7) 家庭科(6例)
- (8) 体育(6例)
- 4 あることを機に学習内容に興味を持った子への所見文例
- (1) 国語(5例)
- (2) 社会(5例)
- (3) 算数(4例)
- (4) 理科(3例)
- (5) 音楽(3例)
- (6) 図画工作(2例)
- (7) 家庭科(3例)
- (8) 体育(5例)
- 5 学習に興味が持てず成績が下がった子への所見文例
- (1) 国語(5例)
- (2) 社会(5例)
- (3) 算数(4例)
- (4) 理科(3例)
- (5) 音楽(3例)
- (6) 図画工作(2例)
- (7) 家庭科(3例)
- (8) 体育(5例)
- W 「支援の言葉」を入れた学習態度に関する所見文例
- 1 授業への積極性・意欲に関する所見文例
- (1) 国語(19例)
- (2) 社会(6例)
- (3) 算数(8例)
- (4) 理科(6例)
- 2 授業への集中力・根気に関する所見文例
- (1) 授業全般について(7例)
- (2) 国語(3例)
- (3) 社会(3例)
- (4) 算数(3例)
- (5) 理科(3例)
- (6) 音楽(2例)
- (7) 図画工作(2例)
- (8) 家庭科(1例)
- 3 学習活動全体の傾向に関する所見文例
- (1) 国語(10例)
- (2) 社会(4例)
- (3) 算数(5例)
- (4) 理科(1例)
- 4 学習全体の傾向に関する所見文例
- (1) 国語(10例)
- (2) 社会(6例)
- (3) 算数(8例)
- (4) 理科(2例)
- (5) 音楽(2例)
- (6) 図画工作(5例)
- (7) 体育(8例)
- 5 学習技能・スタイルに関する所見文例(39例)
- 6 学習習慣・家庭学習に関する所見文例
- (1) 国語(5例)
- (2) 社会(3例)
- (3) 算数(4例)
- (4) 図画工作(5例)
- (5) 音楽(5例)
- (6) 家庭科(2例)
- (7) 体育(2例)
- X 「支援の言葉」を入れた行動等の所見文例
- 1 基本的な生活習慣(6例)
- 2 明朗・活発(6例)
- 3 自主性・根気強さ(7例)
- 4 責任感(6例)
- 5 創意工夫(4例)
- 6 思いやり(5例)
- 7 協力性(5例)
- 8 自然愛護(5例)
- 9 勤労奉仕(6例)
- 10 公正・公平・公共心(6例)
- Y 「支援の言葉」を入れた特別活動の所見文例
- 1 話し合い活動(11例)
- 2 係活動・当番活動(8例)
- 3 児童会活動(児童会役員の活動、代表委員会など)(12例)
- 4 児童会活動(各種委員会活動、児童集会活動)(12例)
- 5 クラブ活動(6例)
- 6 学校行事(11例)
- Z 通知表の見方を保護者にどう伝えるか
- 1 通知表の見方は変わったか?
- 2 通知表は子どもに向けて
- 3 通知表の見方をどう伝えるか
- (1) 保護者会で
- (2) 学年・学級通信で
- (3) 個別懇談会で
- あとがき
まえがき
新学力観で、「支援」という言葉がひんぱんに使われるようになってきた。指導案などにも「指導」という言葉に代わって「支援」という言葉が主流になりつつある。教師が作成する文書の多くに、「支援」が定着しようとしている。
こんな中で、あまり代わっていない感じのするものがある。「通知表」である。評定欄や観点別の評価欄は確かに変わった。しかし、所見欄は以前とあまり変わっていないようである。
所見欄は、教師が一人一人の子どもに対して送る言葉を書く欄である。一人一人の子どもたちにとっていちばんインパクトの強いところである。にもかかわらず、ここに「支援の言葉」がほとんど定着していないのが現状である。
通知表に書かれた教師のちょっとした一言で急にやる気になったり、傷ついたりしたという話をよく耳にする。ただ、事実のみを書いたり、直して欲しいことをそのまま指導的に書くのでは、いくら授業などで「支援」を強調していても成果がない。
子どもに「支援の言葉」を使って、教師の願い、思いを伝えないといけない。
そこで、本書では「支援」の言葉を各項目ごとに集めてみた。その作業は、今までに書いてきた所見文を「支援」という観点で見直すことから始めた。この「支援」の言葉を探し出すのは、大変な作業であった。ということは、我々が今までに書いてきた所見文はほとんど支援的なものでなかったからであろう。
この所見文例集はサークルのメンバーが力を合わせて作成したものである。いろいろ、お気づきの点があると思う。それをまた教えていただけたら幸いである。
「支援」の立場に立ち切った通知表を開発していきたいものである。
/戸井 和彦
-
- 明治図書