- 監修のことば
- まえがき
- T 「あなたに任せると安心」と信頼される校務分掌のこなし方
- 一 頼りにされる教科主任の仕事術
- 〜初任者も主任となる時代です〜
- 1 国語科主任の仕事術
- 一年間を見通し、四月中におおよその仕事を終わらせる
- 2 算数科主任の仕事術
- TOSS教材を有効活用で算数科経営
- 3 社会科主任の仕事術
- 教師が授業しやすいように環境を整え、勤務校の社会科教育活性化を目指す
- 4 理科主任の仕事術
- 理科主任は、理科室を機能的に活用できるようにする「理科室設計」が、最大の仕事である
- 5 体育主任の仕事術
- これでバッチリ、運動会を成功させるポイント!
- 6 図工主任の仕事術
- 一大イベント「夏休みのコンクール」この準備さえ行えば、後はオートマティック!
- 7 音楽主任の仕事術
- ピアノが弾けなくても音楽集会は楽しくできる!
- 8 外国語活動主任の仕事術
- 多くの先生が授業をしやすいような環境を整えることで信頼を得る
- 9 人権教育担当の仕事術
- 力のある教材で心温まる人権週間を作ろう!
- 10 校内研修の仕事術
- 年間の研修の組み方のポイント教えます
- 11 情報教育担当の仕事術
- 整理整頓と情報発信で広まる「校内の情報機器」と「信頼」
- 二 児童・生徒指導の仕事術
- 1 いじめを未然に防ぐ調査の方法
- 〜いじめの事実を発見することが、いじめ解決のために最初にやるべきことである〜
- 2 物隠し等いじめと思われることが起こったら
- 〜いじめとの闘いでは、子ども集団の教育力を生かす〜
- 3 週・月の生活目標の立て方
- 〜生活目標を全体に広める方法〜
- 4 保護者からのクレームがきたら
- 〜「クレームはあって当たり前」保護者との関係をより強固にするクレーム対応の基礎基本〜
- 5 子どもの問題行動を受けて、子どもに話すとき
- 〜問題行動の何が問題なのか 子どもたちに自分たちで考えさせ、問題行動をなくすための話し方〜
- 三 児童会担当になったら
- 1 児童会活動の運営の仕方
- 〜児童会の仕事は多岐にわたる! 落ち着いて仕事を進めるための五つの仕事術〜
- 2 楽しい児童会集会の方法
- 〜子どもたちが熱中する「六年生を送る会」成功のポイント〜
- 四 小規模校で校務分掌がたくさん重なったときの仕事術
- 「見通し」と「即時処理」が分掌を効率良くこなしていく最大のポイントである
- U 「余裕があるね」と尊敬のまなざしを得る日常の生み方
- 一 週案簿の書き方と活用法
- 〜自分の実践の予定を書き込むことで力をつける〜
- 二 仕事に生かすパソコン活用法
- 〜事務処理で使って時間短縮! 授業で使って子どもたちも大興奮!〜
- 三 締め切りを守る秘訣
- 〜こうすれば締め切り日を過ぎることはない〜
- 四 退勤時刻が早くなる秘訣
- 〜時間を意識することで、仕事がどんどん進みます〜
- 五 ためないテストの採点
- 〜テストをしたその時間に採点をすることがためないコツだ〜
- 六 即時処理の方法
- 〜もう終わったの? と先輩からびっくりされる即時処理の裏技教えます!〜
- 七 子どもの記録の取り方
- 〜楽々記録術 その日その場で見たままにこまめな記録が具体的な表現につながる〜
- V 「この初任者、なかなかできるな」と思わせるちょっとした工夫
- 一 文書提案、こうすれば安心
- 〜全てを文書に残すことで企画を成功させる〜
- 二 子どもの前ではスタイリッシュに
- 〜「うちの先生、かっこいい!」と思える先生になる秘訣〜
- 三 打ち合わせ・職員会議の切れる仕切り方
- 〜切れる会議の仕切り方とは、向山型の授業そのものである〜
- 四 職員室の机をコーディネートする
- 〜職員室の机をきちんと整理できることは、その後の安定した教師生活にもつながってくる〜
- 五 ロッカーの中にこんなものを置いておこう
- 六 子どもの様子が詳しい日誌の書き方
- 〜子どもが生き生きと活動している様子が書かれる日誌は、教師の力量アップにもつながる 子どもの良い面を見つけ、記録を続ける日誌の書き方〜
- 七 いつもばっちり教材研究
- 〜ほかの初任者に一歩差をつける「TOSSランド」徹底活用術〜
- 八 朝会など全校児童の前で話すコツ
- 〜朝会での話し方「三原則」+「モノを用意」+「目線」〜
- W 「いい初任者が入ってきた」とだれからも好かれる心得
- 一 子どもとの接し方の心得
- 〜「尊敬する先輩にそのことができるのか」ということを基準にすれば、接し方も変わる〜
- 二 先輩教師との接し方の心得
- 〜信頼され、愛される後輩になるためのポイント5〜
- 三 保護者との接し方の心得
- 〜子どもを褒めて、丁寧に対応することで信頼を得る〜
- 四 出勤時・退勤時の心得
- 〜当たり前のことを当たり前にすることが大切〜
- 五 上手な質問の心得
- 〜すぐに、何度も、何でも聞いて、最後に笑顔でお礼を言おう〜
- 六 雑用を率先してやる心得
- 〜感謝の気持ちを持ち、率先して、笑顔で行うことが信頼へとつながる〜
- 七 上手な報告・連絡・相談の心得
- 〜ホウレンソウ七つのポイント〜
- 八 失敗、ミスの後処理の心得
- 〜失敗は行動した証拠 自分を責めずに失敗を成長に変える人になろう〜
- 九 学年主任と信頼を築く心得
- 〜あいさつ・返事をしっかりとし、分からないこと・困ったことはすぐに聞き、感謝の気持ちを持つこと〜
- あとがき
まえがき
私が新採用で赴任した学校は、学年で三クラスほどあり、中規模校であった。
したがって、校務分掌などは、ほとんどないも同然だった。
中心だったのは、学童野球の監督をすることだった。
そのころ私たちの地域では、小学校でも教師が監督をする運動が盛んだった。
当時の教頭からは、「野球のできる新採用を探していた」と言われ、若い私は「子どもたちと一緒に野球ができるのだから、うれしい」と思っていた。
それからしばらくして、私は引っ越しをした。
異動した学校は、小規模校だった。
そこで、いきなり児童指導主任(生活主任)を担当することになった。
それまで校長名で文書を出すことなどほとんどなかった私が、いきなり何枚もの文書を保護者に出すことになった。
教育委員会への提出物も増えた。
ところが、過去に経験がないので、どのような形式で出したらいいのかも分からない状態だった。
前年度の資料が残っていれば、それに倣って処理をすればいいのだが、新しい内容のものとなると、書き出しからどうしたらいいか分からなかった。
新採用であるならば、「知らない」ということは恥ずかしいことではないだろうが、ある程度の経験をした者にとっては、「知らない」ということは「恥ずかしい」ということにもつながってしまう。
「え? そんなことも知らないの」と思われつつも、まわりの教師たちに質問をしながら、何とか校務をこなしてきたことを覚えている。苦い思い出である。
本書は、新採用者がいきなり主任になったときに、何に気をつけて仕事をこなしていけばいいのかということを、校務分掌をもとに紹介している。
「新採用が主任だって?」と思われるかもしれないが、大量採用を迎える都市部などでは、有り得ないことではない。
新採用ばかりではなく、初めてその校務分掌の主任になる教師にとっても役に立つ内容だ。
また、日々の仕事に忙殺されては心のゆとりがなくなってしまう。
時間に追われる日々は、精神の安定を欠き、学級経営にも支障をきたす。
日常のほんのちょっとした工夫が、時間にゆとりを生み出していく。
そのようなコツを紹介するとともに、まわりの教師から好かれる教師とは、どのような教師であるかも紹介している。
本書に書かれた内容が、多くの人の参考になることを願っている。
二〇一〇年一一月 /松崎 力
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- 明治図書