〈集団統率力で学級の崩壊を防ぐ〉問題提起7
統率力で危機管理をする原則

〈集団統率力で学級の崩壊を防ぐ〉問題提起7統率力で危機管理をする原則

事例とデータでみる学校・担任のリスクマネジメント心得集

学校の危機管理の変遷、なぜモンスターペアレンツが増えるか、学校の危機を乗り越える方法を探る。さらにモンスターペアレントへの危機管理の対応。「いじめ・恐喝」で自殺発生への危機管理、マスコミへの危機管理の対応、ネットトラブルへの危機管理など解説。


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ISBN:
978-4-18-249121-4
ジャンル:
学級経営
刊行:
対象:
小・中
仕様:
A5判 208頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2019年12月6日
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目次

もくじの詳細表示

教師の学級統率力を見直す /明石 要一
はじめに /明石 要一
T 学校の危機管理とは何か
一 日本人と危機管理の感覚
二 学校の危機の変遷を探る
学校の危機の兆しはすでに三〇年前に見える
三 モンスターペアレンツの出現
四 なぜモンスターペアレンツが増えたか
1 学校を尊敬しない
2 「公」の観念が崩れている
3 地域が変わった
五 学校の危機を乗り越える方向性を探る―組織マネジメント力の育成
1 積み上げ方式からの脱却
2 学校マニフェストづくり―目標と戦略を区別する
3 学校評価の視点を持つ―「戦術」を評価する
六 公助と互助と自助の考えを推し進める
U モンスターペアレントへの危機管理の対応
一 モンスターペアレントとは?
二 誰も、はじめからモンスターではない
三 モンスターも悩んでいる
四 モンスターにしない教師の対応
五 教師の「謝罪力」を鍛える
1 謝罪をするか? しないか?
2 謝罪はどんなときに必要か?
3 保護者の立場に立つ
4 謝罪の進め方
5 謝罪は信頼関係構築のスタート
六 学校の相談機能を一本化する
V 「いじめ・恐喝」で自殺発生への危機管理
一 いじめの現状と年度当初の「危機管理体制」整備
二 発生時の対応モデルと初期対応のポイント
1 迅速・確実な連絡をすること
2 「危機対応」の前提として重要なこと
3 外部危機対応専門家の応援要請
4 「5W1H」の基本をふまえた情報収集をすること
5 役割分担とやるべきことの洗い出し
6 情報の共有と窓口の一本化
三 教職員への対応
1 教職員の動揺への対応
2 対応の目的の確認
四 子どもへの対応
1 対応の基本
2 子どもたちへの伝達
3 伝達する内容は箇条書きの文を読む
4 子どもたちへの支援計画の作成
5 みんなで子どもたちを支える
6 いじめにかかわった子への対応
五 遺族への対応
六 保護者への対応
1 保護者との連携・協力体制を作るために
2 保護者会の連絡は確実に
3 保護者会の開催
4 保護者に伝える内容についての配慮
七 マスコミへの対応
八 時系列による初期対応例
いじめ自殺が起こったときの初期対応例
九 再発防止に向けて
一〇 子どもの心のケアの継続を
一一 教職員の心のケア
1 担任のケア
2 職員全体のケア
3 事態収拾後の振り返りとケア
4 養護教諭のケア
5 管理職のケア:危機対応のスーパーバイザーの必要性
一二 まとめとして
1 マニュアルは基本対応である
2 子どもにつくこと
3 リーダーシップとチームワーク
4 予防的対応の必要性
W マスコミへの危機管理の対応
一 危機管理とは何か?
1 常識となった危機管理
2 学校の「危機」
二 危機が起きたら
1 いじめで生徒が自殺したと仮定して……
2 マスコミ対応
三 クライシスマネジメントとリスクマネジメント
1 事件後と平時のリスクマネジメント
2 変わるマスコミ対応
3 能動的広報と広報マインド
4 なぜ広報が必要なのか
5 マスコミへの危機管理の肝は日頃の広報活動
X ネットトラブルの危機管理
一 子どものネット利用の状況
1 所持率は地域差が大きい
2 情報発信が目立つ
3 フィルタリングの普及率は低い
二 ネットトラブルの状況
1 無自覚・無防備な利用者
2 意図を持ってトラブルにあう利用者
三 「ケータイ依存」の問題
四 各関係者の取り組み
1 携帯電話事業者の取り組み
2 サイト運営事業者の取り組み
3 国や自治体、地域等の取り組み
五 学校のケータイ・ポリシー
1 小学校の場合
2 中学校・高等学校の場合
Y 生徒集団を鍛えることで危機管理をする
一 危機管理が必要なのはどのようなときか
二 集団的アプローチで危機を乗り越える
三 危機管理の近道は世論づくり
四 ある中学校の事例から
1 学級での集団いじめ
2 学年での取り組み
3 生徒会での取り組み
五 生徒指導コーディネーターとしての危機管理
Z 生徒指導コーディネーターで危機管理をする
一 学校の危機管理の原則と生徒指導
1 危機管理の原則
2 生徒指導と危機管理
二 生徒指導コーディネーターの意義
1 情報をつなぐ
2 人・組織をつなぐ
3 取り組みをつなぐ
三 事例から見る生徒指導コーディネーターの役割
1 具体的な取り組み事例
2 生徒指導コーディネーターの役割
四 生徒指導コーディネーターと危機管理
[ 事務室から見る学校の危機管理
一 今の学校の危機管理
1 学校の危機管理の甘さ
2 学校における事務職員の役割
二 事務室から見る学校の「危機」と「危機管理」
1 非常災害
2 不審者
3 クレーム
4 会計事故
三 力を合わせて学校の危機を乗り越える
1 事務職員も意識改革が必要
2 教員にとって一番の理解者であり味方は事務職員である
\ 学校と警察の連携での危機管理
一 学校と警察
二 少年サポートセンターの役割
三 子どもたちが犯罪の被害にあわないための連携――外部の危険から子どもたちを守る
四 子どもたちの非行を未然に防ぎ、非行の進行を防ぐための連携
1 非行を未然に防ぐための活動
2 非行の進行を防ぐための活動
3 非行の深化を防ぐための活動
五 学校の中で問題が生じている場合の対応
1 学校が荒れている場合
2 同じ学校の生徒同士で被害・加害の問題が生じた場合
六 学校と警察の連携にあたっての諸問題とその解決に向けて
1 外部機関との連携への抵抗
2 アセスメントの重要性
3 情報の共有とその管理について
] 「裏社会」の不当要求への危機管理の対応
一 「裏社会」とは
二 裏社会と学校
1 「不当要求」
2 「紳士録商法」とは
3 図書の購読要求
三 具体的な対応の仕方
1 校長室には通さない
2 当事者以外とは会わない
3 強攻策への転換
四 一般的な注意事項
1 面会時間を決めて会う
2 お茶は出さない
3 こちらは相手より一人くらい多く
4 テープレコーダーを用意する
5 文書は絶対に書かない、渡さない
6 約束は極力しない
7 接触が再度続くような別れ方はしない
]T 学校事故・学校不祥事での危機管理の対応
一 危機管理とは――“いじめ問題”“個人情報の紛失・流失問題”を例として
1 具体的にわかりやすく“いじめ”を例にとって説明しよう
2 個人情報の紛失・流失問題を例に説明しよう
二 具体的な対応の仕方
1 正確な事実確認
2 校長への報告
3 対応策の検討―初期対応(初手)を誤るな
4 決断と行動
おわりに /明石 要一

はじめに

   1 サルはなぜ群れを維持できるか

 サルはなぜ群れを維持できているか。一見するとサルはいつも争いを起こしているように見える。

 サルの群れにはルール(掟)がある。メンバーがそれを身につけているから秩序が保てる。

 サルの社会には守らなければならない次のようなルールがある。

 @ マウンチング(背乗り)の仁義

 ボスの前に転がされたミカンが欲しいとき、すぐに手を出すと懲らしめにあう。しかしボスの所に行きお尻をつきだし、背乗りをしてもらう(頭が上がりませんという意思表示)とミカンをとってよい。

 A 一番高い木を揺らしてはいけない

 サルは餌を求めて移動する。しかし勝手に移動してはいけない。一人で移動すると人間や野犬に出会い危険な目にあう。

 移動の合図(ルール)がある。それはボスが今いる地点の一番高い木を揺らすと移動する。

 やんちゃな若いサルがおもしろ半分に高い木に登り揺らすと、ボスに引きずり降ろされ、懲らしめにあう。


   2 掟を守らないと仲間はずれになる

 群れのルールを守らないサルは群れに適応できなく、離れていく。ということは、生きていけない。サル社会では群れ落ちは死を意味する。

 人間社会でも「村八分」がある。村人同士いじめて仲間はずれをするが「火事」と「葬式」だけは助け合う。これも暗黙の掟である。人間社会で究極の生命維持だけは相互扶助の精神が働く。

 「いじめ」はこうした群れ(社会)を維持するルールがない集団で生まれる。ルールがあると縛りがかかり、歯止めが効くのである。

 集団づくりで大切なのは、このルールづくりであり、身につけさせることである。


   3 ボスの役割は何か

 集団の統率力はバラバラな群れを集団化することである。バラバラな群れをルール化し地位と役割を与え、メンバーたちに安全と安心感を抱かせるのである。

 チンパンジーのボスは次の三つのことを行って「群れ」に秩序をもたらす。多摩動物園にチンパンジー村がある。そこのボスが取った行動を示す。

 @ 新メンバーを保護する

 人間に飼育されたチンパンジーを群れに戻すといじめにあう。そこで、飼育者はボスチンパンジーと新米子どもチンパンジーを一緒の檻に入れてラポール関係を作らせる。

 そうすると、仲間からいじめが始まったときボスが間に入りいじめを止める。メンバーはボスが認めた者には危害を与えなくなる。

 A 外敵からメンバーを守る

 チンパンジー村ではライオンの絵を描いた看板をメンバーに見せる実験を行う。多くのメンバーは驚きと恐れで悲鳴を上げ、群れは混乱する。そのときボスはライオンに向かって牙をむきだし威嚇する。外敵から群れを守ろうとする。

 ボスは常に安全確認をし、外敵からメンバーを守る役割行動を取っている。

 B ボスは判事の役割をする

 サルとチンパンジーの違いは「所有」観念有無である。サルは所有観念がないので食べ残したモノを持ち去らない。ところがチンパンジーは所有観念があるので食べ残すと子どもや気のあう相手に分け与える。分配行動を取る。

 「所有」の観念があると争いが絶えない。ボスはこの争いの仲裁が大きな役目になる。チンパンジーの群れでは「先に手にした者に所有権がある」というルールがある。だから、ボスは例えば、バナナを誰が一番先に手に入れたか、常に監視し公正な裁定をしなければならない。

 危機管理はこのサルとチンパンジーのボスたちの行動を参考にする必要がある。危機管理のエッセンスは二つのほ乳類の群れの維持システムの中から抽出できそうである。


   /明石 要一

著者紹介

明石 要一(あかし よういち)著書を検索»

昭和23年1月17日生まれ

大分県姫島村出身

東京教育大学大学院博士課程満期単位取得退学

専門分野:教育社会学(青少年教育)

文部科学省中央教育審議会生涯学習分科会副会長

文部科学省子どもの居場所づくり推進協議会座長

2010年ゆめ半島千葉国体・大会式典委員会委員長

千葉県青少年問題審議会副議長

専門は教育社会学。1993年に千葉大学教育学部教授に就任。文部科学省中央

教育審議会の生涯学習分科会副会長,千葉大学教育学部学部長,2010年ゆめ

半島千葉国体の大会式典委員会委員長・大会広報委員長等も務める。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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