- 教師の学級統率力を見直す /明石 要一
- はじめに /長野 藤夫
- T 統率力とは何か
- 一 教師たる「責任感」が前提である
- 二 而して「教育技術」を身につける
- U 名武将に学ぶ統率力
- 一 武田信玄に学ぶ統率力
- 1 最大の財産は「人材活用」
- 2 能力を活用して統率する
- 3 やる気を高めて統率する
- 二 徳川家康に学ぶ統率力
- 1 徳川家康と本多正信
- 2 徳川家康の統率力から学ぶ
- 3 すごいパワーを学級づくりに生かしていく
- V 名監督に学ぶ統率力
- 一 大松博文に学ぶ統率力
- 1 「率先垂範」が統率力の源である
- 2 日記指導で「率先垂範」を示す
- 二 西本幸雄に学ぶ統率力
- 1 「悲運の闘将」西本幸雄
- 2 統率者は「信念を貫く」
- 3 成功に導く教師の統率力
- W 名将に学ぶ統率力
- 一 山本五十六に学ぶ統率力
- 1 統率者は「責任を放棄しない」
- 2 統率者には部下を引きつける魅力がある
- 3 統率者に必要なものとは
- 二 今村均に学ぶ統率力
- 1 不敗の名将・今村均
- 2 難攻不落の地下要塞「ラバウル」
- 3 将に将たる人徳
- 4 教師に教師たる人徳
- 5 授業で子供を成長させる
- X 統率力で子供社会の「仕切り屋」を育てる
- 一 イベントをたくさん仕組み「仕切り屋」を育てる
- 1 教師が「仕切り屋」を育てる
- 2 「仕切り屋」をイベントでこう育てる
- 二 「仕切り屋」は誰でもできる
- 1 「リーダーが生まれる」思想
- 2 リーダーが生まれる係活動・イベントを仕組む
- 3 「リーダーが生まれる」池田学級のイベント
- 三 「仕切り屋」の定義で「不満」と「不安」を解消する
- 1 「推薦でやらされた」学級委員長の一文
- 2 決め方にこだわる
- 3 「仕切り屋」のイメージを壊す
- Y 統率力で学級崩壊を立て直す
- 一 道徳の授業で学級を統率する
- 1 美しい生き方を示す
- 2 野口健氏の「エベレスト清掃登山」を授業する
- 二 指示を通すことで生還する
- 1 「指示が曲がる」学級
- 2 状況を確認し、基本方針を立てる
- 3 指示を通す手立て
- 三 崩壊した学級を担任する
- 1 学級崩壊を立て直すために必要なもの
- 2 学級崩壊を立て直すための優先順位
- 四 「授業開始の工夫」で立て直す
- 1 子供たちを授業に引きずり込む
- 2 「授業開始のパターン」を身につける
- Z 統率力で学校行事を成功に導く
- 一 方針を示し、仕組みをつくり、そして集団を動かす
- 1 方針を示す
- 2 仕組みをつくる
- 3 集団を動かす
- 二 自主的な取り組みの中で統率力を発揮する
- 三 「個別評定」こそが特別支援を視点に入れた教師の統率力である
- 四 共感的理解と「絶対にやり遂げる」意志が成功に導く
- 1 盛り上がらない学校祭
- 2 教師はあきらめてはならない
- 3 統率者として最も大切なこと
- [ 統率力で教師集団を活性化させる
- 一 教師集団を活性化させる校長の統率力
- 1 師弟同行の精神で教師の心を育てる
- 2 ここが違う「尊敬される校長」「軽んじられる校長」
- (1) 校長に望むこと
- (2) ぶれない言動
- (3) 責任ある行動
- (4) ほめてやらねば、人は動かじ
- 二 教師集団を活性化させる教頭の統率力
- 1 「嫌われる」ことを恐れてはならない
- (1) 教頭かくあるべし
- (2) 教頭の統率力を支える条件
- (3) 「嫌われる」ことを恐れてはならない
- 2 教頭に備わっているべき統率力
- (1) 教頭の統率力とは
- (2) 教頭の危機管理力
- (3) 教頭としての対応力
- (4) 職員への共感的理解も「教頭の統率力」である
- 3 「教頭にしかできないこと」がある
- (1) 教頭の世界における合い言葉
- (2) 教頭にしかできない人の動かし方
- 三 教師集団を活性化させる教務主任の統率力
- 1 明確な指示が組織を動かす
- 2 教育課程の提案で教師集団を統率する
- 四 教師集団を活性化させる研修部長の統率力
- 1 「公開研究会」を継続して開催する
- 2 まず、隗より始めよ
- 五 教師集団を活性化させる生徒指導主事の統率力
- 1 「司令塔」として動け
- (1) 常に「事態」をシミュレーションせよ
- (2) 生徒指導主事は非常時の司令塔である
- 2 まず「やってみせる」のが生徒指導主任の統率力
- (1) やってみせ
- (2) 遅刻が多い現状をどう変えるか
- (3) 小さなことからの変革
- (4) いち早く現状を捉え「やってみせる」
- \ 集団統率力はなぜ必要なのか
- 一 逆説的に考えてみるとわかる
- 1 統率されていない学級
- 2 統率されていない教師集団
- 二 集団としての力を引き出す
- おわりに /長野 藤夫
はじめに
◆次の言がある。
学級を統率する。
これが一般的である。これは、すなわち次のことである。
子供集団を統率する。
「そのために、我々教師は先人に学ぶ必要があるのではないか」
そう思うに至った。もちろん、本書で取り上げた先人以外にも、たくさんいる。
たとえば北条時宗である。鎌倉武士を統率し、元寇という国難に立ち向かった人物である。
たとえば兒玉源太郎である。日露戦争では自らの役職を降格させて現地に赴き、軍の指揮を執って我が国を勝利に導いた。
そのような人物から統率の思想、理念、気概といったものを学ぶことで、次のことの重要性を、ひしひしと感じるのである。
教師たる己の「心」を磨く。
◆最近、これもあるのではないかと考えている。
学校を統率する。
すなわち、次のことである。
教師集団を統率する。
これは、管理職だけの仕事ではない。各校務分掌でも、これができなければ学校づくりはできない。
◆いずれにしても、本書は力なき教師たちの一提案である。
検証しつつ、ご批正いただければ幸いである。
平成二一年一一月二三日 TOSS中学網走みみずくの会代表 /長野 藤夫
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- 明治図書