河田孝文・授業技量提言集5
「楽しく鍛える国語」で授業を変える

河田孝文・授業技量提言集5「楽しく鍛える国語」で授業を変える

「楽しく鍛える」すぐ使える国語授業の事例を数多く収録。

参観授業お薦め・知的で楽しい漢字文化、どの子も書ける作文授業の提案。分析批評で子どもを鍛える。別れの序章〜授業で卒業式をむかえる。研究授業で討論に挑む。本書には河田学級における「楽しく鍛える」すぐ使える国語授業の事例が数多く収められている。


紙版価格: 2,460円+税

送料・代引手数料無料

当日発送

電子書籍版: 未販売

電子化リクエスト受付中

電子書籍化リクエスト

ボタンを押すと電子化リクエストが送信できます。リクエストは弊社での電子化検討及び著者交渉の際に活用させていただきます。

ISBN:
4-18-246513-X
ジャンル:
授業全般
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 240頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2019年9月20日
新学習指導要領解説書籍
テキスト採用品見本お申込みはこちらから

目次

もくじの詳細表示

まえがき
第T章 参観授業お薦め 知的で楽しい漢字文化
一 参観授業〜テンポよくTOSS教材ユニットを繰り出す〜
1 楽しく熱中している姿を演出する
2 熱中する授業を演出する漢字スキル
二 河田学級授業参観 漢字文化「虫」(学級通信より)
1 「土」の成り立ちは?
2 【漢字文化六年】漢字の成り立ちに関わる十問
三 漢字文化の授業 漢字一文字で一時間の授業を組み立てる
四 「音」の成り立ちを授業する
第U章 どの子も書ける作文授業の提案
一 ワークとコンテンツで創るトレース作文
1 授業の骨格
(1) モデルセンテンスについて/ (2) トレース作文作業について/ (3) 作文ワークについて/ (4) 授業コンテンツについて
2 トレース作文スキル授業の見通し
二 ザ・タイトル〜作文の「題」のつけ方を教える〜
1 フレーズから番組を推測
2 映画にキャッチフレーズをつける
3 セミナーにキャッチフレーズをつける
三 作文力を保障する作文スキルを教える
1 作文力を支える二種類の作文スキル
2 作文の表現力は教えれば身につく
四 場面をきりとった作文(学級通信より)
五 作文チェックカード ザ・赤ペン
第V章 分析批評で子どもを鍛える
一 ノート指導で子どもの発言を引き出す アウトラインをなぞらせるノート指導
1 ノートの書き方をマネさせる
二 討論で力を発揮する子に ノート指導・指名なし討論がポイント
1 アウトライン作文で授業の感想を発表する
2 分析批評で指名なし討論
三 事件に分けるときの一手
四 登場人物の検討
五 アウトラインでなぞらせる評論文の書き方
1 お手本をマネさせる評論文
六 子どもが熱中! 三十分は続く指名なし討論 「海のいのち」(登場人物を検討する)
1 登場人物をあげる(一時間)
2 それぞれの役割を検討する
七 「注文の多い料理店」
1 音読練習
2 仮主題・設定
八 「清水」
九 「ヒロシマのうた」
1 登場人物について検討する
(1) 思いつくものを書き出す
2 場面を分ける【「事件の始まり」を手がかりに】
(1) 「いきなり事件」型か「説明→事件」型か考える/ (2) 説明と事件を分ける/ (3) 事件の場面を分ける
十 討論を巻き起こす! しっかりしたノートづくり〜子どものノート 思考の流れを明確にしたノート作りの指導
1 達意の文章に必要な二つの型
2 表記の型を教える
3 表現の型を教える
第W章 別れの序章
〜授業で卒業式をむかえる〜
一 最後の日は授業で締めくくる(学級通信より)
二 卒業文集の断片〜自分新聞〜
第X章 研究授業で討論に挑む
一 研究授業通信「Hi-STANDARD」
二 私的研究授業の意義
1 研究主題の構造
2 研究主題を構成する文言の消化
三 研究主題 到達への道筋はいろいろあるけど
1 研究主題についてもう一歩
四 実物資料「桃花片」指導案
1 第六学年一組国語科学習指導案
2 目標
3 指導計画
4 本時案
五 研究授業後、自分の授業を考察する
あとがき

まえがき

 授業には、上手い下手がある。

 誰だって授業は上手くなれる。

 ただし、上手くなるための条件がある。

 まずは、「授業が上手くなりたい」という強い信念、意欲をもつこと。

 意欲は、脳を活性化する。そして、脳は、そのために必要な情報をたくさん集め、実現するための回路をつくる。

 次に、目標とする明確な授業像をもつこと。

 強く強く憧れる教師を自分の中にもつこと。そして、その教師の授業を具体的に頭の中にイメージすること。

 憧れの授業像をより鮮明にするためには、ライブで体感するのが一番いい。

 活字では、絶対に授業イメージはわからない。

 ビデオ映像は、授業の様子はわかる。しかし、その場の温度や空気の密度は伝わらない。

 授業ライブにわが身をおき、視覚、聴覚だけでなく、嗅覚、触覚など体中のあらゆる感覚から、毛穴からさえも授業そのものを吸収し体に刻み込むことである。

 脳は、憧れの授業から、リズム・テンポ、子どもとの対応、視線など、優れた授業を成立させる行為を授業コードとして抽出する。

 授業コードは、授業を見る視点となる。

 「授業がうまくなりたい」という強い信念と「憧れの授業に近づきたい」という熱い願いがあればこそである。

 信念と憧れのない教師は、授業を見る目をもたない。

 優れた授業から原理原則を抽出するためのフィルターの目が粗いのだ。

 大切な情報は、素通りしていく。あれども見えずである。

 強い信念と熱い願いで網の目を密にすれば、情報は脳にどんどん濾しとられてくる。

 もちろん、これだけでは授業は上手くならない。

 優れた授業の原理原則を脳に蓄積する作業は、栄養の吸収である。

 吸収した栄養を、消化し、自らの授業力へと血肉化しなければならない。

 消化し血肉化する作業が、研究授業である。

 他人に自分の授業を見てもらい、足らざるを指摘してもらう。

 恥ずかしくても、無様でもいい。

 自分の授業を人様に晒し、傷つき、塩と砂を塗りこまれ、痛い目にあうことだ。

 何度も何度も指摘され批判されれば、やがて神経は麻痺し図太くなってくる。

 何を言われたってへっちゃらになる。

 このような勝負やけの過程なしに授業力の向上はありえない。

 もちろん、授業を見せる相手は、誰でもいいというわけではない。

 授業を見る目をもつプロ教師でなければ意味がない。

 プロ教師は、授業行為の一つ一つを取り出し、どこがどのようによいのか、またはよくないのかを具体的に示すことができる。また、どのような授業にもその場で代案授業をやってみせることができる。

 このような教師が学校にいれば、いうことはない。頭を下げて教えを請えばいい。

 しかし、このような教師は、めったにいない。

 では、どうする?

 TOSSサークルに行くのである。

 ほぼ全てのTOSSサークルは、例会で模擬授業を実施している。

 そして、ほとんどのサークルには目利きの教師がいる。

 目利きの教師の前で授業をし、手ほどきを受け、しごかれるのである。

 私のサークルTOSS/Advanceも例外ではない。

 私のサークルは、毎週例会を実施している。そして、毎回十名以上の教師が模擬授業をする。

 授業後は、参加者から厳しい指摘を受ける。

 さらには、ある人の模擬授業の代案授業を次、次、次とさせられる。

 会場は心地よい緊張感に包まれる。

 このように授業に前向きに挑戦する教師は、必ず授業が上手くなる。

 前向きな教師は、ここで立ち止まらない。

 TOSS授業技量検定に挑戦する。

 授業検定は、授業上達速度を加速させる。

 なぜか? 授業のフレームがかっちりしているからである。

 授業検定には、明確な評価規準がある。【D表@授業の始まり(十五秒)のつかみ A子どもへの目線 Bあたたかな表情、対応 C明確な発問、指示 D心地よいリズム】授業者は、評価規準を最優先に改善して何度も模擬授業に臨む。授業は必ず良くなる。何度もたたき上げるから、土台ががっしりし、授業が安定する。

 授業検定を何度もくぐった教師の授業はロケット進化するのである。

 もちろん、ただ通過するだけでは上達はしない。授業に至るまでの教材との葛藤、評価項目をクリアーすべく臨む何百回という練習、授業日が近づくにつれて増す緊張感。それでも、上手くいかない当日の授業への苛立ちと焦燥感。授業前後の苦闘の数々の先にほんの少しの上達がある。

 どんな教師だって、方向が正しければ授業は上手くなるのである。

 私は、新卒から法則化サークルで学んできた。

 新卒当時、授業も文章も下手だった。

 入門してから十年以上、サークルでほめられたことは一度もない。授業も論文もほとんど検討に値しなかった。

 「人様の前でまともに授業できる日は永遠にこないんじゃないか」と本気で思った。

 しかし、法則化サークルは楽しかった。だから教師の仕事も楽しかった。

 学校で辛いことがあっても、サークルに行けば全てをリセットできた。

 授業がどんなに下手だって、論文がどんなに書けなくたって、サークルでの教師修業を続けようと思った。

 私の取り柄は、続けることだけだった。

 そして、気がつけば十八年の時が過ぎていた。

 向山洋一師匠から、授業技量五段をいただいた。

 そして、江部満編集長から、著作集出版という夢のような機会をいただいた。

 十八年間、不器用に授業をし論文を書き続けてきたからだと思う。

 途中で逃げていたら、休んでいたら、このような時は来なかったはずだ。

 私は、力のない教師だった。授業も文章も下手な教師だった。

 でも、正しい方向を向き、続けていれば、今の私程度にはなれる。

 本書には、河田孝文が教育技術法則化運動、そしてTOSSで学びつかんだ授業づくりの知恵が収められている。

 現在、全国各地で授業の腕を上げるべく教師修業に打ち込んでいる若い教師一人一人への連帯の証である。

 どんな教師だって、方向が正しければ授業は上手くなる。

 本書が授業上達を志す多くの先生方のお役に立てることを祈っている。

 私自身、まだまだ発展途上である。

 この程度では終わらない。

 これから更に授業の腕を磨き、高き高き峰に向かってつきすすむ。

 教師修業は、果てしなく。


  平成十七年十一月一日   /河田 孝文

著者紹介

河田 孝文(かわた たかふみ)著書を検索»

1964年5月 山口県豊浦郡豊北町神田特牛生まれ

1988年 山口大学教育学部卒業

1988年 山口県山陽町立厚狭小学校教諭,1993年山口県豊浦町立小串小学校教諭,1996年山口県下関市立江浦小学校教諭を経て,1999年から山口県下関市立川棚小学校教諭

1988年教育技術法則化運動に参加する。

向山洋一22番弟子,槇田健1番弟子,TOSS授業技量検定五段位,TOSS道徳教育研究会代表,TOSS長州教育サークル所属,TOSS/Advance代表

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書
読者アンケート回答でもれなく300円分のクーポンプレゼント!

ページトップへ