河田孝文・授業技量提言集3
勉強嫌いな子も熱中する楽しい社会科授業づくりの筋道

河田孝文・授業技量提言集3勉強嫌いな子も熱中する楽しい社会科授業づくりの筋道

どの子も熱中させ、学力をつける社会科授業作りを提言。

メリハリのある社会科授業をパーツとシステムで組み立てる。地図って楽しいと子どもが熱中する地図帳活用例。この国に生まれてよかった! 日本人としての誇りを育てる。一時間まるまる討論会。社会科の基礎学力を育てるノート指導の原則、社会科授業づくりの提言。


紙版価格: 2,060円+税

送料・代引手数料無料

翌日発送

電子書籍版: 未販売

電子化リクエスト受付中

電子書籍化リクエスト

ボタンを押すと電子化リクエストが送信できます。リクエストは弊社での電子化検討及び著者交渉の際に活用させていただきます。

ISBN:
4-18-246315-3
ジャンル:
授業全般
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 176頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2019年9月19日
新学習指導要領解説書籍
テキスト採用品見本お申込みはこちらから

目次

もくじの詳細表示

まえがき
第T章 メリハリのある社会科授業! パーツとシステムで組み立てる
一 授業の必達イメージを持つ
二 よい授業にはよいシステムがある
三 討論はシステムの集合体である
四 従来の社会科授業の問題点
五 社会科の学力を保証する授業
六 社会科の学習スキル
七 情報を集めるスキルを教える
1 アイテムをそろえさせる
2 調べ方を教える
八 社会科学習用語を身につけさせる
九 TOSSランド活用法
十 TOSSランドで都道府県を覚える
十一 TOSSランドで地図記号を覚える
第U章 地図って楽しい! 子どもが熱中する『地図帳』活用術
一 教科書で教える社会の基礎学力
二 等高線の授業
1 等高線の定義を言えるようにする
2 等高線の基本形を確認
3 教科書の等高線@を読み取る
4 教科書の等高線Aを読み取る
5 教科書の地図を断面図にする
6 地形(台地)を鳥瞰図で確認する
7 白糸台地に水を運ぶ方法を考える
8 通潤橋について教える
三 地図帳は教科書である
四 「地図記号」を地図帳で教える
1 地図記号を紹介する
2 自分たちの身の回りの地図記号
五 「方位記号」を地図帳で教える
六 自然物を検索する
七 市町村を検索する
八 できる子も大満足。知的興奮がある授業
第V章 この国に生まれてよかった! 日本人としての誇りを育てる
一 これからの社会科の礎となる授業
二 教育観の転換を
三 資料の発掘・開発が急務
四 「日本人の気概を教える」単元を教科に挿入する
五 「日本人の気概を教える」人物一覧
第W章 一時間まるまる討論会! 河田学級実況中継
一 討論「日本は戦争を避ける方法がなかったのか」
二 討論を活性化する工夫
第X章 社会科の基礎学力を育てるノート指導の原則
一 学習のしつけとしてのノート活用の型
二 社会科学力を支えるノート活用の型
三 「記録するノート」活用の型
1 視点を限定する調べるノート活用
2 俯瞰する調べるノート活用
四 脳の特性を利用したノート活用法
1 「流れをつかむ」調べるノート活用
2 情報を蓄積するノート活用
五 考えれば、暗記する
六 情報を整理させる発問 その1
七 情報を整理させる発問 その2
八 記憶を強固にする説明という作業
九 記憶を強固にする向山式ノート指導
1 向山式ノート指導の概要
2 追試上の修正ポイント
十 ノート指導の実際
第Y章 ものの見え方が変わった! 本物との出会いを演出する
一 まちづくり教育と連動させる
二 予測力を育てるテスト試作
三 施設新旧の比較検討が未来予測力を育てる
四 社会見学の指導原則
五 五感に沿った内部情報蓄積
六 “臭い”で見学するかまぼこ工場
七 唐戸市場を“音”で教材化する
第Z章 世界が見えてきた! 総合的な学習とは、このようにリンクさせよ
一 制限時間内に意義ある体験活動をする
二 実施前に内部情報蓄積と意欲喚起が大切
三 情報【コンピュータ・インターネット】の授業を真っ先に!
四 総合的学習ユニットを挿入する際の三つの視点
五 挿入単元は、教科再編への指針となる!
六 インタラクティブな学習の可能性を広げる「Eメール」の学習
七 教科・道徳に挿入する福祉ユニット各種
八 教科に挿入する「エネルギー授業」ユニット
九 環境問題の基礎基本ユニットを教科に挿入する
十 「食育」ユニットを各教科へ挿入する
十一 社会科に挿入する国際理解学習単元
十二 調べ学習のスキルを各教科に挿入する
十三 教科と関連する体験活動こそ必要
1 やってみたい体験学習
あとがき

まえがき

 授業には、上手い下手がある。

 誰だって授業は上手くなれる。

 ただし、上手くなるための条件がある。

 まずは、「授業が上手くなりたい」という強い信念、意欲をもつこと。

 意欲は、脳を活性化する。そして、脳は、そのために必要な情報をたくさん集め、実現するための回路をつくる。

 次に、目標とする明確な授業像をもつこと。

 強く強く憧れる教師を自分の中にもつこと。そして、その教師の授業を具体的に頭の中にイメージすること。

 憧れの授業像をより鮮明にするためには、ライブで体感するのが一番いい。

 活字では、絶対に授業イメージはわからない。

 ビデオ映像は、授業の様子はわかる。しかし、その場の温度や空気の密度は伝わらない。

 授業ライブにわが身をおき、視覚、聴覚だけでなく、嗅覚、触覚など体中のあらゆる感覚から、毛穴からさえも授業そのものを吸収し体に刻み込むことである。

 脳は、憧れの授業から、リズム・テンポ、子どもとの対応、視線など、優れた授業を成立させる行為を授業コードとして抽出する。

 授業コードは、授業を見る視点となる。

 「授業がうまくなりたい」という強い信念と「憧れの授業に近づきたい」という熱い願いがあればこそである。

 信念と憧れのない教師は、授業を見る目をもたない。

 優れた授業から原理原則を抽出するためのフィルターの目が粗いのだ。

 大切な情報は、素通りしていく。あれども見えずである。

 強い信念と熱い願いで網の目を密にすれば、情報は脳にどんどん濾しとられてくる。

 もちろん、これだけでは授業は上手くならない。

 優れた授業の原理原則を脳に蓄積する作業は、栄養の吸収である。

 吸収した栄養を、消化し、自らの授業力へと血肉化しなければならない。

 消化し血肉化する作業が、研究授業である。

 他人に自分の授業を見てもらい、足らざるを指摘してもらう。

 恥ずかしくても、無様でもいい。

 自分の授業を人様に晒し、傷つき、塩と砂を塗りこまれ、痛い目にあうことだ。

 何度も何度も指摘され批判されれば、やがて神経は麻痺し図太くなってくる。

 何を言われたってへっちゃらになる。

 このような勝負やけの過程なしに授業力の向上はありえない。

 もちろん、授業を見せる相手は、誰でもいいというわけではない。

 授業を見る目をもつプロ教師でなければ意味がない。

 プロ教師は、授業行為の一つ一つを取り出し、どこがどのようによいのか、またはよくないのかを具体的に示すことができる。また、どのような授業にもその場で代案授業をやってみせることができる。

 このような教師が学校にいれば、いうことはない。頭を下げて教えを請えばいい。

 しかし、このような教師は、めったにいない。

 では、どうする?

 TOSSサークルに行くのである。

 ほぼ全てのTOSSサークルは、例会で模擬授業を実施している。

 そして、ほとんどのサークルには目利きの教師がいる。

 目利きの教師の前で授業をし、手ほどきを受け、しごかれるのである。

 私のサークルTOSS/Advanceも例外ではない。

 私のサークルは、毎週例会を実施している。そして、毎回十名以上の教師が模擬授業をする。

 授業後は、参加者から厳しい指摘を受ける。

 さらには、ある人の模擬授業の代案授業を次、次、次とさせられる。

 会場は心地よい緊張感に包まれる。

 このように授業に前向きに挑戦する教師は、必ず授業が上手くなる。

 前向きな教師は、ここで立ち止まらない。

 TOSS授業技量検定に挑戦する。

 授業検定は、授業上達速度を加速させる。

 なぜか? 授業のフレームがかっちりしているからである。

 授業検定には、明確な評価規準がある。【D表@授業の始まり(十五秒)のつかみ A子どもへの目線 Bあたたかな表情、対応 C明確な発問、指示 D心地よいリズム】授業者は、評価規準を最優先に改善して何度も模擬授業に臨む。授業は必ず良くなる。何度もたたき上げるから、土台ががっしりし、授業が安定する。

 授業検定を何度もくぐった教師の授業はロケット進化するのである。

 もちろん、ただ通過するだけでは上達はしない。授業に至るまでの教材との葛藤、評価項目をクリアーすべく臨む何百回という練習、授業日が近づくにつれて増す緊張感。それでも、上手くいかない当日の授業への苛立ちと焦燥感。授業前後の苦闘の数々の先にほんの少しの上達がある。

 どんな教師だって、方向が正しければ授業は上手くなるのである。

 私は、新卒から法則化サークルで学んできた。

 新卒当時、授業も文章も下手だった。

 入門してから十年以上、サークルでほめられたことは一度もない。授業も論文もほとんど検討に値しなかった。

 「人様の前でまともに授業できる日は永遠にこないんじゃないか」と本気で思った。

 しかし、法則化サークルは楽しかった。だから教師の仕事も楽しかった。

 学校で辛いことがあっても、サークルに行けば全てをリセットできた。

 授業がどんなに下手だって、論文がどんなに書けなくたって、サークルでの教師修業を続けようと思った。

 私の取り柄は、続けることだけだった。

 そして、気がつけば十八年の時が過ぎていた。

 向山洋一師匠から、授業技量五段をいただいた。

 そして、江部満編集長から、著作集出版という夢のような機会をいただいた。

 十八年間、不器用に授業をし論文を書き続けてきたからだと思う。

 途中で逃げていたら、休んでいたら、このような時は来なかったはずだ。

 私は、力のない教師だった。授業も文章も下手な教師だった。

 でも、正しい方向を向き、続けていれば、今の私程度にはなれる。

 本書には、河田孝文が教育技術法則化運動、そしてTOSSで学びつかんだ授業づくりの知恵が収められている。

 現在、全国各地で授業の腕を上げるべく教師修業に打ち込んでいる若い教師一人一人への連帯の証である。

 どんな教師だって、方向が正しければ授業は上手くなる。

 本書が授業上達を志す多くの先生方のお役に立てることを祈っている。

 私自身、まだまだ発展途上である。

 この程度では終わらない。

 これから更に授業の腕を磨き、高き高き峰に向かってつきすすむ。

 教師修業は、果てしなく。


  平成十七年十一月一日   /河田 孝文

著者紹介

河田 孝文(かわた たかふみ)著書を検索»

1964年5月 山口県豊浦郡豊北町神田特牛生まれ

1988年 山口大学教育学部卒業

1988年 山口県山陽町立厚狭小学校教諭,1993年山口県豊浦町立小串小学校教諭,1996年山口県下関市立江浦小学校教諭を経て,1999年から山口県下関市立川棚小学校教諭

1988年教育技術法則化運動に参加する。

向山洋一22番弟子,槇田健1番弟子,TOSS授業技量検定五段位,TOSS道徳教育研究会代表,TOSS長州教育サークル所属,TOSS/Advance代表

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書
    • わかりやすかった
      2018/4/540代・小学校教員
読者アンケート回答でもれなく300円分のクーポンプレゼント!

ページトップへ