楽しいクラスづくりフレッシュ文庫・別冊1
授業で使える「五色百人一首」小話集

楽しいクラスづくりフレッシュ文庫・別冊1授業で使える「五色百人一首」小話集

ロングセラー

好評22刷

百人一首の歌について,1首1ページで,授業で使えるエピソードや作者についてのこぼれ話を紹介。「五色百人一首」の遊び方も説明されている。


紙版価格: 1,960円+税

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電子書籍版: なし

ISBN:
978-4-18-170421-6
ジャンル:
学級経営
刊行:
22刷
対象:
小学校
仕様:
B5判 120頁
状態:
在庫あり
出荷:
2018年11月19日
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もくじ

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■はじめに
■五色百人一首の説明と使い方
@ 足曳の 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜を 独りかも寝む /柿本人麿
A 有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし /壬生忠岑
B 嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 龍田の川の 錦なりけり /能因法師
C 奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋は悲しき /猿丸大夫
D 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪 /坂上是則
E 寂しさに 宿を立ち出でて ながむれば いづこも同じ 秋の夕暮れ /良■法師(りょうぜんほうし)
F 鵲の 渡せる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける /中納言家持
G 君がため 惜しからざりし 命さへ 永くもがなと 思ひけるかな /藤原義孝
H 憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを /源俊頼朝臣
I 天つ風 雲の通ひ路 吹きとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ /僧正遍昭
J 巡り逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな /紫式部
K 和田の原 漕ぎ出でて見れば 久方の 雲ゐにまがふ 沖つ白波 /法性寺入道前関白太政大臣
L 陸奥の 信夫もぢずり 誰故に 乱れそめにし 我ならなくに /河原左大臣
M いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に 匂ひぬるかな /伊勢大輔
N きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき 独りかも寝む /後京極摂政前太政大臣
O この度は ぬさも取りあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに /菅家
P 夜をこめて 鳥の空音は はかるとも 世に逢坂の 関は許さじ /清少納言
Q 百敷や 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり /順徳院
R 契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり /藤原基俊
S 思ひ侘び さても命は あるものを 憂きにたへぬは 涙なりけり /道因法師
@ 嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな /西行法師
A 来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ /権中納言定家
B もろともに あはれと思へ 山桜 花より外に 知る人もなし /前大僧正行尊
C 音に聞く 高師の浜の あだ浪は かけじや袖の ぬれもこそすれ /祐子内親王家紀伊
D 高砂の 尾上の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ /前中納言匡房
E 長からむ 心も知らず 黒髪の 乱れて今朝は ものをこそ思へ /待賢門院堀川
F かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを /藤原実方朝臣
G 有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする /大弐三位
H 恨み佗び 干さぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ /相模
I 誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに /藤原興風
J しのぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで /平兼盛
K 風をいたみ 岩打つ波の おのれのみ くだけて物を 思ふころかな /源重之
L 立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む /中納言行平
M 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ /文屋康秀
N 山里は 冬ぞ寂しさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば /源宗于朝臣
O 秋の田の かりほの庵の とまをあらみ わが衣手は 露にぬれつつ /天智天皇
P 田子の浦に うち出でて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ /山部赤人
Q 筑波嶺の 峰より落つる 男女川 恋ぞつもりて 淵となりぬる /陽成院
R 世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる /皇太后宮大夫俊成
S 永らへば またこの頃や しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき /藤原清輔朝臣
@ 春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天の香具山 /持続天皇
A 天の原 振りさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも /安倍仲麿
B これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関 /蝉丸
C 住の江の 岸に寄る波 寄るさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ /藤原敏行朝臣
D 山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり /春道列樹
E 久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ /紀友則
F 白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける /文屋朝康
G 浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき /参議等
H 由良の門を わたる舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋の道かな /曽禰好忠
I 八重むぐら しげれる宿の 寂しきに 人こそ見えね 秋は来にけり /恵慶法師
J 滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ /大納言公任
K 大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立 /小式部内侍
L 淡路島 通ふ千鳥の 鳴く声に いく夜寝ざめぬ 須磨の関守 /源兼昌
M 秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ /左京大夫顕輔
N ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば ただ有明の 月ぞ残れる /後徳大寺左大臣
O 村雨の 露もまだ干ぬ まきの葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ /寂蓮法師
P み吉野の 山の秋風 さ夜更けて ふるさと寒く 衣うつなり /参議雅経
Q 花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり /入道前太政大臣
R 夜もすがら 物思ふころは 明けやらで ねやの隙さへ つれなかりけり /俊恵法師
S 玉の緒よ 絶えなば絶えね 永らへば しのぶる事の 弱りもぞする /式子内親王
@ わが庵は 都のたつみ 鹿ぞ住む 世をうぢ山と 人はいふなり /喜撰法師
A 花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世に経る ながめせし間に /小野小町
B 和田の原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ あまの釣舟 /参議篁
C 君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ /光孝天皇
D 千早振る 神代も聞かず 龍田川 から紅に 水くくるとは /在原業平朝臣
E 詫びぬれば 今はた同じ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ /元良親王
F 月見れば 千々に物こそ 悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど /大江千里
G 小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今一度の みゆき待たなむ /貞信公
H 心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花 /凡河内躬恒
I 人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香に匂ひける /紀貫之
J 夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月やどるらむ /清原深養父
K 忘らるる 身をば思はず ちかひてし 人の命の 惜しくもあるかな /右近
L 恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか /壬生忠見
M 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは /清原元輔
N 忘れじの 行く未までは かたければ 今日をかぎりの 命ともがな /儀同三司母
O 安らはで 寝なましものを さ夜更けて かたぶくまでの 月を見しかな /赤染衛門
P 心にも あらで憂き世に 永らへば 恋しかるべき 夜半の月かな /三条院
Q 夕されば 門田のいなば おとづれて 蘆のまろやに 秋風ぞふく /大納言経信
R わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね かわく間もなし /二条院讃岐
S 世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ あまの小舟の 綱手悲しも /鎌倉右大臣
@ 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな /藤原道信朝臣
A 朝ぼらけ 宇治の川霧 絶え絶えに あらはれ渡る 瀬々のあじろぎ /権中納言定頼
B 哀れとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな /謙徳公
C 逢ひ見ての 後の心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり /権中納言敦忠
D 逢ふ事の 絶えてしなくば なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし /中納言朝忠
E あらざらむ この世の外の 思ひ出に 今一度の 逢ふ事もがな /和泉式部
F 今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな /素性法師
G 今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで いふよしもがな /左京大夫道雅
H 瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても未に 逢はむとぞ思ふ /崇徳院
I なげきつつ 独り寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る /右大将道綱母
J 名にしおはば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな /三条右大臣
K 難波江の 蘆のかり寝の ひと夜ゆゑ 身を尽くしてや 恋ひわたるべき /皇嘉門院別当
L 難波がた 短き蘆の ふしの間も 逢はでこの世を すぐしてよとや /伊勢
M 春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ /周防内侍
N 人も惜し 人も恨めし 味気なく 世を思ふ故に 物思ふ身は /後鳥羽院
O 御垣守 衛士のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ 物をこそ思へ /大中臣能宣朝臣
P みかの原 わきて流るる 泉川 いつみきとてか 恋しかるらむ /中納言兼輔
Q 見せばやな 雄島のあまの 袖だにも ぬれにぞぬれし 色は変はらず /殷富門院大輔
R おほけなく 浮世の民に おほふかな わがたつ杣に 墨染の袖 /前大僧正慈円
S 風そよぐ 奈良の小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける /従二位家隆

はじめに

    /小宮 孝之


高校三年生の時、「百人一首の全文現代語訳」という課題が出されました。大学ノート一ページに一首ずつ視写して品詞分解、現代語訳を書いていき、百首全てを訳し終えるのに二カ月もかかりました。しかし、この経験は私の古典に対しての興味を呼び起こし、今から思えばその後の人生さえも決めてしまうきっかけになったのでした。

 大学卒業後は、古典の教師として高等学校の教壇に上がりました。そこでは進学講座という名の放課後の授業がありました。私は古典の担当として、十数名の生徒達と「古事記」や「日本書紀」などを品詞分解をしたり、現代語に訳したりしてきました。当時の生徒達とは卒業後に「琴響の会」という同窓会を結成し、現在も年に数回集まっては、近況を報告し合っています。

 小学校に職場を移した年、「足立87の会(現お江戸87の会)」という法則化サークルに参加しました。「五色百人一首」を知ったのも、法則化を始めたからです。図らずも私は運命のようなものを感じました。古典を研究するきっかけとなった百人一首に、ここで再び遭遇するというのは、大変に衝撃的であり、また感慨深いものでもあったのです。

 その二年後、中央事務局の新牧賢三郎先生から電話を頂きました。「小宮先生は古典が得意でしたよね。『トークライン』で百人一首の連載をやりませんか。」突然の話でした。「教育トークライン」誌がリニューアルする時に、たまたま古典教師の経験のある自分にお声がかかったのです。そして「授業で使える『五色百人一首』小話」というタイトルで、毎月二ページの連載が始まりました。拙稿の連載は丸々四年間に及びました。その間には、IMAGICAシステムランドの川村博行専務や、東京都かるた協会の皆様との出会いもあり、CD‐ROM「かるた塾」の製作に現代語訳担当として参加することもできました。

 連載が二巡目、五年目に入ったころ、「あの連載をもとに一冊お書きいただけないかな…。」という趣旨の、明治図書編集長樋口雅子氏からの手紙が舞い込んできたのでした。本書の内容は雑誌の連載をベースにしてはいますが、全て書き下ろしです。子供達が「百人一首」にどうしたら興味を持ってくれるのだろうか。そしてそのために私達教師はどんな雑学を身につけていたらよいのだろうか、そういうコンセプトで筆を進めていきました。

 五色百人一首の字札に添えられている手引き書には向山先生がエピソードの何たるかを解説されていますが、この本はそれを集めたものになっています。一番上の段には「授業で使える!とっておきエピソード」を置きました。教科名を配し、子供達に話したり、授業を創ったりするのに便利なようにいたしました。中段には「もっと詳しく知りたい人のための古典こぼれ話」を添えました。ここは少し本格的に、古典常識や和歌の技巧などにポイントを絞って、先生方の読み物にもなるようにしました。また、現代語訳も載せてあります。そして下段には作者の生きた時代の背景や思いもかけないエピソードに至るまで、「作者」についてのこぼれ話を集めてみました。

 学習指導要領が改訂され、間もなく小学校でも古典的な文学に触れさせる機会が増えることになります。

 この本がそういう時のお手伝いとして先生方のお役に少しでも立てれば、そしてそれを通じて子供達が古典に興味を持ってもらえれば幸いに思います。

 最後に、今回の執筆に当たっては「教育トークライン」誌への連載の機会を与えて下さいました法則化運動代表の向山洋一先生、編集部の新牧賢三郎先生、板倉弘幸先生、菅澤孝年先生、そして執筆の際に百枚を超える原稿を検討して頂いた87の会の先生方、長期にわたり多大なご指導を下さいました明治図書の樋口雅子編集長、並びに編集部の阿波理恵子氏に、深く感謝の意を表します。

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